ギスカブログ

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【書評】不遇夫「人生が逆転する不動産投資入門」

1 本書の概要

不動産投資の入門書です。

著者はユーチューバー。

帽子、サングラス、大きいマスク装着。

怪しさ満載です。

実業家のユーチューバーで顔出し不可はさすがにあやしい。

スネに傷持ち?

まあそれが普通感覚でしょう。

ですが、内容は誠実そのもの。

このギャップがおもしろいところです。

不動産なんて百鬼夜行の世界。

いかつい御仁がうようよ。

まあ賃貸を利用した経験持ちだらけの現代でも、この感じは払拭できません。

不動産投資は、株に比べたら何段も敷居が高いです。

それを勧める匿名ユーチューバー。

しかし、内容は不動産投資に興味ない私にも興味深いものでした。

2 一般論はいらない

本書の一大特徴は、実践知ということです。

本で知った知識ではなく、体験から得た知識。

それが本書の魅力です。

物件は雨の日に見に行く。

こんなことは、雨漏り中古をつかまされた人でなければいえません。

区分ではなく一棟ものを買う。

駅に近ければいいというものではない。

ワンルームマンションを避難する不動産系ユーチューバーは多くいます。

しかし、なぜダメなのかを体験を基に話してくれる人は少ない。

筆者はその一人です。

ちなみに新築ワンルームがダメな理由は簡単で、高値づかみをしているからとのこと。

そもそも適正価格で売られていないのだそうです。

3 不動産は投資ではなく事業

不遇夫さんはことあるごとにこのことを強調しています。

不動産は事業である。

不動産は買ってほおっておくタイプの投資ではない。

株や債券とは違う。

こう話します。

実際に見に行って、メンテナンスもして、空室が出れば修繕や入居募集もして。

こういうことを大家がやる。

それが大事だといいます。

仲介業者に任せて、交渉もしない。

あげくに自分の物件も見に行かない。

そんなことで、お金が稼げるはずもない。

そういいます。

ダマされたいならそうしてもいい。

そんな調子で話します。

しかし、初期に手をかければ、後はお金を稼いでくれるもう一人の自分になる。

それが不動産投資だといいます。

この辺り記述に、苦労してきたんだろうなあと感じました。

4 総評

★★★★★

5つですね。

文句なしのお薦めです。

わたしは年齢的に不動産投資を始めませんが、一芸を極めた人の話って読むに値します。

なるほどと思うのです。

人生の真理の一端も感じます。

それに、おもしろいんですよ、読んでいて。

ユーチューバーの本って、多くはつまらないんです。

なぜか。

動画と同じ内容を書いているからです。

そして、動画では説得力がありそうなことでも、文字で読むと薄っぺらく感じる。

そんなこともあります。

でも、本書は動画見ている人も、見ていない人も読んでほしい。

絶対、楽しめます。

不遇夫さんって人がおもしろいんですよね。

もちろん、不動産売買や賃貸経営のノウハウも得られますし。

お値段以上でございました。