ギスカブログ

 読書しながらスモールライフ「ギスカジカ」のブログ

釣り糸の選び方

ダイソーの道糸用釣り糸は使えます。

十分な性能を持っています。

このことが分かって、自分が釣り糸にどんなものを求めているのかを改めて考えました。

今回は、自分にとってのいい釣り糸について話します。

個人の体験に基づいた話ですので、一つの参考として聞いてください。

釣り糸の素材は様々ありますが、現在、主流となっているのは、ナイロン、フロロカーボン、PEです。

これらの釣り糸を評価する観点は3つあります。

強さ、柔らかさ、軽さです。

この3点からそれぞれの素材について語っていきます。

1 ナイロン

まずはナイロンです。

強さ○ 柔らかさ○ 軽さ○

よくも悪くも普通なのがナイロンです。

いわば釣り糸の基準のような存在です。

なので他の素材は、ナイロンと比べてどうか、という観点から見られます。

強さも、もちろん標準的です。

それ以前のテグスとかに比べればはるかに強いのですが、テグスが使われていたのは70年代まで、現在ではナイロンが標準的といっていいでしょう。

強さと関係してくるのですが、ナイロンは伸びます。

これが他の素材と異なるナイロンの特徴となります。

これはサカナの急な引きを和らげるというよさがある反面、当たりが伝わりにくいという弱点にもつながります。

伸びるということは柔らかいということで、これがナイロンの使用感を決定づけています。

まずは、リールの巻き癖がつきにくく、また結びやすいということにつながります。

リールの巻き癖とは、巻いてあるリールに沿って丸くなる癖のことです。

これがつきにくいと、仕掛けを遠くまで投げやすくなるのです。

ナイロンは遠投に向いているのです。

正確にいえば、巻き癖はないわけじゃありません。

少しはつきます。

しかし、が実釣の問題になるほどではありません。

また、ナイロンは吸水すると伸びるので、この性質も巻き癖を軽くすることにつながっています。

そして、軽く水に浮きます。

そのため、水面で操作する仕掛け、例えば、ルアーや毛針などが扱いやすくなります。

2 フロロカーボン

次はフロロカーボンです。

強さ○ 柔らかさ△ 軽さ△

フロロカーボンの強さは、ナイロンより少し弱いという感じです。

でも、ほんのちょっとだけです。

フロロカーボンは水をあまり吸わないので、釣りの間、その強さはずっと変わりません。

ナイロンは強いのですが、水を吸うと弱くなるので、実釣ではフロロカーボンと変わらなくなります。

ほぼ同じ強さという感じで使えます。

でも、フロロカーボンの方がナイロンより強いと思っている人は多いと思います。

実は、そうじゃありません。

この強さの勘違いは、糸の固さから生じています。

フロロカーボンの一番の特徴は、この固いということです。

まっすぐに伸びたままという状態を維持しやすいのです。

といってもナイロンよりはというくらいなのですが、これが釣りにとっては重要になります。

また、固いということはリールになじみにくいということにもなります。

特に小径スプールのリールには合いません。

フロロカーボンは、リールに巻くと最初は丸みがつかずにぽろぽろほどけてきます。

なのにいったん丸い癖がつくと、今度はまっすぐになりにくくなります。

癖がつきにくいけど、ついたらそのまんまの頑固者って感じです。

このため、仕掛けは遠くに飛びません。

竿の糸を通す輪、ガイドといいますが、そこにバシバシ当たって抵抗がかかるからです。

遠投しなければならない釣りには、まったく向きません。

固いということは、結びにくさにつながります。

2号とか細い場合は問題ないのですが、太くなるとかなり結びにくくなります。

一方、固さは当たりの伝わりやすさにつながります。

なので、サカナの当たりや水底の様子がよく分かるという人もいますが、私にはそこまで分かりません。

フロロが強いという勘違いは、このダイレクト感を強さと取り違えたことから生じたのでしょう。

これは切れにくさとは関係ありません。

感度がいいのであって、強くはないのです。

それから、フロロカーボンは水より重いのです。

なので沈みます。水面下に仕掛けを沈めるためにはよい糸ということになります。

なので、エサを底につける釣りのハリスには最も向いているといえます。

3 PE

PEはポリエチレンでできた、編み糸です。

なので透明ではありません。

見た目もナイロンやフロロカーボンのような単線と違い、かなり異質です。

特徴はこの通り。

強さ◎ 柔らかさ◎ 軽さ◎

PEの一番の特徴は強いことです。

同じ太さならナイロンの3倍ぐらいの強さがあります。

これはもう無敵といってよいくらいです。

4号ぐらいのPEでしたら、水中でブルーシートに針がひっかかっても、ブルーシートごと引っ張って水面まであげてきます。

ルアーの針が根掛かりしても、高確率で針を曲げて回収できます。

この2つは、私が実際に体験したことです。

そして、伸びません。

吸水もしません。

なので、糸を張っていれば当たりはピンピン感じます。

あくまで張っていればなんですが。

2つ目の特徴は、柔らかすぎることです。

自らまっすぐに伸びるということはありません。

編み糸ですので、曲がったら曲がったままです。

逆に曲げ易いということは、糸が太くなっても結びやすいということになります。

欠点としては、ゆるんだら当たりはまず伝わりません。

張っていればピンピンなのに、極端な話です。

