1 本書の概要
高齢者向けの投資本です
新NISAを活用しよう。
そういう投資本の1冊なんですが、他書とは対象が違います。
高齢者をターゲットにしている。
これです。
新NISAを使った積立投資は、時間を味方にする投資。
少額を長期間投資して資産を築く。
こういう手法です。
ですから対象は、20代30代。
よくて40代です。
高齢者は、預金でもって年金で暮らす。
退職金の一括投資などはカモネギになるだけ。
そういう主張が一般的でした。
しかし、本書は高齢者に投資を勧めている。
そこが本書の特徴です。
2 長寿化
キー・ワードは、長寿化です。
日本は世界有数の長寿国。
平均80代まで生きます。
だから50代で始めても、後20年ある。
これが本書の要点で。
まあ、ようするに時間を味方にできる年齢が上がった。
こういう主張です。
う~ん、どうでしょう。
そういう意味の年齢じゃないと思うのですが。
収入が続く年齢が何歳までか。
こっちが投資には大切だと思うのです。
つまり、投資に回す余裕資金が何歳まで続くのか。
投資の現実にはこっちが大事でしょう。
定年が伸びても、年収は下がります。
そこがね。
まあ個人によって異なってきますけどね。
70対5対25。
消費・浪費・投資について、収入をこの比で分けるのが大切だと筆者はいいます。
常識的な比率です。
しかし、これで分かりますが、収入のある人を想定してますね。
余生を生きる人は対象にしていない。
リタイアした人は対象じゃないんですね。
つまりは、70代まで働くことを想定しています。
この想定がどうなのかなあ。
みんな働きたいのかなあ。
働いたとして、それは消費つまり生きるために使う金のためなんじゃないでしょうか。
100%ね。
なんか、高齢者が金持ってるから、投資市場の巻き込んでいこう。
こういう意図が透けて見えるのですが。
まあ、高齢者でも投資したい人はどうぞしたらいいと思います。
人生は自由ですから。
3 インデックス投資
投資の手法としては、ネット証券を使ったインデックス投資です。
インデックスの種類を細かく説明しています。
全米、全世界、先進国等々。
これあんまり議論してもね。
あんまり変わらないのですよ。
手数料が低いところを買えばいい。
これが結論です。
どうせ過半が全米株になりますからね。
それにどれかで積立を始めたとしても、途中で入れ替えればいいので。
そんなに考えてもね。
そんな感じです。
これは若者だろうが高齢者だろうが変わりなしです。
4 総評
★★★☆☆
3つですね。
投資本として普通です。
高齢者向けというより、余裕資金のある高齢者向けという本です。
まあ一つよかったのは、取り崩し方を丁寧に説明しているところです。
定額がいいのか定率がいいのか。
筆者は定率を勧めています。
まあ、これも状況によるんですけど、財産を長持ちさせるには定率でしょう。
こういうところを詳しく説明しているのはよかったです。
しかし、50代の投資を始めたい人にはいい本ですが、50代の将来不安な人にはあんまり効かない本ではあります。
読者を選ぶ本。
という印象が残りました。
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