ギスカブログ

 読書しながらスモールライフ「ギスカジカ」のブログ

靴を直す

ナイキのタカオという靴がありました。

トレッキング・シューズです。

これは、東京の高尾山を登るための靴として開発されたそうです。

開発者が高尾山登山に出かけたところ、本格的シューズかジョギング・シューズのどちらかを履いている人がほとんどだったとか。

このくらいの山に気軽に登れる靴がほしい。

そう考えて開発したのだそうです。

私も一足手に入れました。

10年くらい前になるでしょうか。

主に釣り中心に使う気軽なシューズがほしかったのです。

この靴を買う前は、長靴を愛用していました。

クルマに長靴をいつも積んでいて、釣りの時に履き替えていたのです。

当時は、メバル時々パンコイみたいな釣りをしていたので、滑り防止に加えて藪漕ぎが必要でした。

なので長靴がとても便利だったのです。

しかし、不便なこともありました。

クルマじゃなくてカブで釣りに行くと、行き帰り長靴のままなんですね。

それで、買い物がしづらいと、こういうわけです。

釣り具店なら問題ないのですけど、コンビニとか入りにくいのです。

それでアウトドアなスニーカーが必要になりました。

ならばハイカットでゴアテックスなタカオがベストだと。

こういう判断になったのです。

この靴、よかったです。

まず足はぬれないし、ほぼすべらないし、冬あったかいし。

もう釣り靴として申し分ない。

急斜面を登ったり降りたりも大丈夫。

もちろん買い物というか、たいていのショップに入っても恥ずかしくない。

最高の靴でした。

でも、寿命がきてしまいました。

先日、急斜面を登ったのです。

その時は、すぐにクルマを運転したので気がつかなかったのですが。

その後、買い物にいったら妻から指摘。

靴の底、剥がれているよ。

なんと!

つま先から5cmほど剥がれているではありませんか。

気がつかない自分にもがっかりです。

その時は、仕方ないのですり足歩行でごまかしました。

帰宅して、どうするか考えました。

まずは、買い換えを検討です。

ネット検索で衝撃が!

タカオはもう作っていませんでした。

新品では入手不可決定。

どーんっと落ち込みます。

トレッキング・シューズはもちろん各種あるんですが、私はタカオが好きなんです。

中古はサイズが合うのがありません。

違う型を探そうかと思った時に、ひらめきました。

ソールが剥がれただけなのだから、貼ればいいじゃない。

元々貼っていたんだし。

何とかの考え休むに似たりということわざが思い浮かんではいたのですが、タカオ再生という魅力には勝てません。

すぐに接着剤を検索です。

ありました。

シューグー・アロンアルフア

ゼリー状で流れないとあるのでこれが塗りやすそうです。

何より瞬間接着剤だからすぐに乾くし。

というわけで購入。

数日後。届きました。

さっそく、裏の説明を読んで作業開始。

まずは塗る面をきれいにします。

ほこりを落としました。

そして、慎重に接着剤をつけます。

用心のためか、若干多くつけてしまいました。

接着。

おお、瞬間にはつかなかった。

というわけで30秒くらい押していたら、ぴったりつきました。

うん、いい感じ。

靴箱で乾かしました。

ソールをさわると動かないしぴったりくっついているんですけど、なにせ靴です。

履いて体重かけてみないと、くっついたかどうかは分かりません。

というわけで、明日履いてでかけてみようかと思います。

直っているといいのだけれど。

今のところ、アロンアルフアの評価は保留です。

もし、ダメだったら。

あきらめて別の靴を買うことにします。

ナイキ、タカオ復活させないかなあ。

 

その後。

朝から履いてますが、快適、快適。

無理はできないんでしょうけど、日常使いなら問題なしでしょう。

剥がれたらまた貼ればいいし。

アロンアルファさん、ほんとありがとう。

 

ツイッターアロンアルフアさんから「いいね」をいただいたのですが、まちがい発覚。

アロンアルファではなくアロンアルフアなのでした。

「ふあ」って読んでる人いたかなあ?

