ギスカブログ

 読書しながらスモールライフ「ギスカジカ」のブログ

【書評】「あなたを狙う消費者トラブル40例」

1 本書の概要

マンガでトラブルの実例を紹介するお金トラブル防止本です。

40例ということは、だまし方が40種類もあるんだ!

という驚きで本書を手に取りました。

大きく4種類に分けられています。

ネット関係、契約トラブル、投資詐欺、自分も加害者。

あるものですね。

特に印象に残ったことを2つ書きます。

2 クーリング・オフ制度

意思にそぐわない購入の際に助かるのが、クーリング・オフ制度です。

クーリング・オフは、いったん契約の申し込みや契約の締結をした場合でも、契約を再考できるようにし、一定の期間であれば無条件で契約の申し込みを撤回したり、契約を解除したりできる制度です。」

これは独立行政法人国民生活センター」の説明です。

一度契約したものでも、取り消すことができる制度です。

後悔するような購入や契約をした時に取り消すことができるのは、とてもありがたいですね。

特に、長時間拘束されて契約したり、断りにくい雰囲気を作り出されて契約してしまったりしてしまうことが、ままあるからです。

契約しなけりゃいいやん。

そう言われればそれまでなんですが、人間意志がそんなに強くないですからね。

しかし、いつでも何でも解除できるわけではないようです。

契約後、8日間にクーリング・オフできるのは、こんなものです。

訪問販売
(キャッチセールス、アポイントメントセールス等を含む)
電話勧誘販売
特定継続的役務提供
エステティック、美容医療、語学教室、家庭教師、学習塾、パソコン教室、結婚相手紹介サービス)
訪問購入
(業者が消費者の自宅等を訪ねて、商品の買い取りを行うもの)

信販売は制度の対象外だそうです。

特約が決められている場合はそれに従い、そうでなければ8日間に返品できるとのことです。

ただし送料は、購入者もちです。

ありがたい制度なんですが万能ではありません。

詳しくは自分の地域の消費者センターに相談するのがよいようです。

それと大事な点は、クーリング・オフの通知をはがき(簡易書留など記録が残る形式で)や電磁的気録(スクショなどをとっておく)で、しっかりと行うことです。

記録がしっかり残るもので意思を伝えないと法的に保護されませんからね。

3 投資詐欺

投資詐欺はほんといろいろあります。

基本はポンジスキームのようです。

これ簡単にいうと、徐々に計画を解いていくやり方です。

最初に少額で投資させて約束通りのリターンを返します。

そうすると投資した人は信頼して、少しずつ大きな金額を投資していきます。

かなり大きな金額を投資された時に、ドロンとするわけです。

人間の心理をついた方法です。

自分がリターンを得たという経験が判断をくもらせるわけですね。

それから詐欺とは言いがたい部分が残る投資もあります。

例えばマンション投資です。

まあマンションに限らずですが、銀行から融資(借金ですよ)を受けて投資をします。

家賃などの収入から銀行に返済していきます。

見事完済すれば、手持ちに資金を減らさず、借金で資産を築くというわけです。

うまい話ですね。

うまくいけばですけど。

これ、家賃収入が入らなくなったらすぐに破綻します。

会社経営の事業と同じなんですが、計画通りに収入なんか生じないでしょ。

何があるかわかりませんし。

というわけでいつだって返済不可になる可能性が残っているわけです。

建築業者は、マンションなどが建てばいいわけで後のことはそっちでどうぞです。

銀行は金を返してくれればいいわけで、借り手がいないとか知ったこっちゃないわけです。

まあ○○銀行なんか、これに類した手法で多く貸し付けていたみたいですけど。

リスクの説明なんてほぼしないし、不利な条件は数ポイントの細かい字で契約書にあるっていうのがよくあるやり方です。

リスク0で儲かるなら、なんであなたがしないの?

こういう考えって、大事だと思います。

4 総評

本書の題名は「トラブル」です。

詐欺とかだましにしていないのは、ライトな感じがするからでしょう。

もう一つの理由は、被害者にも責任があるからだと思います。

契約書をよく読んでいなかったり、安易に儲けようとしたりして、自分で地雷を踏みにいっている。

そういう側面があると思います。

自分でよく調べる。

こういうことが大切だと思います。

それに相談先を確保することも大切です。

水道工事の過剰請求などは、水道局にまず相談するとか、賃貸なら大家に相談するとかが基本で、ポスティング広告なんか無視です。

架空請求は相手にせず、心配なら消費者センター。

悪質なのは、請求者と相談先がタッグでだましているということもあります。

公的機関に相談するのが一番。

それが安心につながると改めて思いました。