1 本書の概要
高齢者向けの投資本です。
新NISAでおすすめされるのは投資信託の長期積立。
大切なのは長期ということ。
10年、20年という期間が想定されています。
長期になればなるほど複利が効く。
若者が有利なのは言うまでもありません。
しかし、本書は50代にすすめています。
どんなカラクリがあるのでしょう?
2 長寿化
結論、長生きになったから大丈夫。
こういうことらしいです。
今や長寿社会。
70歳まで積み立てれば、15年、20年は積み立てられる。
こういう構想です。
まあ、そりゃそうなんですけど。
60代で投資資金確保できますか?
そういう問題が新たにわいてきます。
役職定年になり給料が下がる。
65歳以上は、よくて7掛け程度の給料。
悪けりゃ半分以下。
それが現代日本です。
生活費とは別に投資資金確保できるかなあ。
難しいんじゃないかと思いました。
3 積み立てたその先
そこまでして積み立てた先に何があるのか。
普通に考えて健康寿命の壁ですね。
健康寿命とは、健康に何歳まで生きられるか。
寝たきりになる前まで、というイメージです。
男性の平均は、約72歳です。
つまりですね、積み立てたら2年ちょっとで健康寿命がくるわけです。
まあその後もお金は必要になるものの、我慢して積み立てて自由にできるのが2年ちょっと。
考えますね。
財産作ってどうするか。
子孫に残すのか?
医療費に使うのか?
それも一つの考え方ではありますが、夢がないことは確かでしょう。
iDeCoだったら積み立てている期間も節税になるから多少の意味はあるんでしょうけど。
NISAはなあ。
財産作るだけですからねえ。
健康に気を付ければいいんでしょうけどね。
4 総評
★★☆☆☆
2つかなあ。
これは真実もあるんでしょうけど、ポジション・トーク感が強い。
お金を持っている高齢者を株式に巻き込もうという感じかな。
いやまあ高齢者がNISA使って資産増やしてもいいんですよ。
というか個人の自由ですから。
でも、もし老後に使えるお金、自分年金とか、を増やすんだったら米国債でもいいですしね。
まあ、使わないお金を預金に置いとくんだったら、投資信託でもいいんですけど、それは置き場としてですね。
投資信託は株だから下落する可能性もあります。
下落を回復する数年が貴重な高齢者も多いでしょう。
まあ、投資先としてNISAも選択肢の一つです。
それはまちがいありません。
ただ、積極的に勧めるようなものでもないですけどね。