 

 

読書感想「お金が増える 米国株超楽ちん投資術」

マネー本です。

FIRE界隈では有名な「たぱぞう」さんの本です。

普段、マネー本なんぞ縁がないのですが、これは無料なので読みました。

そう、ただなんです。

どうして無料で読めるのか。

私はイデコを楽天証券でやっているのですが、楽天証券に口座を持っていると会員限定でマネー本が無料で読めるのです。

とはいっても期間限定で、楽天のコボ使わないと読めないのですが。

ただなら読んでみようと、コボをダウンロードして読み始めました。

投資の難しいことは分からないのですが、「たぱぞう」さんの投資人生がおもしろくてどんどん読み進んでしまいました。

マネーの知識にはなりませんが、おもしろかった所を紹介します。

1 投資にかける人生

社会人になってから、ずっと投資に人生をかけているたぱぞうさんがおもしろい。

1点集中投資というダメな投資法から始めているところもおもしろいです。

それで、投資そのものはよく分からないのですけど、とにかく得たお金を最優先で投資にまわる生き方が潔い。

クルマは中古のボロでもかまわない。

外食はできればしない。

いやあ、突き抜けていておもしろい。

そして、結婚相手も同じような経済観念の人を選ぶと。

すごいなあ。

若いときは、なんのかんので容姿に惹かれるものだと思うのですが。

まずは、経済観念なんですね。

確かににたようなというか合わせられる人じゃないと生活成り立たないでしょう。

ここまで割り切って生活すると。

太陽光発電に投資した話もおもしろかった。

なんのかんので株は、よっぽどのクソ株じゃないと0にはならず、下がっても資産といえますが、太陽光発電なんて民主党の再生エネルギーの政策がなきゃ金にならなかったですものね。

案の定、電力会社が巻き返して買い取り価格下げられていますもの。

勝算はあったのでしょうけど、よく決断したなあ。

太陽光の施設の草刈りをする話もおもしろかったです。

決断の人って感じですね。

2 放っておく投資

たぱぞうさん自身は、いろいろな投資をしているのでしょうが、人に勧めるのは投資信託などです。

基本、買ってから放っておくような投資です。

売り買い売り買いをするような投資は勧めていません。

そりゃあそうだろうなあ、と思います。

買うときは、まあ勢いで買うのでしょうけれど、売るときっていうのは難しいと思います。

上がればもっと上がるんじゃないかと思い、下がればまた上がるんじゃないかと思う。

結局、いつまでも売れない、売らない。

こういう心情が普通だと思うのですね。

だから、買いっぱなしでいいインデックス連動の投資信託を勧める。

なるほどなあと思います。

勧めるのは米国株です。

米国が経済発展を続ける限り、損はしない。

そういう仕組みになっているのだとか。

日本と違って、米国は現在もこれからも発展する期待が高い。

こういうことだそうです。

とはいっても、インデックス連動のリターンは年4%ぐらいだとか。

ないに等しい銀行金利に比べれば相当いいですが、株でもうけたという華々しさはありません。

地味に増やす株式投資といった感じです。

たぱぞうさんの資産形成は地味とはいえないと思うのですが、自分と同じ道は勧めない。

こういうところもおもしろいです。

本人いわく、自分は何も知らずに投資してきたようなもの、なのだそうです。

正直にこういってしまうのですね。

やっぱりおもしろい人です。

楽天証券は投資マインドを高めることをねらってこの本を無料公開しているのでしょう。

ですが、読んだ私は投資マインドは上がらすに、人と違ったおもしろい人生を歩んでいる著者への興味というマインドが高まりました。

若くして成功する人って、やっぱり魅力的です。

投資を勉強したい人は、ぜひ本書を手にとってください。

具体的な事例が載っていて、とても参考になりますよ。

 

 

