1 本書の概要
なるべく楽して投資する方法を解説する投資本です。
2年で11刷、第3版まで出ているベスト・セラー。
今さら取り上げるのも恥ずかしいくらいの本です。
今や投資系インフルエンサーが取り上げる投資法は、ほぼこれといっしょです。
王道とまでいわれています。
それで、読まないくせに内容を知っているような気になっていました。
しかし、読まないでおくのも恥ずかしい。
というわけで、改めて読んでみたのです。
2 長期投資、分散投資、手数料の節約
これがほったらかし投資の原則です。
長期投資とは、買ったらそのまま持っておくということです。
値段の上下動につられて、短期で売買しない。
最も成績のよい投資家は、死んでしまった投資家。
複利効果に期待して、資産が増加するのをひたすら待つ。
こういう戦略です。
まさに「ほったらかし」なわけです。
分散投資とは、1つの企業、1つの業界にだけ投資しないということです。
1つの企業、1つの業界にだけ投資していると、そこがダメになった時、自分もダメになってしまう。
どこかがダメになっても他のところでカバーする。
こういう考えで、種類の違うものに広範囲に投資するのです。
最後が手数料の節約。
これはホント大切です。
利率を減らすもの、それは手数料です。
手数料は儲かろうが損しようがとられます。
確実にとられます。
長期になればなるほど額が増えます。
そう、ボディブローのようにじわじわ効いてきます。
これホント避けなければいけません。
手数料が安いところを選ぶ。
とても大切なポイントです。
そして、安いといえばネット証券なんですね。
3 eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
こういう投資本って、一応複数の投資信託を紹介するものなんですね。
これらの中で、お客様の好みに合うものをどうぞってな感じで。
でも本書はそうじゃありません。
潔いというか、究極まで単純化しているというか、1つしか提案してないんです。
アリバイづくり的に「など」を付けてたりしますが、ほんと1本だけです。
それがこれ、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)です。
これ1本に投資していくというスタイルです。
全世界の株式からなる投資信託なので、1つなのに幅広く投資していることになります。
そして、手数料が業界ナンバー1を目指すがごとく安い。
どこかが安くすると対抗するかのように安くする。
これに長期的に継続して投資することで、財産形成はばっちり。
こういう戦略です。
配当や成長でみると、これよりも有利なものもあるにはあるのですが、「ほったらかし」にするには全世界へのインデックス投資が最強。
それで知らず知らずに資産が増える。
正に夢のような戦略なわけです。
それを実現する投資信託がある。
すごいことです。
投資信託の大部分はゴミという人もいますが、中にはこういうものもあるんですね。
4 総評
★★★★★
5つです。
ベスト・セラーなわけが分かります。
こんなに簡単で有意義な提案はありません。
ネット証券で積立NISAでオルカンを買っていく。
それだけ。
簡単ですよね。
ほったらかし投資をすると、投資に気を取られなくなり、仕事に集中できた。
作者の一人、水瀬さんはそう話します。
人生の限りある時間を本当に大切なことに使う。
そのための投資法でもあるのですね。
多くの方がその魅力にとらわれたのも分かります。
文章の読みやすいため、あっという間に読めます。
時間のない方にも、おすすめできる1冊です。