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ファイナンシャル・プランナーの勉強2

1 ライフ・プランニングの基本

ファイナンシャル・プランナーは人生の資金計画の助言者。

ということは人生設計であるライフ・プランニ

ングに詳しくなくてはいけません。

ということで、ライフ・プランニングの基本を今回は勉強します。

ライフプランニングの基本とは、次の3つの表を作成することです。

2 ライフイベント表

まずはお金がかかるイベントを洗い出します。

ライフイベントと呼ぶのだそうですが、人生の節目というのはたいていお金がかかるものです。

まあ、具体を見てもらった方が早いと思うので、実例を挙げます。

こんなやつです。

つまりですね、お金がかかりそうなイベントを洗い出し、何年にいくら支出するかを明らかにする表ということです。

自家用車は中古車で考えました。

これ簡単にし過ぎてまして、ほんとうは家族全員を書き出した方がいいのです。

その方がリアルに必要なお金がわかりますからね。

そして、そのイベントが起きる年までに、資金をどう貯めていくか。

あるいは、お金を借りてどう返していくか。

そういうことを考える基礎資料とするのです。

人生で必要な大きな資金は3つあるといわれています。

住宅資金、教育資金、老後資金。

これらを賄う資金を貯める計画を次に考えなくてはいけません。

3 キャッシュ・フロー

さあ、ライフイベントを踏まえて、年単位のお金の流れを明らかにしていきます。

それを表したものが、キャッシュ・フロー表です。

これも具体を挙げていきます。

1年目にライフイベントとして中古車を購入してます。

1年目しか作ってませんが、こんな感じ2年目、3年目…と老後まで続けていくものです。

年単位のお金の動きが明確になりますね。

気をつける点がいくつかあります。

1 収入は可処分所得とする。

税金とか社会保険料とか、いわゆる天引きされているものを除いて、実際使えるものを記載するということです。

2 変動率を加える。

基本生活費にはインフレ率を加えます。

今回は2%としました。

収入には給与としての昇給率を、金融資産残高には利回りを加えています。

あくまで予想ですけど。

家計簿をつけている人は、生活費をもっと精密に記入できるはずです。

4 バランスシート

最後は、バランスシート、貸借対照表です。

そう、会社の資産を明らかにする「あれ」です。

自分個人の貸借対照表を作成するというわけです。

バランスシートといえば、左側に資産、右側に負債と資本です。

個人で作成すると資本金などというものはないので、ここは純資産になります。

純資産とは何か、というのは個人においてはやや「哲学」的な問いになりそうですが、ここでは単純に次の公式から導きましょう。

資産=負債+純資産

つまりは資産から負債を引いたものとして考えます。

さて、まずは資産、これはどのようなものがあるでしょうか。

預金、株式、投資信託、積立型の生命保険、自宅、自家用車…。

こういうものです。

大事なことは、時価で記載すること、です。

自家用車などはカー・センサー等で中古価格を調べ、自宅もスーモ等で似たような住宅を調べるなどします。

まあ、査定すれば正確でしょうけど、お金がかかりますからね。

これが左側です。

では、右側はどうなるか。

まずは負債です。

住宅ローンや車のローンなどの借金ですね。

返済中の奨学金なども含まれます。

これも残りの支払額を正確に記載します。

左側にはもう一項目あります。

そう純資産。

何を純資産とするかが難しいのは、先に述べた通り。

なので、考えずに資産から負債を引いた額を記載しておきましょう。

大事なことは、左側と右側が同額になることです。

バランスがとれているから、バランスシートなんです。

このバランスシートは何を表しているのか。

それは、作成時の資産状況をあらわしているのです。

つまりは、それがあなたの財産。

そういうわけです。

5 今回のまとめ

  1. ライフプランを作るには、3つの表が必要である。
  2. ライフイベント表、キャッシュ・フロー表、バランスシートである。
  3. ライフイベント表は大きな出費を、キャッシュ・フロー表は長い期間でのお金の流れを、バランスシートは作成時の資産状況を表す。
  4. 数字で具体的に資産をつかむことが大事。