学習性無力感に思うこと

心理学に学習性無力感という概念・用語があります。

この用語の意味は、人生に疲れている人すべてに当てはまると思います。

どういうことでしょう。

少し説明をします。

学習性無力感は、ちょっと聞いた感じでは「勉強が分からない状態」というような意味にもとれます。

しかし、そういう意味ではありません。

これは無力感を学習した状態のことです。

元は、オペラント条件付けのような実験から生まれました。

オペラント条件付けとは、レバー押すとエサがでる仕組みを動物に与えると、レバーを押すことを学習するということです。

このように報酬などプラスの結果を与えた実験が有名ですが、電気ショックなどの罰を与える実験でも同様に学習は進みます。

ある時、セリグマンという研究者がこんな実験をしました。

何をしても罰を逃れられない状態に犬を置きます。

犬は、初めはレバーを押したりなど罰を逃れるように行動をしますが、どうやっても逃れられないと分かると、何もしなくなります。

その後、罰を逃れる仕掛けに犬を移しても、やっぱり何もしないままだったとか。

そして、犬はうつになったようにも見えたそうです。

これが学習性無力感を獲得した状態です。

何をやっても成果がでない。

何をしても徒労でしかない。

そういう環境に置かれると、人は何にも挑戦しなくなる。

そして、うつになる可能性が高まる。

こういうことです。

これって、人間社会でも本当によくあることなんではないでしょうか。

人間、人生で一度くらいはこういう状態に陥ってしまう。

そういうことって、誰にでもあると思います。

実際、私なんぞは、現在の職場環境はそんな状態です。

ただし、定年が間近に迫っていることから、脱出口が一つ開いているので、うつにはならない。

こういう状態なんです。

仮に、今の労働環境であと10年勤めろ。

そういわれたら、うつになるか仕事やめるかのどっちかだと思うのです。

セリグマンの犬は脱出をあきらめたようですが、実際の社会でこうなった時、人間ってどうするんでしょうね。

助かった人は、自ら道を切り開いたわけではないと思います。

たまたま、ある幸運で道が開けた。

そういうことが案外多いのではないでしょうか。

自己啓発本に書いてあるようなことをして自力脱出をした。

そうであればすばらしいのですが、そんな人は多くないでしょう。

セリグマンの犬のように、脱出できるようになっても何もしなかったにちがいないのです。

ただ、誰かや何かが偶然助けてくれた。

こういうことが多いと思うのです。

さて、心理学の学習理論は、あまりにも原理的すぎて現実に応用するのが難しいものばかりです。

でも、この学習性無力感だけは、実際のやるせなさをうまく説明しています。

そして、人間が前向きになるには、可能性が残されていないといけないことを教えてくれます。

逆に、誰かの人間性を奪うには、その人の可能性をすべて奪えばよいということにもなります。

そういう非人間的なことは、あってはならないと思っています。

たとえどんなブラック労働であろうとも。

 

 

