今回も「話したらラクになる心理学」の感想です。
話題は「人との距離感」です。
人との距離感とは何でしょう。
改めて問われると答えに窮します。
しかし,何となく分かる言葉です。
親しめる人,親しめない人というのは,実際にあります。
日々感じていることです。
今回は,距離感そのものについて論ずるのではなく,距離感を開くものは何か,どうして距離感をまちがえるのかについて考えます。
さて,どういった時に距離感が開いてしまうのでしょうか。
端的にいって,相手が自分に関心がない時です。
例えば,ふれてほしくない話題にふれてくる時です。
自分が嫌な気持ちをもつこと,またはふれられたことでもったこと,そういうことに気づいていない人とは距離をとってしまいます。
つまり,その相手は自分のことだけに関心があるのではないか,と思った時に距離が開くのです。
また,偽りのある人とも距離が開きます。
虚勢を張っている人,自分の本心を隠している人とは距離が縮まりません。
これらの偽りに気づいていなければ,距離が開くことはないでしょう。
しかし,それはだまされている状態です。
偽りで接してくる人は相手に興味はありません。
自分を飾ることが興味の中心です。
そういう人と距離が近づくことはないのです。
こうして考えると,距離感に大きく関係しているのが,相手への興味・関心であることが分かります。
他人への関心が相手との距離感をせばめるのです。
しかし,これは相手があってのことです。
自分を偽る人,相手を利用しようとする人,そういう人と距離感を縮めてはいけません。
そもそもこういう相手は,距離感を縮めようとはしていません。
自分のために相手を利用しようとしているだけです。
人のよさややさしさにつけこまれます。
だから,相手をよく見て理解することが大切です。
距離感は近ければよいというものではありません。
妥当な距離というものがあるのです。
では,相手と距離感を縮めよう,親しくなろうとしているのに,距離感が開いてしまう人がいるのは,どうしてなのでしょうか。
これは,自分の心を素直に開いていないからです。
本心を開かさない。
韜晦した言い回しを使う。
自分から近づくのではなく,相手から近づくような言動をする。
こういうことをすると距離感が開きます。
簡単にいうと,面倒くさい人と思われるのです。
おそらく,こういう言動をする人は,自分が他人からどう見られているかが分かっていないのです。
あるいは,本当の自分と見てほしい自分の差を認められないのです。
うまくごまかせればいいのですが,そんなことに気づかない人は少ないものです。
自分を素直に表した方が好感をもたれます。
距離感が縮むのです。
心の距離感を決める大きな要因は,相手に対する認識と自分自身に対する認識です。
孫氏の兵法のようです。
己を知り敵を知れば,百戦危うからずや。
戦うわけではありませんが,適切な距離感を持てるはずです。
まずは,自分がどう見られているか。
これを意識することが大事でしょう。
人との適切な距離感は自己認識から始まるのです。
少し意外な結論になりました。
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