私はリーダーに向いていません。
しかし,年齢が年齢なので小さな人数の長を任されることがあります。
しかし,リーダーシップを発揮するのが難しい。
そんな問題意識でこの本を読みました。
国分泰孝著「リーダーシップの心理学」
ここから学んだことを話します。
1 目標が大切
最初に学んだことは,目標を持たせること大切さです。
なるほど。
何をするにも目指すところが明確でないといけません。
集団でなにかをする際,目標がないとばらばらになります。
特に,難易度が大切とのこと。
難しすぎればフラストレーションがたまる。
簡単過ぎれば,成就感が得られない。
やればできる達成可能な目標がいいとのこと。
体験上,少し無理かなという目標の方が達成した時の喜びが高いような気がします。
まあ,それで達成できなければ無力感しか残らないので,ここは人によるとしかいえないかもしれません。
その人の能力を見取るのもリーダーの力なのでしょう。
そして,ポジティブに声掛けをする。
できたら賞賛,できなくても取り組み方を賞賛。
これが大切とのことです。
2 チームの和
集団で何かをするには和が大切です。
和を以て尊しとなす。
なんですが,この和を最も壊しやすいものがあるとのこと。
ひいきです。
ひいきがあると嫉妬の気持ちを生起させます。
「人が好かれているのに,私は好かれていない。」
という気持ちがあると,和が保たれるわけがありません。
なのでひいきは決して行ってはいけないわけです。
なのになぜリーダーはひいきをするのか。
二つの理由があるとのこと。
一つは,メンバーに認められたい・褒められたい・好かれたいという気持ちです。
なのでどんな状態になっても自分の味方になってくれる人を探す。
失愛恐怖が根底にあるのだそうです。
もう一つは,個人的な事情だそうです。
自分と同じような環境にある人を自分の分身のように思えてくる。
そして同一化する。
こういうことがあるそうです。
どちらも,自分の心の弱さに原因があるようです。
リーダーは,自分しか頼りになるものはない,という気持ちをもつことが大事なようです。
3 ケアの気持ちを常に
仕事を分担して役割を持たせる。
そうすると,役割に応じて困難さの差が生じる。
こうした時にどうするか。
リーダーには,こういう時の配慮が大切なようです。
まずは,役割と責任を明確にする。
自分の判断で行える余地を残しておく。
そして,結果を認める。
それが大切なようです。
そして,個々を知り配慮する。
個々に声掛けをする。
十把一絡げに扱われていない。
こういう気持ちを大切にする。
とても大事とのことです。
そして,人情を理解する。
仕事上どうしても嫌なことをせざるを得ないことがあります。
それを嫌々ながら遂行する人の気持ちを知る。
情感的に理解し,声掛けする。
つまり,個々の気持ちを大切にすることだと思います。
4 カウンセリング
実は国分さんの本を読むのは2冊目です。
1冊目は「カウンセリング心理学」。
著者はカウンセリングの専門家です。
このリーダーシップ論にもカウンセリングの理論が多く使われていました。
他人の気持ちを受け止めること。
そのことがリーダーシップにも生きることが分かりました。
自分でもできるリーダーシップがあると思いました。
|