弦楽五重奏アンサンブルコンサート

地域の文化ホールで、弦楽五重奏アンサンブルコンサートがありました。

さほどの興味はなかったのですが、無料チケットをいただいたので聞いてきました。

四重奏とは聞くものの五重奏とは初めてです。

ヴァイオリンが二人で五重奏なのでした。

曲目はモーツァルトアイネ・クライネ・ナハトムジークから始まりました。

クラシックにそれほど親しんでいない私のような者を相手にする演奏会として、無難な選曲と思います。

それからもモーツァルト、アンダーソンなどの親しみやすい小曲を演奏していきます。

ホールはステージを使うのではなく、ステージと客席の間にパイプ椅子で演奏場所を設置したものでしたが、よく響いて聞きやすかったです。

弦楽器って大きな音が鳴るんですね。

分離もよくチェロやコントラバスの音もよく聞こえました。

私が聞き取れるくらいですから、相当によかったのではないかと思います。

アンダーソンの「サンドペーパー・バレエ」では、アシストの方、楽団の事務方だそうですが、紙やすりをこすって音を出していました。

こういう演出はおもしろいですね。

さて後半は、クラシックではなく歌謡曲の演奏会となりました。

まずはジブリの曲を2曲。

おそらく小学生相手のコンサートも多いのでしょう、手慣れたアレンジでした。

そこからは中高年向けの歌謡曲です。

「少年時代」を演奏したのは季節に合っていましたが、できればブラタモリの曲をやってほしかったなあ。

まあ無茶な感想です。

坂本九美空ひばりの曲は、中じゃなくて高年向けですね。

会場もそのような年配の方が多数いらっしゃいました。

総じて、1時間30分足らずのコンサートでしたが、十分に楽しむことができました。

もう少しクラシックの楽曲が多くともよかったように思いましたが、観客に合わせてくれたのでしょう。

知っている曲が多いと楽しめるものです。

さて、おきまりのアンコールは「椰子の実」でした。

渋い選曲だなあ。

オリジナルは知りませんが、ウクレレの練習曲として知っています。

元のメロディを知らずに練習していました。

初聴取です。

いい曲だなあと思いました。

家に帰ってウクレレで弾いてみましたが、雲泥の差。

あういう情感たっぷりの音がいつか出せるようになるのでしょうか。

それにしてもすばらしいコンサートでした。

休みにこういう演奏を生で聴くのはいいものです。

無料チケットに感謝しました。

 

9月に夏を惜しむ

今日から9月です。

関東の学校では、今日から新学期だとか。

私の地元は1週間ぐらい前に新学期が始まります。

なので、子供の頃、マンガでそういう表現があった時に変な感じでした。

もう始まっているのに。

さて、9月という季節にみなさんはどんな印象をもっているでしょうか。

少年時代の私にとっては、まだ夏が続かないかなあでした。

まだまだ暑い季節。

でも着実に陽は短くなっていく。

雲も高くなっていく。

もう入道雲も夕立もない。

セミの鳴き声は残るが、夕方には虫の鳴き声に変わる。

夏が去って行く。

そういう季節でした。

イリヤの空 UFOの夏」という小説がありますが、この季節感をうまくとらえていたと思います。

この小説は、私が最も好きな小説の一つです。

非力な中学生が、自分の思いで必死に生きる。

しかし、思うように人生は展開せず、悲劇を迎える。

そして、すべてが終わった時、もうとっくに終わっていた夏が彼の中でもようやく終わる。

こんな感じの小説です。

草刈りをしながら空を眺めていて、こんなことを思っていました。

小説を読んだときは、中学生だからこうなるのも仕方ないと思っていました。

しかし、それは間違いです。

初老になったって、必死に生きても思うようになんかならない。

そう、何歳になったって、あの主人公に共感できる。

そう思ったのです。

年齢を重ねれば知恵がつくというのは幻想でしょう。

いつまでたっても中学生なんです。

体が動かなくなっただけで。

そんなことを思いながらしていたので、草刈り跡はまだらでした。

まあ、でも、いいか。

たいしていい思い出のなかった夏になぜ執着するのか。

人間はいつだって可能性を愛しているからなのだろう。

そういう中学生みたいなことを考えたことで、気持ちが新たになった気がしました。

草は、刈り直せばいいだけです。

少しだけ9月のよさが分かったような気がしたので、いい時間を過ごしたんだと思いました。

 

 

 

