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車のバッテリーがあがった!

車のバッテリーがあがってしまいました。

軽トラックです。

軽トラックは父が乗っているのですが、事情があってここ10日ぐらい動かしていませんでした。

今日は台風15号が来ます。

というかもう風は野分立ちてます。

よそにおいてある荷物を片付けようということになりました。

ところが、トラックのキーを回しても何も起こらず。

うんともすんともいいません。

ほんとに何の反応もないのです。

これは困った。

台風襲来対策優先なので、別の車で荷物片付けには行きました。

その問題は解決。

でも、車動かない問題は解決していません。

室内灯は点きます。

ラジオの照明も点きます。

ライトは点きません。

ホーンも鳴りません。

そして、エンジンキーを回しても、セルモーターの音が聞こえません。

そもそも、警告灯すら点きません。

まあ、ヒューズ切れというケースもありますが、この間車検を通したと言っていたので、それは考えにくい。

というか、ヒューズボックスを開けるのがめんどう。

ということで、車から車に電気を流すという一般的な方法で試してみることにしました。

それでわたしの車とつなげます。

久しぶりだなあ。

何年ぶりだろう。

さてさて、ブースターケーブルはどこにやったのか。

けっこう探してようやく見つけました。

数年に1度使うかどうかという道具です。

片付けがよくないのが悪いのですが、道具は整頓してないとダメですね。

ちなみに買うと数千円するというけっこうなお値段で、バッテリーを買った方がいいかもしれないと毎回悩む道具でもあります。

つなげました。

つなげる順番が大事です。

① 故障車のプラス(赤い方、ちなみにバッテリー端子にカバーがされてる方)をつなげる。

② 救援車のプラスにつなげる。

③ 救援車のマイナス(黒いケーブル、バッテリーはカバーなし)につなげる。

④ 故障車のエンジンで通電するところにつなげる。なんですが、軽トラックにそういうところが見つけにくいため、マイナスのバッテリー端子につなげました。これでも大丈夫という解説もあり、これでうまくいった経験があるので、今回もそうしました。

救援車のエンジンをかけます。

5分ぐらいまちます。

まあ、バッテリーをつないだ時点で、さっき点かなかった明かりが点いてたのでたぶん問題なしでしょう。

5分後、故障車のエンジンをかけます。

慎重に。

おお、動きました。

このまま暖気運転していると充電が足りないそうなので、ご近所1周ドライブに出発。

どうやら問題はなかったようです。

それにしても台風の強風すごいですね。

軽トラックがあおられあおられる。

港を見たら、防波堤を波しぶきが越えてました。

帰宅して終了。

明日もエンジンをかけてみようと思います。

古い車は、乗ってないとダメなのかな。

心配なので、室内灯もオフにしました。

やれやれ。

スズキ・スペーシア試乗記

1 代車

今年、車が車検でして、予約を取りました。

いつも案内のはがきが来た頃に予約するので2ヶ月以上前にします。

というか、土日にしてほしいので、そのくらい前じゃないと工場が空いてないんですね。

というわけで早めに予約していたんですが、予備検査(スズキでは、車検そのものの時間を短縮するために、こういうことをしてます。それと見積もりづくりのためですね)の時、予約の日はできなくなったと告げられました。

