話すことのハウツー本はたくさんありますが、これは聞くことのハウツー本です。
聞くことは誰でもできる。
そう思いがちですが、これは大変なまちがい!
本書には、聞くことの大事さが、これでもかというくらい載っています。
そして、そのどれもが納得度が高いのです。
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1 聞き上手のメリット
まずは聞き上手のメリットです。
人は基本的に話したい生き物と筆者はいいます。
自分を伝えたい、自分をわかってほしい。
そういう願いが根本にあるといいます。
そして、わかってもらうことで安心感を得る。
こういう心理が働いているのです。
聞くことで、相手を不快にさせるリスクが減り、インプットも増える。
そして、人の評価も上がるといいます。
一生懸命に話す人よりも、落ち着いてゆっくりと聞く人に器の大きさを感じるのだとか。
こうしてみると、相手に安心感を与えながら聞くということには、大きなメリットがあることがわかります。
2 聞くためのテクニック
好かれる前に嫌われないことが大事であると筆者はいいます。
なるほど、嫌いな人に話しかける人はいません。
まずは、話しかけられる人になることが大切です。
そのために筆者は、具体的なテクニックを9つ挙げています。
ここでは、それを傾向ごとにまとめて紹介します。
1 自分を押し出さない
まずは相手を否定しない。
話をさえぎったり、話題を変えたりしない。
相手と競ってマウンティングをしない。
あくまで話し手である相手を尊重するのです。
相手が話したいのに、自分が話してしまっては不満ばかりが残ります。
主役は相手!
そこを忘れてはいけません。
2 結論を求めない
結論をせかさない。
答えをいわない。
ツッコまない。
相手はあくまで話をしたいのであって、解決を求めているのではありません。
相手のペースで話をさせるのが大切です。
そして、否定語つまりネガティブな言葉を使わないようにします。
相手の話の価値を感じていないようなことを言ってしまったら、もう相手は話しません。
相手に気持ちよく話させることが聞き手のすべきことなのです。
3 よい人間関係づくり
結局、よい聞き手はよい人間関係をつくります。
内容よりも感情を聞くようにする。
目上の人、年上の人は孤独になりがちです。
だからこそ聞き手が必要なのです。
最近はオンラインでの対話や会議が増えています。
オンラインでこそ、聞き手の力が必要であると筆者はいいます。
その際に気を付けることはこの3つです。
1つめは、否定語を使わない。
2つめは、表情豊かに、うなずき、姿勢を向けて、時に笑い、感心したり称賛したりしながら聞く。
3つめは、リアクションを3倍ぐらいにする。
つまり、相手の話に興味を持っていることを姿勢や態度で示すということです。
オンラインでも話しやすい雰囲気を作れるようになれば、対面でも作れるようになるはずです。
4 総評
読みやすく、具体的で、明日からやってみようという気にさせる本です。
話す力も大事ですが、聞く力を鍛える方が自分に返ってくるリターンが大きいと感じました。
特に人間関係で悩んでいる方は、この中の1つか2つを実践するだけで、相手の態度が変わってくるように思います。
あっという間に読めますし、忙しい人向きの本だと思いました。