1 はじめに
最近,固有名詞を思い出せないことが増えました。
思い出そうとするものがなんであるかは分かるんです。
その名前だけが思い出せない。
そんな状態です。
それで記憶について,いろいろ考えて見ました。
2 エピソード記憶
記憶の種類は,研究者によって様々分類されています。
記憶する時間による短期記憶と長期記憶の分類が多く使われています。
そういった分類の一種にエピソード記憶と意味記憶があります。
これは,記憶の内容による分類です。
エピソード記憶は,エピソードを覚えているという記憶です。
つまり,時期が特定でき,時間の系列があります。
当然,場所や登場人物もいます。
その時の感情が記憶されていることもあります。
一般的な言葉でいえば,思い出です。
そういう記憶です。
この種の記憶が思い出せないということはあまりありません。
まあ,まるごと忘れている場合もあると思いますが,最近よくある名前が出てこないとかいうのとは違います。
まるごとの場合は部分も思い出せないので,覚えていないことも分からないと思います。
年を取ってもエピソード記憶はなくならないんですね。
かえって,小さい頃や若い頃のことを鮮明に思い出せるような気がします。
何度も思い出しているから忘れないんでしょうか。
そればかりでもないような気がします。
3 意味記憶
そして,エピソード記憶と対になっているのが意味記憶です。
これは,時間や場所にしばられない記憶です。
あるものの名前やあることの意味なでの記憶です。
例えば,アメリカ合衆国とか坂本龍馬とかそういう記憶です。
こっちが思い出せないんですね。
テレビを見ていて芸能人の名前や曲の名前が出てこないなんてことがよくあります。
これどうして何でしょうね。
客観的には分からないですけど,どうも記憶の経路が途切れているような気がします。
なので,別ルートでたどると思い出せることがあるんです。
記憶って,イメージなんですが,網状の経路で相互につながっているような気がします。
で,その経路の一つが途切れていると。
なので,別の経路をたどると行き着くことができると。
そして,思い出すと,途切れた経路もまたつながると。
こんなイメージです。
意味記憶といっても,辞書的に並んでいるんじゃなくて,エピソード記憶の部分がいろんな結合をした記憶の部分が独立性をもったみたいな感じです。
記憶術で,図や場所,語呂合わせを使うのも,思い出す経路を増やしているような気がします。
で,単独とか経路の少ない記憶が思い出せなくなりやすいんじゃないかと思います。
まあ,一番は加齢のせいでしょうけど。
4 最後に
結局,何度も思い出すことが記憶を強化しているように思います。
でも,忘れるこもも生活する上では大事ですけれどね。
まあ,固有名詞を思い出せないことで,会話のテンポが悪くなることはありがちです。
それはそれで仕方ないですけど。
忘れやすくなったという自覚をもっていれば大丈夫。
そんなことを思っているから,思い出せなくなっているのかなあ。