今回のまとめは以上です。

これらの表を作るためにも、家計簿をつけておくことが大切ですね。

ファイナンシャル・プランナーの勉強

1 お金の勉強

もうすぐ退職なので、税金とか社会保障とかのことを自分でしなければなりません。

動画見たり本読んだりのダラダラした「勉強」はしてきました。

してきましたが、身についているかというと、たぶんついてない。

なので、ちゃんと勉強しようと思ったんです。

ボケ防止にもなるかもしれませんし。

2 ファイナンシャルプランナーを勉強しよう

選んだ内容は、ファイナンシャルプランナーです。

なんでか。

退職セミナーに参加したとき、講師がファイナンシャルプランナーだったからです。

話の内容もおもしろかったし、自分に必要な知識を持っていると感じたのでした。

薄く広い感じも自分に合っているし。

難しいことはできないので、まずは3級。

3級って、なんか資格としは弱い気がするんですが、別にそれで働こうとしてるわけじゃないですし。

それに途中であきらめるかもしれないし。

手軽そうなので始めました。

3 ファイナンシャルプランナーとは

とはいえ、そもそもファイナンシャルプランナーとは何か。

税理士なら税金の専門家。

簿記なら帳簿つけの専門家。

というようになんとなく名前から想像がつくんですが、ファイナンシャルプランナーは横文字だし、イメージできません。

桐谷さんの動画の相方がファイナンシャルプランナーだった気がします。

あの方、有能っぽかったけど、資格じゃなくてあの方が有能だったのかもしれませんし。

というか、インタビューアーは本務じゃないでしょうしね。

というわけで、本で調べてみました。

まずは、「ライフプラン」というものがあります。

人生の計画ですね。

そのライフプランを実現するための資金計画を「ファイナンシャル・プランニング」というそうです。

人生にはお金が必要。

そのお金を計画的に用意する。

それがファイナンシャル・プランニング。

こういうわけです。

そして、そのファイナンシャル・プランニングが考え、実現を助けるのがファイナンシャルプランナーなのでした。

なので、人生に必要な出費と資産運用に詳しくないとできない。

それに詳しい人がファイナンシャルプランナー

こういうことらしいです。

自分は計画を立てるまでの必要性は感じないんですが、計画を立てるための知識はほしいという立場です。

なので、勉強する内容としては合っている気がしました。

4 ファイナンシャルプランナーの職業倫理

ファイナンシャルプランナーの仕事をする上での職業倫理、仕事をする上での道徳があるようです。

4つあるようです。

  1. 顧客の利益優先
  2. 守秘義務の厳守
  3. 顧客への説明義務
  4. 顧客の同意

1つ目、顧客の利益優先は、顧客以外の誰かの利益を優先してはダメってことですね。

つまり、こういうことをしてはダメってことです。

保険を顧客にすすめる。

それよりも保証同等で掛け金が安い保険がある。

しかし、保険会社からのキックバックはすすめる方が大きい。

だからすすめる。

明らかに顧客より保険会社と自分を優先してますね。

悪いことは明らか。

まあ、でもこういう人っていそうなんですけど。

2つ目、秘密を漏らすな。

当然です。

ですが、◯◯証券使っていると◯◯銀行とか◯◯保険とかから勧誘がいっぱいくるんですが、どうなんですか。

しかし、これも決めておかないととんでもないことになりそうですので、決めておかなくちゃいけませんね。

3つ目、わかりやすく説明すること。

う〜ん、契約書といえば保険やさんなんですけど、あの豆粒のような約款、わかりやすく説明されたことないんですけど。

アパート契約もそうだったなあ。

わかりやすくといい加減な説明は表裏一体。

気をつけないといけませんね。

4つ目、提案内容への同意は意外でした。

契約でもないのに同意?

