1 はじめに
年始めということもあり,今年の展望などがニュースになっています。
環境関係でいうと,自動車の電動化が大きな話題です。
排ガス規制,温室効果ガス規制のためだとか。
クルマに乗って数十年,今回はこのことで思うところを話します。
最初に話しますけど,悲観的です。
2 燃料電池車の実用化から思ったこと
燃料電池車という構想は,80年代末90年代初頭にはありました。
「間違いだらけのクルマ選び」に載っていたと思います。
これ当時のベスト・セラーですから。
しかし実現にはトヨタのミライなどを待たなければなりませんでした。
商業ベースでないものは,それ以前にもありましたけど。
しかしミライも普及していません。
このままでは,燃料電池車は消えていった企画となりそうです。
水素の保管等の技術的問題を解決するのに時間がかかったのでしょうか。
最大の問題は水素ステーションが普及してないことですね。
ガソリンスタンドでさえ廃業が増えているのに,水素ステーションが増えるのかなあ。
とまあこういう具合で普及しないから車体の値段も下がらない。
ほんと難しいですね。
電気自動車は,走ることや経済性から考えればガソリン車を超える点はありません。
ということは「いらないや」となりやすいんだと思います。
必要とされないものは普及しない。
そういう厳しい事実が浮かび上がります。
3 電気自動車について思うこと
電気自動車の問題はバッテリーです。
これは昔からそうです。
充電に時間がかかる。
バッテリーの寿命が短い。
あと値段が高い。
まあこういうことです。
携帯電話とかノートパソコンとかが普及したことで,バッテリーの問題はみんな実感していると思います。
リチウム電池になっても劇的に改善するわけではありません。
全個体電池はどうなんでしょうか。
たぶん少しよくなるだけだと思います。
ブレーク・スルーな発明があれば,とはずっといわれています。
ないんですよ。
たぶんこの先も期待できないと思います。
これの解決策の一つが水素利用だったんですけど,普及してませんからね。
日産リーフの中古車が出回らないのは,元々台数が少ない以外にも理由がありそうです。
4 最後に
ガソリンスタンドというインフラを利用することを考えれば,やっぱりハイブリッド車なのかなあと思います。
発電しながら電気を使う。
これが電気の特性に合っているわけです。
電気は貯められない。
これは発電所のレベルでもそうなんですから,自動車のレベルだってそうでしょう。
結局,トヨタが最近取り組んでいる水素燃料の方が現実的なのかなあとは思います。
電気自動車は,不便を承知で利用するもの。
それが今の段階です。
なおかつ社会全体の発電状況を考慮するとそれほどエコでもないとのこと。
否定的なことばかり書きました。
私も明るい未来は信じたいのです。
でも,私がクルマに興味をもった数十年前からいわれていて,実際研究もなされていて,今も実現できていない。
こういう技術って他にもありますよね。
例えば,ちょっとジャンルちがうかなとは思うのですが,核融合発電なんかそうかなあと思います。
こういうのって結局できないんじゃないのって思うのです。
みんな無理を分かっていてそれでも言ってるんじゃないか,と。
夢なんですかね,いい意味でもそうでない意味でも。
繰り返しますが,明るい未来は信じたいんです。
ほんとにね。