1 本書の概要
投資指南本です。
本書の軸は、不動産投資。
新NISA解説本が多い昨今、不動産はめずらしい。
ほとんどが投資信託を勧めている中、不動産投資を勧める。
オレ流ですね。
何ですけど、本書はおもしろい特徴がありました。
それは、しばらく読み進めても不動産投資本とは、ちっともわからないことです。
外見からもわからない。
これ、かなり徹底していて、第1章を読み終えてもまだわかりません。
つまり、不動産投資本ということを隠している。
ここに本書のキモがありそうです。
2 不安の喚起
人を動かすには、動機を引き出せばよい。
昔から言われていることです。
端的にいえば、アメとムチ。
日本人にはムチが効くようです。
昨今は、不安をあおるCMが多いですね。
これだってムチです。
負の感情を喚起しますから。
さて、お金に関するムチは、預金金利とインフレです。
今の日本じゃ預金してもお金増えませんよ。
むしろ、物の値段が上がって価値が減りますよ。
こんな感じです。
不安が高まった頃合いに解決策を示す。
投資商品です。
そこに我先に跳びつくのですね。
3 不動産投資
本書で提示したのは不動産投資です。
不動産投資は投資の王様だそうです。
まあ、よい不動産を持てば日銭も入るし、売っても儲かるし。
銀行から融資を受ければ、手持ちのお金以上のものが手に入るし。
そういわれることもわかります。
株を買うのでお金貸してください。
そう言って貸してくれる銀行があればいいですけど、まずないでしょう。
不動産投資の利点はわかるのですが、不動産は本書のタイトルどおりではないでしょう。
「お金が勝手に働く」わけはない。
手間掛かりますよ、不動産は。
管理会社に任せても、自分でやることは残るでしょう。
なんか違う感じがします。
さて、不動産が儲かるか儲からないかは、とある1点に掛かっています。
すごく簡単な要点です。
安く手に入れる。
これにつきます。
ワンルームマンションが儲からないといわれてます。
詐欺まがいとまで言う方もいます。
これワンルームだからじゃないんですね。
高く売りつけられているから儲からないんです。
不動産投資だったら、みんなが欲しがる土地を安く手に入れるということを書いてないと不十分だと思うのです。
なので、本書の内容には満足いかないんですね。
4 総評
★☆☆☆☆
1つかな。
不動産は、そんなに簡単じゃないですよ。
投資信託なら、いいものをみんなが買えます。
よい債券だって、そこまでレアじゃないでしょう。
でも不動産はすべて1点もので、しかも儲かるものは市場にでにくい。
知っている人の間で取り引きされる。
みんながアクセスできる物件は、それなりのものばかりです。
いい物件、儲かる物件を手に入れたい。
とは思いますが、入手が難しいですよね。
REITとか不動産クラウドファンディングとか、そういうものならわかりますけど。
それだと株式投資と変わらないしなあ。
というわけで、不動産の世界に人を引き寄せることがねらいなのかな。
そういう風に感じた本でした。
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