1 本書の概要
投資の指南本です。
タイトルからも分かるように,資産のないところから始めて資産を築くというお話です。
なかなか魅力的なタイトルです。
どういう投資をすれば,資産が築けるのか。
誰でも興味を持つ内容です。
2 3000万円まで
本書で勧める投資は,大きく2つの段階に分かれます。
その分岐点は,資産3000万円。
これより前とこれより後で投資スタイルを変えます。
まずは,3000万円まで。
ここまでは何をするのか。
簡単にいえば、タネ銭づくりです。
投資の元手をつくる。
そういう活動です。
ここに投資の本質が表れています。
つまり、ある程度の額がなければ投資は成立しない。
こういう現実です。
投資は、2倍・3倍に増やすというものではありません。
数パーセントずつ増やす。
そういうものです。
ですから、100万円程度ではうま味がないのです。
普通は働いてタネ銭をつくるという話になるのですが、これは投資本。
それも投資で増やすという話になります。
では、どのように投資をするのか。
一言でいえば,米国個別株投資です。
優良で成長しそうな米国企業を見つけて,株を買う。
こうすれば儲かる。
とまあ,こういう作戦です。
分かりやすいですね。
しかし,成長する会社をどうやって見つけるのか。
筆者は,ジャンルに注目をします。
伸びているジャンル、すなわち業界を探す。
筆者が投資をした時期は,ITでした。
マイクロソフト,アップル,アルファベット(グーグル),アマゾン…。
こういったところに投資をしていったのだそうです。
個別株ですから,ずっと持っているわけはなく売ります。
売り時は,予め下落幅を決めておいて売る。
こういうことをしていったそうです。
なるほど,とは思うのですが,これは「アクティブ投資」ですね。
株価上昇局面というか好景気の時期なら,多くの人が成功すると思いますが,いつでも誰でもじゃありません。
それに、筆者はルールを決めてそれに従うから、そんなに時間はとられない。
とはいいますが、けっこう経済情報に敏感じゃないとと思います。
ずっと張り付いているトレーダーほどじゃありませんよ。
このくらいの意味でしょう。
それに運も関係しているように思いました。
ITバブルにうまく乗ったりすればいいと思いますけど、本当の不況局面だったらどうなんでしょう。
副業的に取り組むにはハードルがあり過ぎるような気がします。
カミナリが光る瞬間に市場にいた人の話。
そういう風に感じました。
つまりですね。
働いてタネ銭つくった方が確実な気がします。
3 3000万円から
ここからは王道な投資です。
数パーセントのリターンが見込めるファンドや債券を購入していく。
そういう手法です。
こちらは本当に「ほったらかし」でも大丈夫でしょう。
下がる局面はありますが、それはどの株も下がっているでしょうから、まあ対策も薄いでしょうし。
ここからは説明は省きます。
インデックス投資でいいってことです。
自然と複利で増えていきます。
3 総評
★★☆☆☆
星2つかな。
結局、上がる個別株は業績をみて、指標をみてっていう王道しかないし。
それに、それにしたって伸びてる業界を探すっていうのがベースですし。
まあ、「ゆっくり金持ちになりたい人なんていない」というバフェットの言葉どおり、速く金持ちになりたい人向けの本なのでしょうが、成功者の体験談を超えてないっていうか。
でも著者、ライブドアブログの金融ジャンルで1位人気なんだそうでして。
わたしも「たぱぞう」さんのはてなブログの読者ですから、人のことはいえませんが、マネしようと思って読んでる人だけじゃないと思います。
でも、ブログ出身者らしく読みやすかったし、要点も押さえられているし、参考書としてはいいと思います。
まあ、タネ銭は確実につくる方がいいとは思います。
挑戦者がいなくなることはないでしょうけど。