まあ、仕事として依頼したからには、そういうものなんでしょう。

でも、提案されたライフプランを実行するのは、また別って感じなんですが。

まとめると顧客を優先するってことですね。

当然といえば当然の内容です。

5 やっていいこととダメなこと

さて、ファイナンシャルプランナーがお金について助言・支援・提案する人だってことはわかったんですが、どうもできることとできないことがあるようです。

なぜか。

他の資格との競合の問題があるんですね。

お金のことでもできないことはこんな感じです。

できないこと1、個別具体的な説明

法律に関わる個別具体的な説明をすると弁護士ではないからダメ。

相続税とか確定申告にかかる個別具体的な説明をすると税理士ではないからダメ。

とまあ、つまりは専門家が領域を荒らすな!となるわけです。

逆にいうと、「あくまで一般的な話ですが」という説明はしていいわけです。

できないこと2、書類の代理作成、提出の代行、各種手続きの代行

確定申告書の作成や遺産分割の調停、不動産媒介などは、それぞれの専門家じゃないとできないのです。

あくまで一般的な助言はできますけど。

その他、生命保険の募集、投資顧問契約などは、生命保険募集人や金融商品取引業の登録をしていないとできないそうです。

こうしてみると、案外できないことが多いですね。

逆にファイナンシャルプランナーじゃないとできない業務、いわゆる独占業務がないそうです。

広く薄いアドバイザーだから仕方ないのかもしれません。

5 今回のまとめ

  1. ファイナンシャルプランナーは人生に必要なお金の助言者
  2. 顧客第一で仕事をしないとダメ
  3. 独占業務はなく、一般的な説明をするのが仕事

自分なりの言葉でまとめるとこんな感じでした。

これから広く薄く勉強をしていきたいと思います。

【書評】ボブ・ウッドワード「WAR3つの戦争」

1 本書の概要

バイデン政権の外交奮闘記です。

バイデンは3つの戦争に対応しなければなりませんでした。

ウクライナプーチン

ガザのネタニヤフ。

そしてフロリダのトランプです。

本書を読むと、バイデンが政権運営をするにあたって、どれだけ共和党を操るトランプを意識せねばならなかったかがわかります。

フロリダにもう一つ大統領府があったかのようです。

この辺りは、日本にはまったく伝わっていなかったことですね。

2 信頼できないプーチン

ウクライナの国境に軍隊を展開していたプーチン

ヨーロッパ諸国のみならず当事者のウクライナでさえ、ロシアが本当に侵攻するとは考えていなかったようでした。

バイデン政権は、侵攻すると確信していたようです。

プーチンにとってウクライナは他国ではないのでした。

歴史的に、それこそキエフ大公国の頃から、ロシアとウクライナは一つの国であって、ソ連崩壊時に悲劇的に別れただけ、という認識のようです。

この辺りの認識は、当事者でないとわからないところです。

ただですね、世界恐慌時のスターリンによるウクライナの扱いなどは、とても兄弟国に対するものとは思えないですけど。

そして、多くの予想とは別に、バイデン政権が予想した通り、プーチンは戦争を始めました。

プーチンは電撃作戦でウクライナを制圧するつもりだったようです。

しかし結果はご存知の通り。

世界に名を轟かせたロシア陸軍は、ウクライナの反撃に沈みます。

泥沼の消耗戦を続けることになりました。

バイデンはベトナムアフガニスタンの轍を踏まないよう、派兵を避けています。

アメリカ兵の被害がないという1点においてのみ、バイデン政権は成功したといえるかもしれません。

3 復讐鬼ネタニヤフ

ガザの戦闘は、イスラエルによるハマスへの復讐です。

ハマスは民間人を襲い、今現在も人質をとっています。

バイデン政権は、戦争の拡大を防がなければなりません。

イスラエルを抑えなければならない。

しかし、政治家としてのネタニヤフは、美しくいえばタフ、俗にいえば腹黒で信頼はできない。

まったく難しい舵取りです。

ユダヤ対アラブとしてしまったら、もう止めることはできない。

具体的には、イスラエルとイランを戦わせてはいけない。

どちらも負けそうになったら核を躊躇なく使う国です。

まったく油断なりません。

それにしても、です。

アラブ人とユダヤ人はもともと宗教が違っていただけの人々です。

