メンタルヘルスとか、病気休暇とか、はたまた休職とか、耳にはしますが具体は分からないものです。
精神を病んでいるというのはさすがに分かるのですが。
メンヘラとかと約されると、ストーカーをしがちな人とかそんな印象もあります。
しかし、仕事をしていると、ああ、ちょっと心が病んでるかな、と思う場面はあります。
少なくとも私はそういうことがあります。
今回は、精神科医が書いた精神を病んだ方が復帰するための指南書です。
とても実用的な本で、メンタルヘルスの実際がよく分かりました。
メンタルヘルス関係にはよくない噂や「定説」がたくさんあります。
一度薬を服用したらずっと飲み続けなければならないとか、薬のせいで廃人のようになってしまったとかです。
よく知らなければ信じてしまいそうですが、一部の事実を拡大解釈して広まったようです。
そういうことの正しい理解も、この本を読んで分かりました。
さて、メンタル不調、多くは抑うつ状態、を治すには段階があるとのことでした。
まずは、だらだらと休むことだそうです。
メンタル不調になる人はがんばりすぎる人が多いので、どうしてもだらだらが受け入れられないそうです。
が、食べたくなったら食べる、寝たくなったら寝るという生活がいいとのことです。
家族、特に結婚している人はパートナーから非難されがちなので、一時的に別居するとよいとか。
それから、会社や友達との連絡は厳禁だそうです。
まあ、相手からしたら自分だけがんばっているという不公平感はどうしてもつkまとうでしょうし、仕方ないですね。
このままずっと休むかと思いきや人間という者は不思議なもので、休んでいると何かしたくなってくるそうです。
これが第二段階です。
でも、一気に元の仕事量に戻してはいけません。
まずは仕事ではなく、自分が興味を持ったことを何か始めるとのこと。
先の段階はそれすらできなかったのですね。
それができるようになってからが第三段階です。
ここでは、日常生活に戻していくのだそうです。
きちんとした時間に起きるなどの規則正しい生活です。
人によってはこれに適した施設を利用することもあるそうです。
そして第四段階が復職です。
とはいってもいきなりフル勤務ではないそうです。
職場によっては、復帰プランを作ると思います。
短時間就労ですね。
また、通勤だけから始めるプランもあるとのことで、あせらないでできることからするのがよいそうです。
心の調子を見ながら少しずつ働いていくのがいいそうです。
人によっても違うし心の状態によっても違うとのことなので、主治医とよく相談することが大切だそうです。
この本にはお医者さんのことも正直に書いていて、診療報酬確保のため短時間の診療で大人数をこなす方もいるとのことです。
信頼できるお医者さんを探すことが大切だとのことです。
さて、薬のことですが、メンタル不調の方はとかく薬に対して神経質になりがちです。
増やすと悪くなったのではないか、いつまで飲み続ければよいのかなど。
まず知っておいてほしいのは、薬には最大用量があり、それに対してでのくらいのを服用しているのかを知ることだそうです。
その範囲内で増やしているのであれば問題はないそうです。
それから、ずっと飲み続ける薬もあるのですが、高血圧や糖尿病の薬を考えれば、異常ではないとのことです。
薬の力で健康を維持していると考えればよいとのことでした。
この本、ほんとによい本で、メンタル不調になった人なりそうな人にぜひ読んでほしいと思います。
すごく安心できますよ。