そしてとても軽いのです。

軽く柔らかいので、仕掛けを遠くまで飛ばすことができます。

この点、ナイロンよりも遠くに飛びます。

誰よりも遠くに飛ばしたければ、PEを使うべきです。

ただし、軽すぎて水に浮くのはもちろん、風に流されやすいのです。

なので風のある時、ねらったところに仕掛けを入れることはかなり難しくなります。

PEには、3つ点以外にもふれなければならない特徴があります。

それは、結び目の強度が低いことです。

結ぶ作業はしやすいんですが、結び目は弱いのです。

編み糸固有の直径が変わる性質と元々の素材の性質から、滑りやすいのです。

なので結び目がほどけやすいのです。

結び目の強さは糸の強さの半分くらいになります。

このため、ナイロンやフロロでは使わないような、糸のからみが多くなるような特殊な結びを使います。

この結びを作る時間がかかるのも欠点といってよいでしょう。

4 自分にとってよい糸

以上を踏まえて、自分にとってよい糸とは何かを話します。

道糸としてのベストはPEです。

次点でナイロンです。

フロロカーボンは道糸には使いません。

ベイトリールの場合、特に理由がなければ4号ぐらいの太目のPEです。

強いし、このくらいの太さになるとバックラッシュになってもほどきやすいのです。

太ければ、先糸は必要ありません。

十分強度があります。

これは、私が淡水でしかベイトリールを使わないためでしょう。

淡水には、ギザギザの岩や貝がまずありませんから。

スピニングリールの場合は場合はどうなるか。

これもPEです。

強いからというだけではありません。

ドラグゆるゆるで、糸の強さを気にしなくともよいニジマス管釣りでさえも、こうしています。

PEは、スプールによくなじむし、遠くまで飛びます。

それに、スピニングリールは構造上、投げて巻いてを繰り返すと糸がよれて(ねじれて)竿やリールにからむということが起きますが、編み糸のPEはこれにも強いのです。

よれを気にせずに釣りができます。

(このよれについては、釣り雑誌にはPEはよれてからみやすいと書いてありますけど、体感的には逆、PEは単線の糸よりよれません。ただ、柔らか過ぎるので、油断すると竿先やガイドにからまりやすくなることはあります。)

ただし1号までの細い糸にして、ナイロンかフロロカーボンの先糸をつけます。

これは海も淡水も同じです。

なぜ先糸を付けるのか。

仕掛けが結びやすくなるのと切れるのを防止するためです。

先に話しましたが、海では先糸をつけないと岩や貝に擦れて切れてしまいます。

PEが強いの引っ張った時だけです。

編み糸なので擦れにはまったく弱いのです。

編んだ1本1本が切れていって、あっという間にぷっつんです。

そんないいことだらけのPEですが、スピニングリールの材質によってはナイロンを使う場合があります。

PEは水を吸わないと話しましたが、このことがリールの材質によっては問題になるんです。

リールのスプール、糸を巻くところですが、がアルミとかの金属の場合、PEを巻いて海で釣りした後に、潮抜き(ようするにスプールに水をかけて潮水を抜くこと)をしないとスプールが腐食するんです。

というか腐食させたことがあります。

ナイロンやフロロカーボンでこういうことが起きたことはありません。

素材が水をはじくからです。

洗えばいいじゃないかって話ではあるんですけど、けっこう忘れるし、スプールの奥まで毛細管運動で染みていくしと、超面倒くさいんですね。

なので、スプールが金属のリールにはナイロンを巻いています。

もちろんダイソーで買ったナイロンは、こういうリールに巻いています。

では、私が大好きなスピンキャストリールではどうか。

これはナイロンですね。

PEは使いません。

相性がとてつもなく悪いのです。

スピンキャストリールは、カバーの中にピンがあり、これに糸を引っかけて巻き取るシステムになっています。

このピンが金属だといいんですが、ものによっては非金属が使われていて、PEの強さに耐えきれないんです。

また構造上、糸がリール内部で擦れることが多いなるので、編み糸のPEだと毛羽立ちが早くなり、劣化が進みやすいんです。

つまり、リールと糸の両方によくないんです。

また、スピンキャストリールにフロロカーボンは論外です。

カバーの中でぶつかるところが多く、一層遠くに飛ばなくなります。

構造上、小径スプールなのでこの点からもフロロには合いません。

ということで、結局ナイロンになるのです。

昔、ZEALというメーカーがあってスピンキャストリール(有名なアライくんリール)にPEを使ってましたが、いいとは思えませんでした。

さてフロロカーボンを道糸に使わない理由はもうお分かりと思います。

投げにくい(特に、メバル用ジグヘッドや管釣りのスプーンなど1g程度の軽い仕掛けでは、竿をゆっくり振るような特殊な投げ方をしなければなりません)し、すぐこすれて白くなるし、まあいいところがありません。

ただし、沈める仕掛けのハリスにはとても合っています。

なので、フロロカーボンは先糸、ハリス用といった感じです。

自分はこんな感じなんですが、要は万能な糸は存在しないので、その時の釣りに合わせて選んでいくというのがよいと思います。

実は、淡水のルアー釣りではフロロカーボンが主流で、私のような使い方をする人は少数派です。

でも、どうやっても私には使いにくいのだけどね。

そうそう、リールを使わない延べ竿の釣りでは、私もフロロカーボンが中心です。

真っ直ぐになりやすいから使いやすいのですね。