読書感想「ほどよい”居場所”のつくりかた」

本書の副題は「60歳からの人づきあいの知恵」です。

ですから、本書でいう「居場所」とは老年になった時のものを指しています。

本書は短いエッセイを積み重ねるような形式で書かれています。

ですから、居場所を作るための手立てもたくさん載っているのですが、私はそれを3つにまとめてみました。

いわば「ほどよい居場所づくり3選」といったところです。

順番に述べていきましょう。

1 変えない

一つ目は「変えない」です。

引退すると自由な時間が増えます。

それまできちんとしていたことを少々だらしなくしても誰も文句はいいません。

時間や服装にルーズになっていきます。

意志が強い方もいますから、全員がそうというわけではありませんが、人間楽はしたいものです。

自分の好きな時間に起きて、自分の好きな時間に食事をする。

ゆったりとした服装で1日過ごす。

こういう過ごし方をしていると、しだいしだいにだらしなくなります。

筋力や集中力もは使わなければ落ちていきます。

どこからどう見ても老人。

そういう人間のできあがりです。

ですから、引退前と生活リズムは変えない。

服装もぱりっとしたものを着る。

清潔感が伝わる外見が一番です。

できれば、運動もする。

あえて歩かなくてはいけない用事を作る。

家事をしっかりとやる。

特に男性です。

自分のことは自分でできるようにすることが大切で、その基礎の上に誰かのために何かをするか積み上がります。

生活スタイルを働いている時から変えない。

こういうことが大切です。

2 相手に気を使う

年寄りともなれば、気を使われることが増えます。

だからといって、尊大な態度は厳禁です。

話を聞いてくれるからといって、いつも同じ思い出話、自慢話では、聞いてくれる人も減ります。

相手を楽しませる話を心がけるべきです。

新しい情報を仕入れるように心がける。

こういうことが脳を活発にもするのです。

地域や家族に気を使うのは、卑屈になることではありません。

感謝の気持ちを言動に表すということです。

また、あっさり・すっきりとした関係を保つことも大切です。

重い関係は、人をおっくうにします。

自然と避けられてしまいます。

人づきあいも腹八分目が長続きするこつです。

3 挑戦をする

60の手習いは恥ずかしいことではありません。

いまや生涯学習の時代です。

プログラミングを習ったおばあちゃんがアプリを作ったという例もあります。

新しい習い事を始めるのはよいことです。

若いときに挑戦しようと思って止めたこと、だれかがしているのを見ていいなあと思ったこと。

いまやあやゆることに資格があります。

もうお金を稼ぐための資格じゃなくともいいはずです。

純粋におもしろそうだとおもった資格に挑戦してみるのがよいでしょう。

見事合格すれば、こんなにうれしいことはありません。

どんなものでもよいから挑戦してみるのがよいでしょう。

以上が私が読み取った「居場所の作り方」です。

年を取ったからといって、老人のスタイルに合わせる必要はありません。

自立して心を若々しくするためにも、変えないとことは変えないと決めるべきです。

ただし、身の回りの整理は忘れずに。

残された者が困らないように整理しておくことは、自分が楽に生きることにもつながりますから。

 

 

