興味があって臨床心理学やカウンセリングの本を読み続けていますが,今日偶然にもカウンセリング的な出来事がありました。
そのことについて述べます。
一つ目は,ある説明会での出来事です。
なんの説明会かというと,データ処理の説明会でした。
統計データ処理の仕方や処理したデータの今後の使い方などが説明されていました。
それで,データの処理は業者に任せているのですが,いろいろあって処理して返ってくるのが数ヶ月後だというのです。
まあ,以前もそうでしたからそういう契約なのでしょう。
しかし,私たちの地域ではもう少し早く結果が知りたいとのことで,データを送る前に写しを取っておくようにしてくれ,という指示が出ていました。
確かに指示を受けて,部内の打ち合わせで話しました。
で,説明を聞いていたら隣から小声が聞こえました。
写しを取るのを忘れました。
青い顔の部下がそこに座っていました。
まあ,事後処理モードに切り替えです。
送ったデータを取り戻すのは,できなくはないですが難しいでしょう。
手元にある元データから復元するしかないかなと思っていました。
そこで,私の言動が問われるわけです。
「言ったじゃないか」
というのは簡単ですが,下策です。
解決してもしこりが残るでしょう。
部下の心情に悪影響が残ります。
かといってミスを自分が全かぶりするのもなあ。
そんな気持ちです。
ストレスはすべて人間関係からくるとは,よくいったものです。
アドラー先生ありがとう。
結局,他の同僚に根回しをしてなんとかデータ復元をすることにしました。
ミスをした部下は心中穏やかではないでしょうが,仕方がありません。
不安をあおらないようにして,軟着陸を図りました。
カウンセリング的にはどうしたらよいか。
この時,こんなことが最初に浮かんだのは,最近の読書のためと思います。
もう一つの出来事は,来客相談です。
苦情とはちょっと違うのですが,もの申したい方がいて,その話を部下と一緒に伺いました。
話がストレートだといいのですが,まあいろいろ付け加えられて話が長いのですね。
エピソード一つ一つに自分の思いが付け加えられているような感じです。
ためた思いを話すことで,心が落ち着くというか,そんな感じも受けました。
これを落ち着いて聞いていられたのも,カウンセリングを学んでいたからだと思います。
まあ,仕事なので要点については確認を取りながら進めましたが,ビジネスライクに成りすぎないように気をつけました。
二つのことを経験して思ったことは,学んだことを実践するのは難しいということです。
当たり前のことですし,できたら本にも学問にもならないとは思います。
でも,経験しないとこの当たり前が分からなかったりするのです。
そして,こういう場がないと学んだことが身に付かないことも事実です。
少しずつカウンセリング的な技能が身に付くようにしたいと思っているので,貴重な経験をしたと考えることにしました。
徐々に経験すればいいのでしょうが,実践の場って突然現れるものですので,そうはいかないでしょう。
次の実践も,不意にやってくるはずです。