1 挫折
人生には挫折や失敗がつきものです。
本日も一つ挫折を経験しました。
物語ならそこで終了ですが、挫折や失敗で人生は終わりません。
日常は続いていきます。
というわけで、それに関係する本を読んで元気をだそうと思いました。
印象に残った話を紹介します。
2 ねたみ
他人が自分よりもいい待遇を得ていると、ねたみが生まれます。
かく言う私も、出世とかそういうのでは負け組ですので、ねたみを持ったことはあります。
本書の冒頭で取り上げられている偉人は立川談志です。
立川談志に挫折があったとは考えにくいのですが、真打ち昇進が人より遅かったのだそうです。
そこで、人をねたんで誰かに共感されても現実は変わらないと談志はいいます。
自分が成長するわけではないと。
確かにそうなんですね。
一時の鬱憤晴らしにはなるんですが、それだけです。
明日もうだつの上がらない日常がやってくるだけ。
現実を変える努力をしなければならないのです。
ほんとそうですね。
本書に取り上げられている例ではないのですが、池上彰さんはNHKの解説委員になりたかったそうです。
しかし、ある日解説委員長にこう告げられます。
池上は解説委員にはなれない。
このことから、別の道を模索しNHKを退社する決意をしたそうです。
(「さん」ですが、存命の方にはつけないと落ち着かないのでつけさせてください。)
そして、わかりやすい解説をするという道を歩み始めたのだとか。
解説委員になった方をうらやんでも仕方がないということでしょう。
ねたみという感情が起きるのは仕方がないと思いますが、それで生き方をまちがえてはいけないということなのです。
3 塞翁が馬
池田勇人の例も興味深かったです。
池田は難病にかかり、官僚として出世コースから外れてしまったのです。
そして、病気の看病を続けた妻も失ってしまいました。
本省に復職しても、重要な場面では相手にされなかったとか。
ここでくさってしまったら、後年の大政治家にはなれなかったと思います。
実は大きな転機が待っていました。
GHQの公職追放によって、先輩や上司がごそっといなくなってしまったのです。
そこから彼の栄光が始まったのでした。
健康だったら彼も追放されていたのです。
何が幸運に変わるかは誰にもわかりません。
結局、現状にくさることなくすべきことを淡々と行っていく。
このことが大切であるのでしょう。
4 総評
本書は、すごく読みやすくてさくさく進められます。
PHPから出版されているのですが、中高生向けの進路を考える参考書かと思いました。
が、どうやら一般書のようでした。
教訓を得るために単純化しているところはあるでしょう。
なので、人物を知るためにはもっと詳しい本を読むべきだと思いますが、実例とともに人生の教訓を考えるにはいい本だと思いました。
実際、挫折で落ち込んでいたわたしも元気がでましたし。
失敗で心が疲れてしまっている人は、一休みも兼ねて読んでみてはどうでしょう。
明日につながるかもしれませんよ。