ベイトキャスティングリールはとてもかっこいい。
おそらく男性なら賛同者がいっぱいいるはずです。
何につけても性区別をするのはよくありませんけど、機械系小物が好きな男性は多いはずです。
スピニングリールに比べるとコンパクトにまとまっているし、精密感もある。
巻き上げる力も強い。
そして、キャストにややテクニックがいる。
つまり玄人好み。
こういう理由で、ベイトリールを好む人は多いはずです。
私もその一人。
思い出込みでいうと富士リールが一番好きなんですが、ベイトリールはやっぱりかっこいい。
なのに、私はメインフィールドである防波堤では使いません。
それには理由があるのです。
ベイトリールには、道具として決定的な弱点があるのです。
それは錆びやすいこと。
そんなのスピニングも同じでしょ。
そういう人は実釣をあまりしていないか、釣りの後にリールの整備をしていないかのどちらかです。
構造上、ベイトリールは潮水に弱いんです。
どこがだよ。
というもっともな疑問があることでしょう。
それは、キャストする時にスプールが回るところにあるんです。
キャストすると高速でスプールが回ります。
乾燥している冬によく分かるんですが、その時スプールの周囲が霧吹きでスプレーしたみたいになります。
巻いている糸についた水が遠心力で飛ばされるんです。
それも霧状に。
これが非常にやっかいなんです。
糸が水を拾ってくるのを防ぐことはできません。
そして、スプールが回転することを防ぐこともできません。
その結果、必ず(必ずですよ)リールの周りに霧状の水滴が飛びます。
ベイトリールは、スプールが回転する構造上、どうしたってスプールとボディの間にすき間ができます。
世界のシマノの技術をもって、何百分の1mmの精度したとしても、すき間は空きます。
そこに霧状の水分は入り込みます。
一度のキャストならたいした量は入りません。
しかし、ルアー・フィッシングというのは、投げる・巻くの繰り返しです。
エサ釣りでは考えられないくらいキャストします。
結果、リールの内部に相当量の水が入り込むのです。
これが錆びの原因です。
淡水なら、まあ問題にならないのですが、海水はダメです。
村田基さんが、バケツにリールを突っ込んで洗っていましたけど、確かにそうしたくなるくらい潮水が入ります。
また、釣行ごとに分解洗浄をする釣り人もいます。
ホント、そのくらいしたくなるくらい潮水が入ります。
で、自分はそこまでの整備ができないんですね。
特に最近の高性能リールは、素人が分解すると組み立てられなくなるくらい複雑です。
ストリーム・ライトくらい単純なら私にもできるのですが。
こういう後処理のことを考えると、ベイトリールを敢えて海で使う、という選択肢が消えるのです。
じゃあ、ストリーム・ライトでやればいいじゃないか、という意見もあるでしょう。
70年代以前に設計されたリールは、使われている素材がマジかっていうくらい錆びに弱いので、絶対にだめです。
グリスでギトギトにしても安心できません。
大事にしたいのなら、使わないのが一番です。
巻き抵抗の大きいルアー、スピナベとか大きめのディープクランクとかは海じゃ使わないので、スピニングでも問題ありません。
投げない釣りなら、穴釣りとかヘチ釣りとか、使ってもいいのですが、それなら富士リールでいいやってことになります。
もっとテクノロジーが進んで、錆びない素材のリールができたらいいなとは思います。
難しいでしょうけど。
そうそう、バスポンドの松井さんが、カヤック・シーバスを少しだけしたことがありました。
すぐにやめたんです。
確か理由は、リールが錆びるからでした。
ダイレクトリールや五十鈴工業製リールが錆びに強いわけありませんものね。
というわけで、私のベイトリールは、すべて淡水専用になっています。
かっこはよくないけど、スピニングリールでできないことなんてありませんものね。
私の防波堤の釣りでは。