玉川真理さんの「自分思考のすすめ」を読みました。
嫌な気分をパッと手放す方法が書いてあるとのことです。
最近,嫌なことが続いている私にうってつけの本でしょう。
本を読んで印象に残ったことを紹介します。
1 作者の経歴
作者は,元自衛官で臨床心理士です。
ちょっと気を引く経歴ですね。
元々,高校を卒業して自衛隊に入隊したとのことでした。
転機は,上司の自殺です。
とても信頼していた方だったようです。
しかし衝撃的なのは,死んで感じた作者の感情です。
うやらましい。
これが,上司の死に対する率直な思いでした。
それで,予想がつくとは思いますが,様々な自殺未遂を試みたそうです。
そのうち信頼できるカウンセラーと出会い,信頼できる医者とも出会い,カウンセラーを目指そうと思ったとのことでした。
DVから離婚もされて学業に進んだようです。
やりたいことが見つかると生きるエネルギーがわくんですね。
2 嫌な気分から抜け出す方法
様々な具体的な方法が述べられていました。
しかし,私なりにこの方法をまとめるとリフレーミングです。
どういうことか。
つまり,自分がとらわれている考えを定義し直すことです。
必ずしなければならない,こうであらなければならない。
こういう考え方をそうではない,ととらえ直すことです。
仕事に関していえば,究極やめても死ぬわけじゃない。
こう考えるのです。
この方は実際にやめているし,再就職もしているし,説得力がありますね。
自分がとらわれている考えが周囲の常識と思っているとよくないのだと思います。
例えば会社だったら,自分が休んでも会社は困らないということを体験するといい。
そういうアドバイスもありました。
これ,ほんとにそうなんですけど,案外みんなに支持されないのですね。
自分の価値を高くもちたいから。
でも,職場での価値ってどうなんですかね。
職場を離れれば意味ないように思います。
家族もそうですね。
つらかったら別れたらいいんです。
それで困るようなら,その人も考えるでしょう。
日本は福祉も充実してますしね。
ねばで生きるのは,ほんと不幸だと思います。
3 臨床心理学について
臨床心理学は,学問なのかと疑問に思っていました。
私は,少し心理学をかじっているのでそういう思いが強かったのだと思います。
また,精神分析のいい加減さに辟易していたのも事実です。
なんだその決めつけ?
そんな風に思っていました。
しかし,ここ最近,カウンセリングや臨床心理学の本を読み続けていて,考えが変わってきました。
役立つものは何でも使え。
白猫でも黒猫でもねずみを捕るのがいい猫だ。
そんな考えなのだろうと思っています。
実際,目の前に自殺しそうな人が居たとして,その人に自殺を思いとどまらせるためには,どんなことだってするでしょう。
これらの心理学は,そういう方面から発展してきたのだと思います。
しかし,多くの本,この本もまたそういう感じですが,ある種の結論が述べられています。
馬を水辺まで連れて行くことはできるが,馬に水を飲ませることはできない。
このことわざです。
心理的に困っている人を助ける環境を整えることはできるけれども,実際に助けるのは自分自身である。
これが一つの真理でした。
最後の最後はその人。
そういうことなのです。
だから,これでもいい,こんな風にしたらいい,と甘いことを述べるカウンセラーが多いように思えるかもしれませんが,それはそういうことすらしようとする意思が持てなくなった人へのアドバイスであって,一般誰でもに通じる話ではないのです。
こんなことが分かるようになりました。
4 作業について
作業療法的なことのよさについても述べてありました。
実際,落ち込んだときにウクレレやギターをずっと弾いていることがあります。
練習でもなく,新しい挑戦でもなく,知っているフレーズをずっと弾いている。
そんな感じです。
急に洗車を始めたりもします。
水滴を拭き取るのにこだわったりして。
こういう作業に意味を求めるんじゃないそうです。
無駄でいいから没頭する。
これが大事なんだとか。
経験上,大いに納得できました。
この本,おすすめですよ。
元気をなくしている人,読んでみてください。
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