ギスカブログ

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【書評】上岡正明「株メンタル」

1 本書の概要

投資の心構えを説いた本です。

 

 

投資は理性的であるべき。

まあ、投資に限らず勝負事は全てそうだと思います。

しかしながら、投資にはお金がからみます。

そうすると、冷静でいられないのが人間です。

どうしたら、冷静に行動できるようになるのか?

筆者は、それには「株メンタル」を持つことだと述べているわけです。

株メンタルとは、どんな心理状態なのでしょうか。

2 欲望と感情にかつ

端的にいうとこういうことです。

欲望と感情にかつ。

パニックにならない。

まずは欲望対策です。

そもそも投資は儲けるためにするのですが、2倍3倍にしようと思って始める人は少ないはずです。

今の日本の状況、貯金預金が意味をなさない中で、老後資金を何とかしよう。

5%でも増えたらいいな。

そんな気持ちでしょう。

だから増やす方向の誘惑に引っかかるのは、ごく少数だと思います。

まあ、いるはいるのでしょうけど。

問題は減った時です。

人間って損したくないんですよね。

私は体験としてよく分かります。

私がイデコを始めた時は、定期預金だったんです。

イデコは減税効果があると説明を受けて始めたんですけど、利子よりも多く手数料が取られまして、預けた(と思ってたんです。まちがい。投資したです)金額よりも減っていることに耐えられなくなりました。

で、イデコの預け先を樂天証券に変え、投資信託を始めたと。

こういう経験があります。

だから分かるんですね。

人間儲からないは耐えるけど、損するは耐えられないんですよ。

上岡さんも述べてますが、損したときに取り返そうとして、あり得ないチャンスにかけるんです。

冷静じゃないんですね。

そして、損失拡大。

投資市場から退場。

まあ、あるあるです。

ここで、冷静な判断をする気持ち「株メンタル」が必要となるのでしょう。

感情はサバンナ生き残るには有効でしたが、現代社会で生き残るにはマイナスに作用することが多いです。

感情的なほど生き残れない。

そんな気がします。

3 ルーティーンの確立

上岡さんがルーティーンという言葉を使っているのではありませんが、私なりにまとめるとこういう言葉になります。

上岡さんは、自分の投資スタイル、投資基準を持つことの大切さを述べています。

市場のすべてを知ることはできないし、知る必要もない。

自分が知りたい情報にきちんとアクセスでき、それを自分の基準で判断し、投資行動に移していく。

こういうことが大切だと述べています。

売る基準、買う基準。

それぞれをしっかりと持つということですね。

そして、市場のどうこうに踊らされない。

特に下落相場の時に。

こういうことだと思います。

ある程度、会社の情報を自分で読み取る力を付ける必要がありますね。

4 総評

本書、投資本なんですが、私には向かない内容でした。

というのも、これは個別株投資の本です。

どういう会社の株を買って、どういう状態なら売って、とそういう本なんですね。

そして、その際に、冷静に判断できるマインドを持ちましょう。

それが株メンタルです。

というお話です。

で、私はインデックスファンドをこつこつ買い増すスタイルなので、個別株を評価することはないんですね。

おそらく、今後個別株を買うこともないでしょう。

個別に買うとすれば、社債はあるかもしれません。

社債は、格付け会社が評価してくれています。

AAとかそういうのです。

なので、改めて個別に考えることもないと思います。

まあ、怠惰ですけど。

というわけで、個人でアクティブに買う。

高配当株を買い集める。

こういう人に向いた本だと思いました。

読みやすいし、具体的だし、とてもいい本なので、そういう投資をしている人は読んでみるといいと思います。