それがここまでこじれるとは。

さてネタニヤフです。

彼はとにかくハマスを殲滅するまで戦闘をやめないつもりです。

そのためには、ヒズボラにもちょっかいをだす。

イランと対決することになんの躊躇もない。

イランだけですめばよい方で、他のアラブ国を巻き込んでも構わないとまで考えている。

イスラエルの人々は、彼を頼もしいと感じているのでしょうか。

右側の政治家というものは、国内にいると客観的に評価しずらいのかもしれませんが、危険な政治家のように感じます。

4 フロリダのトランプ

正直、アメリカ国民でないとトランプの魅力がどこにあるのかさっぱりわかりません。

アメリカのリベラルがいいとはいいませんが、トランプに常識があるとは思えません。

最近の関税政策に対して、報道も遠慮がちですが、愚策だと思っているはずです。

景気をよくするなら、楽市楽座に勝る政策はありません。

物価を上げてまで自国製品を国民に買わせる。

そんなことができるわけないし、できても継続できるわけはないのです。

しかも、彼は相手をフェイクといいながら自分は嘘をつく。

典型的なデマゴーグなわけですよ。

しかし、にも関わらず大衆は彼を支持する。

選挙の負けも認めず、大衆を暴徒とした。

危険ですし、不幸な将来しか見えない。

イーロンとも仲違いしましたが、政権内での内ゲバは第一次政権からの悪癖で全然治っていない。

年老いて頼りなく見える男と銃撃されても立ち上がるタフな男。

プーチンよりもネタニヤフよりも対応が難しい相手だったと思います。

実際、バイデンは負けました。

5 総評

★★★☆☆

3つです。

読み応えもあるし、文章も平易です。

分量は相当ですが、一気に読めます。

そして内容も興味深い。

ルポルタージュではありませんが、膨大なインタビューに裏付けられて信頼度も高い。

しかし、バイデン前大統領の視点から見た世界であり、多面的ではありません。

そこへの配慮が減点になったかな。

何よりバイデンという人間に主人公たる魅力が薄いんですね。

それがおもしろさを損ねている部分です。

まあ、日本の政界を題材にこんな本が書かれたらと思うと、アメリカがうらやましくなる本ではあります。

iGrowとスマホの生体認証

1 証券講座入力の厳格化

証券口座の乗っ取りが問題となってました。

勝手に証券口座にログインして、勝手に売買するという。

そういう犯罪です。

それで6月に入ると証券口座へのログインが厳格化されました。

なるほど。

それは不便になるが仕方のないことです。

ですが、わたし入れなくなったんですね。

どうしてか。

様子を話します。

2 生体認証の問題

楽天証券スマホアプリにiGrowというものがあります。

去年の12月に公開されました。

無料で使えるよいアプリです。

それまでのiSPEEDとかに比べて、インターフェイスがよくて使いやすいのです。

このアプリ上で積立設定などができます。

なので、今回のログイン厳格化の波にさらされました。

楽天証券のサイトと同様のログイン厳格化が適用されたのです。

それはいいんですが、そのおかげでログインできなくなりました。

どうしてか。

スマホの生体認証のせいです。

楽天のログインには、ログインしようとすると登録したメールアドレスに情報が送られてくるようになってまして、それを入力することでログインできるようになります。

メールアドレスに送られてくるまではいいんですよ。

メールを確認して、iGrowのログイン画面にもどろうとしますね。

するとですね、生体認証をonにしていると、アプリがもう1回起動になるんです。

生体認証しないと起動できないので。

とすると、先程のメールで確認した情報が古くなりまして、もう1度メールが送られてくるということになります。

そしてはじめに戻り、メールを確認します。

アプリにもどると、メール情報は古くなります。

はっはっは。

以下、無限ループ。

つまり、スマホでメールを確認する限り、永遠にアプリが開けないのでした。

なんだこの◯ソ仕様。

まあ、楽天の問題というかこちらのスマホの問題というか、複合的問題というか。

パソコンでもメール開けますから問題解決はできるのですが、スマホしかもってない場合は、どうやって解決するんでしょうね。

