「今日は,心をみつめる日」という本を読みました。
著者は衛藤信之さん,カウンセラーの方です。
今まで読んだカウンセリングの本は,心を回復させる方法について述べたものがほとんどでした。
この本は違いました。
心のあり方について,真っ正面から説いていました。
印象に残ったことについて述べたいと思います。
一つ目は,「ほんとうの幸せ」について述べた内容です。
筆者の主張は,端的にいえば「足ることを知る」でした。
今日一日で,よいことが三つあったら,どんなに嫌なことがあったとしても幸せなのだ。
そういうことを訴えています。
これは,自分で思う分にはいいと思います。
小さな幸せに感謝し,明日への希望につなげる。
気持ちを清々しく保つことができると思います。
一方,この考えは他人に強要するものではないと思います。
ブラック企業のやりがい自慢。
「ありがとう」で生きていく。
そういうことをいいつつ利益を追求し,心理的な搾取に利用する。
これはダメです。
他人に幸せの基準を設けられても,真の幸せにはなりません。
自分で納得できる幸せを見つけることが大切なのだと思います。
二つ目は,「いま」を大切にするということです。
具体的にいうと,今を全力で生きる,今を楽しむ,そういうことです。
例として,笑顔で死にたいという患者の話が挙げられていました。
それに対する医者の返事は,今笑いましょうだったそうです。
今は,痛くて苦しくて笑えないと返したのですが,やはり今笑いましょうと繰り返したそうです。
今笑えなければ,死ぬ瞬間も笑うのは難しい,そういう思いがあったそうです。
先々を考えるのではなく,今この瞬間に全力を注ぐ。
このことが幸せにつながるのだそうです。
ちょっと思い当たるところがありました。
嫌なことがあると洗い物とか片付けとかに没頭することがあります。
人生においてもそういう専心することがあれば,余計な不安などは感じないのではないかと思いました。
三つ目は,見返りのない愛を与えるということです。
これは愛というと大きくなりますが,何かを他人に行う際に見返りを期待しない,考えないということです。
分かる気がしました。
見返りを考えると,見返りが少なかったりあるいはなかったりした時に,不満を感じます。
元々は,そんなに期待していなかったのに,そしていい気持ちで行ったのに,結局嫌な気持ちで終わる。
そんなことはよくあります。
私がよく経験したのは,同じことをしたのに誰かはいい目にあって自分には何もないということです。
元々,結果を期待していたわけではないのに,もやもやな気持ちになりました。
こういう気持ちにならないよう見返りはない,いらない。
そういう考えが,結果的に幸せになる。
こういう考えは,分かるような気がします。
以上読んできて,この本がカウンセリングとか心理学とかの本というよりは,人生訓とか処世術とか,そういうもののように感じた方もいるでしょう。
でしょうというか,私がその一人です。
最初から人生訓の本だと分かっていたら読まなかったかもしれません。
でも,今は読んでよかったと思っています。
こういう考え方をすると元気がでる。
そういう場面を想定できたからです。
たまにはこういう本もいいですね。
![今日は、心をみつめる日。【電子書籍】[ 衛藤信之 ] 今日は、心をみつめる日。【電子書籍】[ 衛藤信之 ]](https://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/rakutenkobo-ebooks/cabinet/6444/2000000186444.jpg?_ex=128x128)
- 価格: 990 円
- 楽天で詳細を見る