釣り糸の選び方

ダイソーの道糸用釣り糸は使えます。

十分な性能を持っています。

このことが分かって、自分が釣り糸にどんなものを求めているのかを改めて考えました。

今回は、自分にとってのいい釣り糸について話します。

個人の体験に基づいた話ですので、一つの参考として聞いてください。

釣り糸の素材は様々ありますが、現在、主流となっているのは、ナイロン、フロロカーボン、PEです。

これらの釣り糸を評価する観点は3つあります。

強さ、柔らかさ、軽さです。

この3点からそれぞれの素材について語っていきます。

1 ナイロン

まずはナイロンです。

強さ○ 柔らかさ○ 軽さ○

よくも悪くも普通なのがナイロンです。

いわば釣り糸の基準のような存在です。

なので他の素材は、ナイロンと比べてどうか、という観点から見られます。

強さも、もちろん標準的です。

それ以前のテグスとかに比べればはるかに強いのですが、テグスが使われていたのは70年代まで、現在ではナイロンが標準的といっていいでしょう。

強さと関係してくるのですが、ナイロンは伸びます。

これが他の素材と異なるナイロンの特徴となります。

これはサカナの急な引きを和らげるというよさがある反面、当たりが伝わりにくいという弱点にもつながります。

伸びるということは柔らかいということで、これがナイロンの使用感を決定づけています。

まずは、リールの巻き癖がつきにくく、また結びやすいということにつながります。

リールの巻き癖とは、巻いてあるリールに沿って丸くなる癖のことです。

これがつきにくいと、仕掛けを遠くまで投げやすくなるのです。

ナイロンは遠投に向いているのです。

正確にいえば、巻き癖はないわけじゃありません。

少しはつきます。

しかし、が実釣の問題になるほどではありません。

また、ナイロンは吸水すると伸びるので、この性質も巻き癖を軽くすることにつながっています。

そして、軽く水に浮きます。

そのため、水面で操作する仕掛け、例えば、ルアーや毛針などが扱いやすくなります。

2 フロロカーボン

次はフロロカーボンです。

強さ○ 柔らかさ△ 軽さ△

フロロカーボンの強さは、ナイロンより少し弱いという感じです。

でも、ほんのちょっとだけです。

フロロカーボンは水をあまり吸わないので、釣りの間、その強さはずっと変わりません。

ナイロンは強いのですが、水を吸うと弱くなるので、実釣ではフロロカーボンと変わらなくなります。

ほぼ同じ強さという感じで使えます。

でも、フロロカーボンの方がナイロンより強いと思っている人は多いと思います。

実は、そうじゃありません。

この強さの勘違いは、糸の固さから生じています。

フロロカーボンの一番の特徴は、この固いということです。

まっすぐに伸びたままという状態を維持しやすいのです。

といってもナイロンよりはというくらいなのですが、これが釣りにとっては重要になります。

また、固いということはリールになじみにくいということにもなります。

特に小径スプールのリールには合いません。

フロロカーボンは、リールに巻くと最初は丸みがつかずにぽろぽろほどけてきます。

なのにいったん丸い癖がつくと、今度はまっすぐになりにくくなります。

癖がつきにくいけど、ついたらそのまんまの頑固者って感じです。

このため、仕掛けは遠くに飛びません。

竿の糸を通す輪、ガイドといいますが、そこにバシバシ当たって抵抗がかかるからです。

遠投しなければならない釣りには、まったく向きません。

固いということは、結びにくさにつながります。

2号とか細い場合は問題ないのですが、太くなるとかなり結びにくくなります。

一方、固さは当たりの伝わりやすさにつながります。

なので、サカナの当たりや水底の様子がよく分かるという人もいますが、私にはそこまで分かりません。

フロロが強いという勘違いは、このダイレクト感を強さと取り違えたことから生じたのでしょう。

これは切れにくさとは関係ありません。

感度がいいのであって、強くはないのです。

それから、フロロカーボンは水より重いのです。

なので沈みます。水面下に仕掛けを沈めるためにはよい糸ということになります。

なので、エサを底につける釣りのハリスには最も向いているといえます。

3 PE

PEはポリエチレンでできた、編み糸です。

なので透明ではありません。

見た目もナイロンやフロロカーボンのような単線と違い、かなり異質です。

特徴はこの通り。

強さ◎ 柔らかさ◎ 軽さ◎

PEの一番の特徴は強いことです。

同じ太さならナイロンの3倍ぐらいの強さがあります。

これはもう無敵といってよいくらいです。

4号ぐらいのPEでしたら、水中でブルーシートに針がひっかかっても、ブルーシートごと引っ張って水面まであげてきます。

ルアーの針が根掛かりしても、高確率で針を曲げて回収できます。

この2つは、私が実際に体験したことです。

そして、伸びません。

吸水もしません。

なので、糸を張っていれば当たりはピンピン感じます。

あくまで張っていればなんですが。

2つ目の特徴は、柔らかすぎることです。

自らまっすぐに伸びるということはありません。

編み糸ですので、曲がったら曲がったままです。

逆に曲げ易いということは、糸が太くなっても結びやすいということになります。

欠点としては、ゆるんだら当たりはまず伝わりません。

張っていればピンピンなのに、極端な話です。

そしてとても軽いのです。