アプリを消して、再インストールする際に生体認証をoffにするとかかな。

これ、地味に嫌な問題ですよ。

3 感想

一番有能な投資家は死んだ投資家。

という格言というか教えがありますね。

投資したら何もしないのが一番いい結果を生むという。

それに習えば、証券口座なんて頻繁に確認しなくともいいという気がします。

とくに最近、トランプさん他の影響で激下げ相場ですから、見ると気が滅入りますし。

と思っていたんですが、そこに証券口座乗っ取りです。

時々見ないと、乗っ取られたかどうかもわからなくなる。

というわけで見るんですが、見るとこういう問題も起きるわけで。

もっと簡単で強固なセキュリティってないんですかね。

とないものねだりをしてしまう今日です。

【書評】読売新聞「情報偏食」取材班「生成AIの脅威」

1 本書の概要

情報社会の警鐘本です。

本書の概要を述べるに当たって、中立的にとは思ったのですが、無理でした。

羊頭狗肉

本書は、ネットメディア批判本です。

それも新聞社の立場からです。

生成AIの社会的意義とか役割とかそんなものは書かれていません。

ネットメディアの恐怖、危険を繰り返すのみです。

醜悪さを感じます。

社会の木鐸なんて戯れ言、まだ信じてるのでしょうか。

他人事みたいに書ける精神が信じられないというか。

ここで述べられた危険は本質的にオールドメディアにも当てはまります。

2 噂話の扇動

ネットは、視聴者の好悪に合わせて表示をする。

だから情報が偏るという話を過ダイエットをもとに展開します。

まあ、そうでしょう。

しかし、聞きたくないことは聞かない、信じたいことだけを信じる、というのは昔からあることです。

なんか、最近は選挙の前のオールドメディアもそんな感じを受けますけど。

あとは「いいね」の称賛行動の危険性も語られます。

しかし、おだてやお追従で人を誤らせるなんて、ごくごく昔からある方法ですし。

結局は、その人間の問題なわけで。

新聞などもこんなことしてないっていえますかね。

3 契約詐欺

通販で解約できないという事例も挙げられていました。

これネットの問題なんでしょうか。

現代的問題じゃないですか。

まあ、保険の約款みたいに読みにくい契約書なんてものは以前からありました。

そして、長く付き合う商売じゃないものは、その場をとかいう手法を今でも取っるところ多いでしょう。

でも、解約しづらくしてるのって、令和に入って大手もやってませんかね。

携帯電話とか、電気の契約とか、NHKとか。

電話のつながりにくさなんて、もう当たり前になってますもの。

ネットだけじゃないから、こういうところ改善運動を新聞がしたらいいと思うのですけど。

4 生成AIの危険性

生成AIに話題になったと思ったら、本物そっくりに作って人を騙すという話でした。

まあ、そういう使い方ができるのは確かですけど、ここが生成AIの危険性ですか。

それから、宿題を生成AIにやらせる倫理観とか学習能力低下なども書いてありましたね。

新聞社にもデスクという立場の人がいると聞きました。

デスクは記者が書いた記事をチェックし、掲載するか判断する立場なのだとか。

デスクと記者、利用者と生成AIって似てませんか。

要はチェック機能が高まれば問題ないんでしょう。

生成AIが正しいかどうか判断する。

価値あるものかどうか判断する。

なので、能力が低下とかじゃなくて別の能力が重要になったってだけなんじゃないか。

騙されないような人間が増えていけばいいんだと思います。

まあ、ネットや生成AIで簡単に調べようと思ったら、複数調べてチェックが必要とか面倒だったってのも皮肉です。

皮肉ですが、技能ってそういうものだと思います。

5 総評

☆☆☆☆

読まなくていいです。

新しいものはほとんどありません。

この程度の危険性は、テレビでも何でも普通に報道してます。

生成AIの新しい危険性など、どこにも示されていません。

テレビとか新聞とかは、もっと自省してですね、自律的に信頼性を高めた方がいいですよ。

一例ですが、麻生政権の末期になかなか解散しないことをずいぶん批判していたことがありました。

これ、社会正義のフリしてましたけど、本当は選挙特番を組んでいて、そのための予算もずいぶん使っているのに、いつまでも選挙報道ができないからイライラしていたんでしょう。