ええーっ、土日でと言ったらそちらが提案してきた日ですよ。

加えて、水か木に持ってきてほしいと。

だから、こっちも仕事なんですってば。

ということを話したら、代車を用意していただけることになりました。

スズキは代車費用を取るのですが、今回は店から提案なので無料とのこと。

1日で済ませたかったけれど、まあ妥協点です。

代車を借りることにしました。

そして先日、車を預けまして代車に乗って帰ってきました。

それがスペーシアです。

2 スズキ・スペーシア

軽自動車のハイトワゴンを運転するのは初めてです。

さすがにこれだけ流行っていると、後部座席に乗せられたことはあります。

今や軽自動車といえば、このタイプ。

どんなもんだろうとワクワクして乗りました。

乗ってみた感想。

1 居住スペースが広い。

当たり前なんですが、頭上がめちゃ広い。

こぶし2個分ぐらいあります。

免許取ったのが、4ドアハードトップ全盛期でしたので、車ってのは頭が天井に触るもんだぐらいに認識があるので(クラウンでも低かったよね)これは衝撃。

いや運転席でこれは異常でしょ。

上だけ考えれば、ジャンボタクシーより広いかも。

ちょっと言い過ぎました。

次にフロントガラスまでが遠い。

助手席にはもの置きトレーがついてます。

今ジムニーなんでものの置き場に困ってますから、うらやましいことこの上ない。

ドリンクホルダーも2個あるし。

これ部屋ですね。

2 エンジンは非力

上り坂になると、急にエンジン音が大きくなります。

タコメーターついてないんですが、多分4000程度回転してるんじゃないかなあ。

つまりは、パワーがない。

数名乗車で坂道はつらいかも。

まあ発進はスムーズなので、そのあたりはオートマ調整しているのでしょうが、絶対的なパワーはないと。

というか重すぎるんでしょうね。

ハイトじゃない軽だとこうじゃないので。

3 サスは固い

カーブでロールはしません。

ジムニーはふわふわなので気にするんですが、スペーシアは沈まない。

そして、段差をよく拾う。

バネが常に重さを受け止めているので、縮んだ状態が通常ってことなんでしょうか。

まあカーブはいいとしても(背が高いので怖くてスピード落としちゃうので)大きな段差ではびっくりしますね。

そういう点でもゆっくり乗る自動車ということなのかな。

3 総評

移動用具ですね。

移動目的なら不満はありません。

機能は十分、といいうかオーバースペックです。

そんなに荷物は積まないし。

スピードとか操縦性は考えても仕方がない。

よくなる要素はありません。

車に趣味性を求めない人にはいいかもと思いました。

今の車買うときに、スペーシア・ギアも考えたんですよ。

1年待たなくともよかったし。

高速によくのる今の使い方を考えると、選ばなくてよかったなあと思いました。

ただですね。

これから先はわかりません。

高齢者となった現在は、こういう移動用具こそ生活を豊かにしてくれるかもしれない。

そう感じています。

ゆっくり移動で、広々で見晴らしもいい。

乗り降りもしやすい。

スローライフにぴったりです。

自動車も道具だから、結局どういう使い方をするかがすべてなんですよね。

スペーシアというかハイトワゴンがふさわしい生活も悪くない。

そう思いました。

生協を退会した

生協を脱退しました。

理由は定年の歳になったからです。

生協は就職直後に職場で入りました。

必要はまったくなかったのですが、なんかみんな入るような雰囲気だったのですね。

それで、入ったところで不利になるわけでもなかろうと入会したわけです。

出資金が必要ということで、給料から天引きされました。

それから3年近く出資したのかな。

もう40年近くも前のことなので、覚えていません。

その後、職場が変わると同時にこの出資も途絶え、生協とは縁がなくなりました。

近くに生協の店舗があるわけでもなく、職場配達の商品を買うわけでもなく、まったく利用していなかったので、なんら困ることはなかったわけです。

出資金はわずかだったので、そのままにしていました。

というか、出資していたことすら忘れていました。

当時の職場を回る担当者が、ありえないくらいいい加減だったのでそんな感じになったのだと思います。

その後、その方は転職されたようでした。

ちなみに写真の組合員証は入会当時のもので、もはやこれを示したところで組合員であることを証明できるものではないとのことです。

昭和の話です。

長らく幽霊組合員だったわけですが、10年ほど前に営業をかけられました。

共済に入りませんか、と。

つまり保険です。

グループ共済なのかな、傷害保険らしいのですがメインはそこではなく訴訟に対応した保険であると。

比較的安い掛け金であると。

それで、「わたしはかつて組合員だったと思いますが、もう資格がないと思いますよ」と返事をしました。

体のいいお断りです。

