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【書評】瀧島一統「初めての不動産投資必勝ルール」

1 本作の概要

不動産系ユーチューバーとして人気を集めている不動産Gメンこと瀧島一統さんの本です。

滝島さんは東京初台で営業している不動産屋さんです。

賃貸仲介を中心にお仕事をしているようですが、当然売買も行っています。

動画の方は、不動産屋でなければ分からない細かなチェックポイントを説明するなど、実用的な内容で人気を博しています。

まあ、瀧島さんの迫力あるサムネが視聴者を惹きつけているというのもあるでしょうけれど。

本書は、不動産投資、つまり利殖として行う不動産取引について説明しています。

不動産は投資の王様、と誰が言い始めたか分からない言葉もあるように、投資領域といして魅力ある不動産。

しかし、失敗すれば一生ものの負債を負うこともあります。

その辺りの注意喚起を、瀧島流に見事に述べています。

2 ワンルーム投資はするな!

ワンルーム投資というものをご存じでしょうか?

マンションの1室を買い取り、それを貸し出すという事業です。

今、事業と書きましたが、まあこれは実態としては投資ではありません。

いわばアパート経営をするということです。

このワンルーム投資、サラリーマンを中心にずいぶん勧誘されているようです。

瀧島さんはこれに反対しています。

絶対にしてはいけない!

そこまで言い切っています。

なぜか。

負債になるからです。

ところでこの投資、マンションをローンで買います。

そのローンの支払いが家賃よりも安い場合儲かるというのが、この投資も基本形です。

表面利回りで4%ぐらいが示されるとか。

しかし、瀧島さんがいうには、表面じゃなくて実質利回りで見なければいけないとのこと。

固定資産税や修繕積立金など、様々な固定費がかかります。

これを考えると赤字になると。

そして、家賃というものは下がるものです。

下がれば赤字は拡大します。

こういうものに投資してはいけないといいます。

そしてワンルームを買ってしまった人には、1秒でも早く売れ!

こういうアドバイスをしています。

明快ですね。

3 都内、一棟、RC、中古

では、どういうものを購入すべきなのか?

瀧島さんに言わせれば、この1択です。

都内、一棟、RC、中古です。

都内というは、23区ではないそうです。

不動産業界でいう都内とは18区だそうです。

足立区、板橋区、北区、江戸川区葛飾区は除くそうです。

まあ、暮らすにはいいと瀧島さんがおっしゃってますが、資産としては評価できないとのこと。

数値は厳しいなあという感じです。

中古の方が価格の下落が小さいし、RC(鉄骨)の方が減価償却の期間が長い。

修繕するなら自分ですべて決められる一棟ものがいい。

とのことです。

一つ一つの根拠は明確です。

ただですね。

こういう物件は少ないし、価格も高いですね。

最初に買った物件がいいとその後の不動産投資もよくなる。

瀧島さんはこういいます。

う~ん。

まずは種銭づくりが大事ですね。

銀行も資産のない人には貸さないでしょうし。

庶民の投資先じゃないんだなあ、不動産は。

というのがお薦め不動産を読んだ感想でした。

4 総論

不動産に詳しくないので断言は難しいのですが、おそらく瀧島さんは本当のことをいっていると思います。

ワンルーム投資については肯定している人もいますが、大多数は否定的です。

肯定している人も、儲かる案件もあるというくらいですしね。

次のお薦め投資先も納得できるものです。

ただそういう物件があるかどうかは難しい。

なので、不動産投資に夢はもたないというのが読後感です。

まあ、お金のある方々の悩みなんでしょうけど。

わたしなんぞはせいぜいREITを買うくらいですね。

いや、株や債券で運用する方を買う方が現実的かなあ。