つまり、金の問題で正義じゃなかったんでしょう。

みんな感じてたと思いますよ。

こういうことの反省を全然しないから信頼されないのですよ。

雲仙普賢岳で避難した民家に上がり込んで電気勝手に使ってたとかね。

ネットがすべていいとは思いませんが、そこを非難するより自分たちで孤高を目指してくださいよ。

なんか陰口・悪口を聞いた後みたいな読後感でした。

【書評】東川篤哉「新謎解きはディナーのあとで2」

1 本作の概要

お嬢様刑事と執事探偵のミステリー、新展開2作目、通算5作目です。

5作目にして、作中のフォーマットが極まったという感じです。

相変わらず失礼執事が鈍感お嬢様を小馬鹿にしながら事件を解決するのは変わらずですが、細かいところまで、様式が決まり始めました。

それを定番と取るか、マンネリとくさすか。

シリーズ累計444万部!という実績を見れば、世間では前者ととらえているのはまちがいなし。

おもしろさはまちがいないところですが。

2 細部の定型化

さて、わたしがつかんだ本作の様式はこうなります。

1 夕食を楽しむお嬢刑事が呼び出されます。

2 自己現場で後輩刑事と捜査をします。

3 ジャガー警部が遅れて現れ、ポンコツ捜査を進めます。

4 お嬢刑事と後輩刑事が周辺捜査を進めます。

5 ジャガー警部がお嬢刑事を呼び出し、ポンコツ推理を披露します。

6 自宅に戻ったお嬢刑事に探偵執事が名推理を披露します。

7 事件解決とエピローグ

まあこんな感じです。

各々の登場人物が自分の役割をしっかり守って、同工異曲な物語を演じます。

ホント「水戸黄門」か「フーテンの寅さん」ぐらい様式化されてますね。

いや「スーパーヒーロータイム」ぐらいかな。

しかし、本作はこの定型化がいいのです。

つまりですね、こういうところは読者が期待しているところじゃないんですね。

前菜が出て、スープが出て、メインが出て、デザートが出る。

その順番に文句いうやつは、コース料理を頼むなってことになりますよね。

本作の読者は、コース料理を食べにきているのです。

そして、そのコースが気に入っているのですよ。

3 メイン料理の味付け

様式化しきった物語のどきに魅力を感じているのか。

それは、メイン料理の味付けですね。

つまり、ミステリーがミステリーたる所以、「謎」です。

解けそうで解けない謎。

これを楽しみにしているのですよ、読者は。

さて本書は5つの短編からなってますが、それぞれに工夫された謎が提示されています。

1話目は「密室」。

2話目は「ダイイング・メッセージ」。

3話目は「アリバイ崩し」。

4話目は「不自然な遺体」。

5話目も「不自然な遺体」。

こうして並べてみると、一つ一つ作者が工夫して「謎」を考えていることがわかります。

そして、その「謎」一つ一つにポンコツな解決策を取り合わせることも忘れずに。

読者が(そりゃないようなあ)とあきれる推理と(なるほど!)と感嘆する推理をセットと提示しなくてはならない。

なかなか難しいと思いますが、作者はきれいにやり遂げています。

この楽しみがあるから、いやこの楽しみを存分に味わうために、様式美が構築されているのでしょう。

4 総評

★★★★

4つですね。

売れているのもわかるよくできたミステリーです。

ただちょっと不安な要素が現れました。

お嬢刑事と執事探偵の恋愛です。

それをにぎわす感じで本書終わったのですが、これは様式美を崩すものです。

どうだろう。

読者は本作を「サザエ時空」に閉じ込めておきたいのではないでしょうか。

様式美のある作品に成長や発展を入れること。

そういうケースがないわけではありません。

しかしそういう場合の結末はこうなります。

作品完結。

読者は、まだまだ読みたいのではないでしょうか。

【書評】東川篤哉「新謎解きはディナーのあとで」