その営業さんですが、そんなことはないと執念を持って調べたんですね。

ノルマでもあったのでしょうか。

それで、わたしの組合員番号を突き止めたわけです。

その当時下宿していた家の住所(アパートが少ない地域と時代でした)を見せられて、感傷的になりました。

そんなこんなもあり、当時訴訟に備えるみたいな報道もあったりしたので、その共済に入ったのです。

それまで営業をかけられることは一切なかったのにね。

その共済も数年前に解約しました。

もう訴訟を起こされる立場でもなくなったからです。

とまあ幽霊会員に逆戻りなんですが、それからは毎年出資配当をお知らせが届くようになりました。

本部がわたしの存在を認識したのです。

今年も届いたはがきを見て、覚えているうち退会しようと行動に移したわけです。

先日、銀行口座に出資金が振り込まれました。

配当があったとはいえ、ほとんど増えていない金額。

あのバブル末期の銀行利子が続いていたら、普通預金にしていただけでももっと増えていたでしょうね。

最近はやりの株式投資では、どうでしょう。

その頃の投資は、窓口に行ってまとまった口数の株を購入しないといけませんでしたから、こんな少額じゃあできなかったでしょうね。

ともあれ、なんかタイム・カプセルを開けたような気持ちです。

カードの裏には、5桁の郵便番号と住所・氏名がカタカナで記されたシールが添付されています。

ワープロ専用機が普及し始めた時代、コンピュータでの印刷はこれが主流でした。

色あせたカードを見ながら、社会人1年目のことを思い出そうといろいろ試みました。

出来事とかじゃなくて、当時の感情というか気分というか、そういうものをです。

結局は、何も思い出せませんでした。

わたしがその時代にいたという足跡は、わたしの内部にはなくて、ちっぽけなカードとして残っているだけらしいです。

裁断して捨てようと思います。

自治体マイページとふるまど

1 ふるさと納税改悪

令和7年の改正によりふるさと納税にポイントはつかなくなりました。

残念!

ふるさと納税は、住民税を自分の好きな自治体に収めることができる制度です。

自治体によっては、というかほぼ全部の自治体で納税への返礼品が受け取れます。

というわけで、税金の品物がもらえるという庶民にとっては夢のような制度だったのですが、一つマイナス面がありました。

事務手数料です。

この制度を利用すると住民税に加えて、事務手数料2000円がかかります。

それを補うにはどうすればよいか。

ポイント制度です。

わたしが利用していた楽天市場だと、0か5の付く日とか「お買い物マラソン」等のセール日を利用して2000ポイント以上もらえば実質負担はなし、ということができました。

しかし、それも過去のことです。

総務省のお達しにより、ポイント付与が禁止されたのです。

いわく、ふるさと納税の趣旨に合わず、ただの買い物と化している、と。

まあ否定はしませんが、別に脱税しているわけでもなく、日本のどこかで税金が有効に使われているなら、それもいいのではないかと一国民としては思います。

住民税の全額を使っているわけでもないですし。

さて、このようなことでふるさと納税への意欲が少々減退していたのですが、それでもこの制度を使った方がお得なわけでして、今年もしました。

わずかばかりのポイントをねらって、0か5のつく日に楽天市場で。

ちなみにふるさと納税そのものにポイントは付かないのですが、ふるさと納税でクレジットカードを使うと、クレジットカード利用のポイントは付くそうです。

わずかばかりですけどね。

もう一つの豆知識をいうと、「ふるなび」のサイトで「ふるなびマネー」を使うと5%ぐらいのお得になるので、事務手数料の完璧に補填したい方は、ご利用をするとよいでしょう。

詳しくはここを見てね。

money.furunavi.jp

2 ワンストップ特例申請のオンライン

多少メリットが薄れたふるさと納税ですが、便利になった点もあります。

ワンストップ特例特例申請の電子化です。

前からあったはあったんですが、どんどん使いやすくなってきました。

さて、まずはワンストップ特例申請について話します。

本来、ふるさと納税を行うには確定申告を行う必要があります。

しかし、多くの給与所得者は確定申告を行った経験もないのでわずわらしいことこの上ないでしょう。

というわけで、ふるさと納税普及のため政府も考えました。

5つの自治体までなら(つまり寄付先が5つまでなら)ワンストップ特例申請をするだけで、ふるさと納税を利用できるとしたのです。

画期的です。

なんですが、制度が始まったばかりのときは、封書で申請書を送付する必要がありました。

身分証明書のコピーを添付したりして、多少面倒でした。

とはいえ、そこまで面倒でもなかったのですが、ここのマイナンバーカード普及振興が重なりまして、マイナンバーカードを使ってスマホ(カードリーダーがあればパソコンでも)でオンライン申請ができるようになったのです。