軽く柔らかいので、仕掛けを遠くまで飛ばすことができます。

この点、ナイロンよりも遠くに飛びます。

誰よりも遠くに飛ばしたければ、PEを使うべきです。

ただし、軽すぎて水に浮くのはもちろん、風に流されやすいのです。

なので風のある時、ねらったところに仕掛けを入れることはかなり難しくなります。

PEには、3つ点以外にもふれなければならない特徴があります。

それは、結び目の強度が低いことです。

結ぶ作業はしやすいんですが、結び目は弱いのです。

編み糸固有の直径が変わる性質と元々の素材の性質から、滑りやすいのです。

なので結び目がほどけやすいのです。

結び目の強さは糸の強さの半分くらいになります。

このため、ナイロンやフロロでは使わないような、糸のからみが多くなるような特殊な結びを使います。

この結びを作る時間がかかるのも欠点といってよいでしょう。

4 自分にとってよい糸

以上を踏まえて、自分にとってよい糸とは何かを話します。

道糸としてのベストはPEです。

次点でナイロンです。

フロロカーボンは道糸には使いません。

ベイトリールの場合、特に理由がなければ4号ぐらいの太目のPEです。

強いし、このくらいの太さになるとバックラッシュになってもほどきやすいのです。

太ければ、先糸は必要ありません。

十分強度があります。

これは、私が淡水でしかベイトリールを使わないためでしょう。

淡水には、ギザギザの岩や貝がまずありませんから。

スピニングリールの場合は場合はどうなるか。

これもPEです。

強いからというだけではありません。

ドラグゆるゆるで、糸の強さを気にしなくともよいニジマス管釣りでさえも、こうしています。

PEは、スプールによくなじむし、遠くまで飛びます。

それに、スピニングリールは構造上、投げて巻いてを繰り返すと糸がよれて(ねじれて)竿やリールにからむということが起きますが、編み糸のPEはこれにも強いのです。

よれを気にせずに釣りができます。

(このよれについては、釣り雑誌にはPEはよれてからみやすいと書いてありますけど、体感的には逆、PEは単線の糸よりよれません。ただ、柔らか過ぎるので、油断すると竿先やガイドにからまりやすくなることはあります。)

ただし1号までの細い糸にして、ナイロンかフロロカーボンの先糸をつけます。

これは海も淡水も同じです。

なぜ先糸を付けるのか。

仕掛けが結びやすくなるのと切れるのを防止するためです。

先に話しましたが、海では先糸をつけないと岩や貝に擦れて切れてしまいます。

PEが強いの引っ張った時だけです。

編み糸なので擦れにはまったく弱いのです。

編んだ1本1本が切れていって、あっという間にぷっつんです。

そんないいことだらけのPEですが、スピニングリールの材質によってはナイロンを使う場合があります。

PEは水を吸わないと話しましたが、このことがリールの材質によっては問題になるんです。

リールのスプール、糸を巻くところですが、がアルミとかの金属の場合、PEを巻いて海で釣りした後に、潮抜き(ようするにスプールに水をかけて潮水を抜くこと)をしないとスプールが腐食するんです。

というか腐食させたことがあります。

ナイロンやフロロカーボンでこういうことが起きたことはありません。

素材が水をはじくからです。

洗えばいいじゃないかって話ではあるんですけど、けっこう忘れるし、スプールの奥まで毛細管運動で染みていくしと、超面倒くさいんですね。

なので、スプールが金属のリールにはナイロンを巻いています。

もちろんダイソーで買ったナイロンは、こういうリールに巻いています。

では、私が大好きなスピンキャストリールではどうか。

これはナイロンですね。

PEは使いません。

相性がとてつもなく悪いのです。

スピンキャストリールは、カバーの中にピンがあり、これに糸を引っかけて巻き取るシステムになっています。

このピンが金属だといいんですが、ものによっては非金属が使われていて、PEの強さに耐えきれないんです。

また構造上、糸がリール内部で擦れることが多いなるので、編み糸のPEだと毛羽立ちが早くなり、劣化が進みやすいんです。

つまり、リールと糸の両方によくないんです。

また、スピンキャストリールにフロロカーボンは論外です。

カバーの中でぶつかるところが多く、一層遠くに飛ばなくなります。

構造上、小径スプールなのでこの点からもフロロには合いません。

ということで、結局ナイロンになるのです。

昔、ZEALというメーカーがあってスピンキャストリール(有名なアライくんリール)にPEを使ってましたが、いいとは思えませんでした。

さてフロロカーボンを道糸に使わない理由はもうお分かりと思います。

投げにくい(特に、メバル用ジグヘッドや管釣りのスプーンなど1g程度の軽い仕掛けでは、竿をゆっくり振るような特殊な投げ方をしなければなりません)し、すぐこすれて白くなるし、まあいいところがありません。

ただし、沈める仕掛けのハリスにはとても合っています。

なので、フロロカーボンは先糸、ハリス用といった感じです。

自分はこんな感じなんですが、要は万能な糸は存在しないので、その時の釣りに合わせて選んでいくというのがよいと思います。

実は、淡水のルアー釣りではフロロカーボンが主流で、私のような使い方をする人は少数派です。

でも、どうやっても私には使いにくいのだけどね。

そうそう、リールを使わない延べ竿の釣りでは、私もフロロカーボンが中心です。

真っ直ぐになりやすいから使いやすいのですね。