1 本書の概要

コメディー風の本格推理小説です。

国立署に勤める富豪令嬢刑事と名探偵執事が難事件を解決する物語。

10年以上前に、北川景子主演でドラマ化していたように思います。

なにかの後書きで褒められていたので、古いシリーズは読んでいました。

新シリーズがあったとは知りませんでしたね。

しかも、アニメにまでなっていたとは。

tver.jp

おもしろい小説なので、もちろん当たり前といえば当然なんですが。

新作もおもしろかったです。

2 本作の設定

大衆小説、特に短編小説は当たれば連作となるのが常です。

作家にとっても出版社にとってもドル箱ですから。

フォーマットさえ決まれば、後は量産していく。

それが本筋です。

例えば、「鬼平犯科帳」とかね。

ところが、本格推理小説には、こういうものが多くありません。

なぜか。

解き明かすトリックを考えるのが大変だからですね。

名探偵コナン」って、その意味ですごい作品ですね。

チームを組んで考えてるのかな。

さて、本作もその連作が難しい本格推理小説です。

事件が起きてお嬢様が概要をとらえる。

上司の風祭警部がトンチンカンな推理を披露する。

帰宅後、執事の影山が「小馬鹿」にしながら推理を披露する。

解決する。

まあこういう展開なんですが、それぞれのキャラクターが持ち味を活かしておもしろおかしく物語を盛り上げます。

なので楽しく読めるのですが、本質は謎解き。

解決できそうでできない謎を提示しないことには物語が成立しません。

読者はもっと読みたいでしょうけど、多作というわけにはいかない。

そういうことで3冊で閉じたと思っていたのですが、見事復活しました。

さて、本作には令嬢刑事に後輩という新たなキャラクターが配置されました。

空気を読まない無邪気に失礼な明るい後輩という楽しいキャラなのですが、風祭警部や影山執事ほど必要不可欠な存在でもなく、ちょっと微妙です。

主人公の推理に条件をつける存在とか、そういうものになってくれたらいい味だすのに。

今はかわいいだけの存在です。

3 本作の「謎」

さて、本作の「謎」ミステリーですが、5作のうちアリバイ崩しが3つ、密室が1つ、変形密室が1つです。

変形密室とはわたしが勝手にいってるのですが、あるべきじゃない場所に死体があったという状況の事件です。

どれも謎の種類としてはよくあるものです。

本作は謎提示が終わるとお嬢様は家でディナーをとるわけで、読者もそのポイントで謎解きを楽しむことができます。

そういう王道的な楽しみ方ができるわけです。

解き明かせないお嬢様を罵倒する執事の言葉は、作者から読者への挑戦でもあるわけでして。

ですが、まあ推理小説というものは総じてそういうものなのですけど、その解決は非現実的といいますかなんといいますか。

そういう可能性もあるということを楽しめばいいのですけれども、リアリティは薄いわけです。

本作はちょっと犯罪クイズみたいなところがありますので、それが強調された感じになります。

個々の謎は本作を読んで楽しんでください。

自分としては、作者よく考えたなあ、えらいなあ、という感想です。

いや、本心から感心しています。

考えるの大変でしょうね。

4 総評

★★★★

4つです。

おもしろかったですね。

軽いノリで読み進めて、謎で立ち止まって考える。

そういう推理小説らしい読み方が楽しめる本です。

文体なんですが、コミカルな作品にしては、文体が説明調といいますか、ちょっと理系っぽい感じです。

文学っぽくないんですね。

新聞くさいというか。

それが読みやすさにもつながっていると思いますし、テンポのよさにもつながっている。

そう思いました。

謎を考えるのは大変でしょうけど、今後も続けてほしいと思います。

ちなみに、「新」シリーズは2作目も刊行されています。

この後も続くといいなあ。