「自分でできる対人関係療法」という本を読みました。
著者は水島広子さん,精神科診療のお医者さんです。
心理士ではない方の著書を読むのは久しぶりでした。
印象に残ったことを3つ述べます。
一つ目は,対人関係を3種類に分けるということです。
一番大切な関係を第一層とします。
この層を「重要な他者」と呼びます。
配偶者や恋人,親や親友が入ります。
第二層は,第一層ほどではなくても親しい関係にある他者です。
友達や親戚などが入ります。
第三層は,仕事上のつき合いなどの関係者です。
同僚などですね。
これらの層をはっきりと区別し,同じようにつき合ってはいけないと筆者は述べます。
特に,第三層を第一層のように感じてつき合うと悲劇になる場合があるといいます。
上司の言葉や部下の態度を必要以上に重要ととらえてしまい,うつ病になる,最悪は自殺してしまう,こういうことが起きるそうです。
いざとなればやめられる会社でのつき合いを一生続くかのように感じてしまうことがまちがいだといいます。
とはいうものの,実際には経済上の問題もあって仕事をやめられない人も多いでしょう。
その場合は,その言葉を深刻に受け止めるのをやめるのがよいとのこと。
仕事上の指示などは受け止めなかったら問題なので,業務に集中し付随する感情的な言葉は(ふ~ん)と聞き止めないようにします。
得てして,悩む方は過剰に受け止めがちだそうです。
なるほどと思いました。
それと,つき合わなくとも良い人間とはつき合わない,むしろつき合わない方がよい人もいる。
こういうことも人生の真実なのだと思いました。
二つ目に印象に残ったことは,言葉で伝えるということです。
コミュニケーションの基本です。
当たり前と受け止められるかもしれません。
しかし,言葉で伝えるというのが案外難しいのです。
特に,正確に伝えるということが。
「話せば分かる」というのは一面の真実を伝えていますが,話したら誤解されたということも多いものです。
特に,思わせぶりやあいまいな語尾など,情感を込めて伝えようとしたばかりに正確に伝わらないということはよくあります。
シンプルで余計な言葉を削いで,誠実に伝える。
そういうことが対人関係をよくするのです。
対人関係の問題は誤解から始まることがとても多いものです。
誤解を防ぎ,誤解を解く。
それはシンプルな言葉から始まるのだと思いました。
三つ目は,分かってくれるはずは勝手な思い込みということです。
「話せば分かる」の限界とも関係するのですが,対人関係で問題を抱える人は,自分のことを相手が分かってくれるはずと思いがちだそうです。
これは分かる気がしました。
分かってくれるはずっていうか分かって欲しいのでしょう。
特に,自分が落ち込んでいる時には。
とはいえ,相手にも相手の事情があるので,それほど悩んでいる人に興味があるわけではありません。
相手は相手で,自分のことを分かって欲しいと思っているかもしれないのです。
第三層の人に,それほどの期待を寄せることは,元々間違いなのかもしれません。
だからこそ,きちんとした分かり易い言葉で伝えることが必要なんでしょう。
対人関係の解決は難しく考えすぎないことが大切だと思いました。
自分にとって大切な人,大切なことをはっきりさせることから始めればいい。
そう思いました。
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