1 本書の概要
有名な投資本です。
これ和訳出版されたのが2000年なんですね。
時の流れの速さに驚きです。
本書が出版された頃、株式投資が話題になってたころで多数の投資本が出されていました。
当時、いくつかを読んだのですが、本書は類書と違っていておもしかったです。
かといって、ベストセラーを読んだだけで投資をするつもりはなかったと思います。
20数年後、改めて読んでみて、ひどく感心したところがありました。
再読の感想を述べていきます。
2 負債を買うな、資産を買え!
本書で最も強烈な主張はこれです。
負債を買うな!
ここでの負債というものは、自分からお金を奪っていくものです。
というと強烈ですが、要するに維持費等がかかるもののことです。
例えば住宅、例えばマイカーそういうものです。
もう極論ですね。
これ言い始めたら、家族も負債かまで行き着きそうですけど。
著者がいいたいのは、資産というか財産と思って負債を買うなということだと思います。
例えば、立派な家を買っても、維持費や固定資産税が掛かれば、いや掛かりすぎれば負担になるということです。
実際、私も固定資産税を払っているんですけど、まあ負担ですね。
しかし、2000年ごろにはこういう考えは一般的ではなかっと思います。
まだ高級住宅、高級車に憧れがあった時代です。
そこに、キヨサキさんのこの指摘は強烈でした。
投資なんて金持ちになるために行うもの。
つまりは、高級住宅や高級車を手に入れるために行うもの。
そんな時代だったのですから。
そして、2020年代の現在。
これは常識になりつつありますね。
3 どうやったら買えるか考えろ!
買いたいものがあった時、お金がなかったとします。
買うのを諦めるか、高利で借金をするのが一般人でしょう。
私なら、買わない一択です。
しかしですね、金持ち父さんは違います。
どうやったら買えるか考えろといいます。
ロバートさんの経験によると、銀行から借りなくても買うことができた物件があったとのこと。
いやあ、すごい手腕ですね。
とはいえ、どうやって買えるかを考えるからこそ、お金が儲かるとのこと。
それは、そうでしょう。
考え方は分かりますが、万人が実施できる方法ではないと思います。
4 総評
おそらくはですが、こういった主張も世間の耳目を集めるためもあったと思います。
センセーショナルでなければ、本が売れない。
そういう判断があったものと思います。
キヨサキさんもお金がゴールではないといってますけど、負債を買わずに資産だけ買う生活は、幸せがどこにあるか分からなくなりそうです。
まあ、お金儲けが自己目的化している人、つまりそれが趣味の人はいいでしょうけど。
しかし、センセーショナルなこれらの主張が20年後の日本では、常識になりつつあるというのが恐ろしい。
当時出版されていた投資本も似たような主張はあったんですよ。
とにかく資産家になれ、株を買え、不動産を買え!
そういう本はありました。
というか、王道の主張なんです。
だけれども、家を負債とまで言い切ったのはロバートさんぐらいでした。
だからこそ本書は、生き残って現代でも出版され続けているのでしょう。
後、ロバートさんは不動産で財産を築いたことを書いていることから、本書はなんか不動産屋に薦められる本になっているそうです。
これ、たまたまですからね。
ロバートさんもしかすると株がいい時期だったら株に投資してたかもしれません。
不動産ありきの本ではないように思います。
余談ですが、プラザ合意以前の日本では、土地は必ず値が上がるものでした。
だから、銀行の担保も土地だし、金ができたら一軒家だったんです。
土地本位制なんて、自嘲してたくらいです。
土地が下がるのはバブル以降。
土地が下がるなんて。
ハンマーでぶちのめされるようなショックでした。
本書が出版された2000年代は、土地に投資するのは頭おかしいくらいの時代でした。
そこでの主張だったから、当時はまあお話として読んでいた人が多かったと思います。
逆に今は、本書と同じようにすれば金持ちになれると誘いかける業者いるとも聞きました。
本書は、あくまでお金に対する考え方の本です。
それをわきまえることが、大切です。