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【書評】相沢沙呼「雨の降る日は学校に行かない」

1 本作の概要

学校生活に違和感をもつ女子中学生の短編集です。

学校生活への不適応関係の小説は、思春期読者には共感性をもって迎え入れられるでしょう。

わたしは想定読者外です。

じゃあなんで読んだんだ?

こういう問いはあるでしょう。

ミステリーかと思ったんですね。

いやあ「中学生日記」的小説でした。

話題の中心は、アイデンティティ探しと友達関係。

閉ざされたコミュニティでよく話題になるやつです。

思春期の人たちには、永遠のテーマですね。

2 承認欲求

題名が題名ですし、一話が保健室登校だったので、不登校ひきこもり関係かと思ったのですが、そうでもありませんでした。

まあ不登校が虚構作品の題材になると、繊細で純真な心をもつ人間が現実の汚い人間に傷つけられて…みたいなタイプが多い気がします。

読者の共感を呼ぶためでしょう。

現実はそうではない方が多数です。

ニートやひきこもりが身近になった昨今、みんな知っているでしょう。

なので、この題材、現代じゃどうなんだろうとは思います。

それに、「かまってちゃん」にかまえるのは余裕のある人たち。

現代の疲れた人たちは、そんな人はスルーです。

「聖人」もいますけどね。

で、それを踏まえて本作の不登校主人公に共感できたかというと。

できませんでした。

なんとかなるよそのくらい。

そんな感想でしたね。

3 自殺志願者さがし

それでも興味を引いた小説がありました。

自殺志願者をさがす話です。

ネタバレしないようにしますが、この捜索グループが現実的でそうだよなあと思いました。

おもしろ半分、正義感半分、人によって濃度が異なる。

おそらく自殺志願者が自分の想定した人格じゃなかったら興味を急速に失う。

そんな感じがもろに出てました。

そして、退屈な生活にまぎれこんだ事件をおもしろがる。

そういう雰囲気もありで、こういうのあるなあと思います。

ヒマな学生だからできることでもあるんですが。

で、人間の真実の一面を描いていたかというと、そこまでは踏みこまず。

そんな感じでした。

なので、深みはないです。

4 総評

★★☆☆☆

2つです。

学校生活が舞台の小説が好きならどうぞ。

そんな感じです。

あと、センチメンタル自分語り小説が好きなら。

まあ、ある種、演歌とかフォークソングとか、そういう世界が好きならはまるかも。

あういうのたまにならいいけど、ずっとだと元気なくなっちゃうんですね。

現実の不登校とかひきこもりって、ずっとうじうじしてないんじゃないですか。

マイナーキーのバラードは、たまだからいい。

アルバム通して、ずっとそんな曲だとリスナー限定するでしょう。

そんな感じ短編集でした。