とはいえ「おさいふケータイ」が利用できるスマホに限りますけど。

これは便利になりましたね。

ホント、数分で申請が完了しますので。

後、地方自治体によっては申請書の郵送費を納税者負担に変えるところも現れました。

切手買うのもなあということで、わたしなんぞはオンライン申請一択になりました。

3 2つの申請サイト

実は、今回の申請で戸惑ったことがありました。

申請サイトです。

以前、申請に使ったサイトは「自治体マイページ」でした。

そこで全部できると思っていたのです。

全国の地方自治体が支援して作られたサイトなのかなあとぼんやり思っていたのでした。

なので、返礼品が届いた後は、時々「自治体マイページ」を開いて、(まだ申請可になってないなあ)などと思っていたわけです。

あんまり遅いので、寄付した自治体からのメールを読み直しました。

そこで恐るべき事実が判明。

なんと「自治体マイページ」ではなく、別のサイトを使うと書いてあるではありませんか。

そのサイト名は「ふるまど」。

なんと、うっかり。

危なくただの寄付になるところでした。

まあ、自分の早とちりが原因なんですけど、「メールに書いてあるURLはクリックしない」が習慣になっているということもあります。

今回も、メールからではなく自分で「ふるまど」を検索して不審なサイトではないことを確かめながら勧めました。

なにしろ、マイナンバーカードの読み取りという超個人情報を扱いますので。

4 「ふるまど」を利用して

さて、初めて使った「ふるまど」ですが、案外快適でした。

使うには「IAM」というアプリをインストールする必要があります。

ダウンロードサイトで評価を見ると、1点台。

なかなか見る数字ではありません。

厳しめのコメントが書いてあります。

しかし、インストールしなければ申請はできないので進めます。

実際の申請は、サイト上で行い「IAM」は裏で働いているといった感じでした。

タップして起動することもなし。

「何度もやり直しになった」的なコメントがあったので覚悟して望みましたが、そんなことはまったくありませんでした。

数分で終わり申請完了。

承認待ちとなりました。

「ふるまど」も便利です。

でも、こういうのって公的なところ一つにまとめた方が楽なんじゃないかなあ。

【書評】荻原浩「陰謀論百物語」

1 本作の概要

風刺のきいた短編小説集です。

オール讀物に掲載された6編に書き下ろし1編を加えています。

書き下ろしの「戦争過敏シンドローム」だけ作風が違いますが、多くはコメディ風の社会風刺小説です。

作品が発表された時期に社会で話題となっていたことを風刺している感じですね。

2編取り上げます。

2 「ハードボイルド・ルール」

取り上げている題材は、コンプライアンス。

主人公は反社のメンバーで、出所してきたばかりです。

数年間不在にしただけで、世の中がすっかり変わってしまった。

健康志向、不倫反対、差別用語禁止。

公だけじゃなく私的生活にも厳格に適用されている。

そんな社会に戸惑う主人公。

オチは唐突な感じですが、「健全な社会」を風刺しています。

正しい社会に息苦しさを感じている人への「清涼剤」となるのか?

という作品でした。

3 「パスワードを入れてください」

何をするにもセキュリティが大事。

パスワードが必要になります。

そして、登場人物がそろいもそろってパスワード管理が甘い人たち。

なぜか記憶に自信を持っていて、パスワードをメモしていません。

そして決定的場面で、どうしても思い出せないという。

そういう話です。

そんな中でも「顔パス」を要求する大学教授が、いい感じで老害感をかもしだしています。

オチはまあ本題材に関わるものですが、まあそんなにオッとなるようなものでもありません。

パスワードに振り回される人々への共感と社会風刺を楽しむ作品です。

4 総評

★★★☆☆

本作は、設定がすべての作品ばかりです。

その意味でいうと、星新一さんのショートショートに近いかな。

つまり、もしもこういう社会だったらという「もしもボックス」の世界を楽しむ作品です。

なので、クスッとはするし、現代社会を振り返るという楽しみ方が本道なんでしょう。

物語を楽しむとか、人間の真理が現れているといった作品ではありません。

正直にいうと手に取ったのは、ライトなホラー作品を読めるかなと思ったからでした。

なにせ百物語ですから。

実際は、陰謀論を信じる人々をおもしろおかしく描いた小品。

最初からショートショートを読むつもりなら、いい作品集だと思います。

【書評】M・ノート「イスラエル十二部族の制度」

1 本書の概要

古代イスラエルの社会制度研究の古典です。

古代イスラエルでは、王権等の強大な統治システムがなかったにも関わらず、安定した社会制度を維持したのはなぜか。

このような問いに対する解答が本書というわけです。

昨今の中東情勢に興味があったので読み始めたのですが、ガチの論文で、しかも概念が難しいので、途中で読むのやめようかと思いました。

なので、簡単に紹介しておしまいにします。

2 アンフィクチオニー

本書の中心概念です。

この用語を知っていることが本書を読む前提になってます。

なので本書内での説明がないし、門外漢にとってはなんのことやらです。

さすがに調べました。

アンフィクチオニーとは、古代ギリシャで特定の神域や神殿を共同で維持・管理するために、周辺のポリス(都市国家)や部族間で結ばれた宗教的・政治的な同盟のことです。

というわけで、わかったようなわからないような説明ですが、要はユダヤ教を信じる部族が、その教えを守るために作った同盟のことでしょう。

これによって、古代イスラエルの民は、政治的な安定性を保っていたというわけです。

古代ギリシャの概念を古代イスラエルに当てはめたというわけですね。

3 十二部族

イスラエルは十二部族にわかれていたそうです。

その十二部族は、時代によって入れ替わったり名前が変わったりしていたらしいのですが、ともかく十二の部族で構成されていた。

どの祖先から枝分かれしたかについて、それぞれのいわれをもっているとのこと。

このゆるやかな連合が古代のイスラエル社会を作っていたのだそうです。

なぜ、十二なのか。

数が多すぎやしないか。

これについても仮設が提案されていまして、1月ごとに役割を分担していたんじゃないかというのです。

つまり、1月に仕事をする部族、2月に仕事をする部族、というそんな感じです。

当番は、やらなきゃいけませんからね。

それで十二の部族が必要だったと、こういうわけです。

本書には出てきませんが、失われた十支族という話がありまして、強大な王に統治された後、他民族の征服されたり虜囚にされたりして、十の部族の行方がわからなくなったという話です。

これも、1月ごとの役割分担がなくなったことにより、部族の作る必然性がなくなったからとも考えられるわけで、なかなかおもしろい視点です。

3 総評

さっそく総評なんですが、今回はで評価するのはなしにします。

学術書ですし、古代イスラエル研究の必読書らしく、学問的評価は高い本書です。

ですが、中東地域に興味があったわたしのアンテナにはまったくかすりませんでした。

なので、自分としては誰かに薦めるような本でもないのですが、正当な評価としては高いと、こういう本ですので。

ただ、イスラエルの社会体制がこのような形態のままであったら、現在のような状況にはならなかったでしょう。

今とは、あまりに違いすぎます。

【書評】新川帆立「俺の恋バナを聞いてくれ」

1 本作の概要

恋愛を題材とした短編集です。

主人公は男性。

立場は社会人やら大学生やらさまざま。

それぞれの立場で、それぞれの恋愛観というか人生観にもとづいて生きています。

軽い題名、軽めの表紙イラスト、短編の題名も「ハイスペ」など4文字短縮語。

なので、気楽に読める大衆小説かと思ったのですが、案外一つ一つは深い。

人間の洞察ができていると感じました。

総評の前に言っちゃうと、これおもしろいです。

よくできてるし、読後すこし考えさせられます。

全部で6つの短編から成るのですが、印象に残った2つを紹介します。

2 ハイスペ

婚活市場で、高くランク付けされるような男性の話。

同じくハイスペの友人に誘われて合コンに行きます。

しかし、このハイスペの男、案外融通が効きません。

相手に合わせることもなく、愛想よくすることもなく、女性を持ち上げることもしない。

ハイスペに寄ってくる人はいますが、当然うまくいくこともなし。

しかし、この男、おもしろいことに趣味が漢詩です。

ちょっとなるほどという感じ。

わたしも若い頃、漢文・漢詩に興味を持っていたので、人物像にはピタッときました。

恋愛その他の情緒満載の万葉集とかに比べて、漢詩というのは人生の悲哀を理知的に詠んでいるものが多い。

つまり、この男、ただの嫌味なやつではなく、一本筋が通っている(ように思える)。

そう思ったのです。

この男の恋愛は、展開がおもしろいので、ぜひ読んでみてください。

3 ハングレ

ヤクザではないけれど、反社会的な生き方をしている人。

なんですが、主人公がそうというわけではなく、主人公が女友達の父親がそうなのでした。

いやちょっと違うかな。

ヤクザそのものなんですね。

この父親、長い間家族との連絡を絶っていたので、死亡扱いになってます。

女友達の母(失踪中)が立派な仏壇を買い、アパートに備えている。

でも、娘である女友達は、父親の死を信じていない。

そういう、ちょっと複雑な家庭の話でした。

それで、主人公の男なんですが、強めのクセありです。

女友達にはアルバイトで近づいています。

ブラック・アルバイト。

死んだはずの父親が接触したら知らせるという内容。

父親が父親だけに依頼主もそれなり。

かなり危ない橋を渡ってるわけです。

それでも、女友達に彼氏だと思われている。

そんな立ち位置です。

まあ、恋心をお金に変えているというクズですね。

しかし、父親が帰ってきてから急展開で…というお話。

複雑な心情が軽快な文体で描かれていて、とてもおもしろかったです。

4 総評

★★★★★

文句なし。

いい作品ばかりです。

大衆文学はこうでなくちゃ。

やっぱり小説には、人生の断面が描かれていないと楽しくないんです。

いかにエンターテインメントを狙っていたとしても。

すばらしい読後感をありがとう、です。

作者の他作品も読んでみたくなりました。