ギスカブログ

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映画「恋する寄生虫」を見て

 映画「恋する寄生虫」を見ました。

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 今回は,その感想を話します。
 先に言っておきます。
 ネタバレになります。
 それから,よい点はほとんど話しません。
 ご留意ください。
 って言うか,この映画好きだった方,以下読まないでください。

 

1 人物造形に違和感

 もう,開始10分でダメかも,と思いました。
 高坂さんって,こんな感じでしたっけ。
 違和感のたたみ掛けって感じです。
 彼は,小指の爪を伸ばしてエレベーターのボタンを押す潔癖症ですよ。
 そして,コンビニで釣り銭の受け取りの際に店員の手を払うのですが,すぐ後悔する人です。
 決して,ヒステリックに騒ぐタイプじゃないと思います。
 それと映像が凝っていたんですが,この話は日常生活をベースにしているのでこれも違和感でした。
 普段の生活にこんな寄生虫がいたらって話だと思うのです。
 さて,佐薙はもっと違和感がありました。
 だいたい最初,銀髪じゃないし。
 それから,確かに不良っぽい外見ですけど,寄生虫論文の原書をよむ女の子です。
 知的なんですよ。
 いうことも論理的だし。
 何よりダメだったのが,「高坂さん」と呼びかけない点です。
 「キミ」じゃないんですよ。
 佐薙が高坂作のコンピュータウイルスに驚く場面がないと,内面の問題が表せないんじゃないかなあ。
 和泉さんの造形はもう別人だなあ。
 これは,最初から最後までダメです。
 役者なのか脚本家なのか監督なのか分からないけど,彼の無骨な親切さが表れてないなあ。
 佐薙の母に恋愛感情もっている設定っていらないでしょ。
 娘を救えなかった思いが動機だったはずなんだけど。
 これもう原作じゃなくて,原作にインスパイアされて作ったでいいんじゃないですかね。

2 見たかったシーン

 佐薙と高坂がコンテナに閉じ込められるシーンは割愛しちゃだめでしょ。
 ここが一番見たかったなあ。
 映像的に地味だったんですかね。
 あるいは,雪の場面が撮れなかったからかなあ。
 池はちがうよなあ。
 それに,そこは佐薙が知的に高坂を説得する場面で,感情ぶつけるところじゃないし。
 頭と胸(心かな)じゃないんですよ。
 操られていることも知ってるけど,それを受け入れるのは自分の意志ってことだったんじゃないかなあ。
 佐薙って,ここまで論理的なんですよ。
 だから魅力的だったんだけどなあ。
 それから高坂が橋に駆けつけるシーンは,ああじゃないよね。
 佐薙もパニックにはなってるけど冷静に電話してたはずだし。
 何よりクリスマスのシーンは,ちがうんだよなあ。
 銀髪にしていないからもうできないのは分かっていたんだけど,あんな出会いじゃないんだよねえ。
 「どうせ高坂さんは,こういうのが好きなんでしょ」っていうデレが見たかった。
 あと,リハビリの遠出もちゃんと見たかったなあ。
 途中つらいから寄生虫館が楽しいのだし。
 全部入れたら,長くなり過ぎてしまいますけど。

3 最後に

 小説原作でダメな映画って邦画にいっぱいあります。
 そういうがっかりは,けっこうしてきました。
 だから,ある程度はそうかなあと予防線は張っていたんです。
 でも,予想以上にダメだったなあ。
 何でこうなっちゃうのでしょう。
 まあ,1冊を1本の映画にまとめるのが難しいのは分かります。
 でも,少なくとも原作の雰囲気は残してほしいなあ。
 脚本書いた方や監督さんは,原作のよさをどこだと思っていたのかなあ。
 15万部でしたっけ,なんでそんなに売れたのか分析したのかなあ。
 上映会場出る時,「朝一で見なくてよかった」というつぶやきを聞きました。
 気持ち悪い映画っていう印象しか残らなかったらダメだよね。
 この映画を見て,原作を手にする人はまれだと思います。
 原作のファンが見に来ればいいって感じなのかなあ。
 私もそうだし。
 でも行って消沈させるんだったら,結果失敗だと思うのですが。
 まあ,原作とちがってハッピーエンドだったのは,よかったかもしれません。
 原作読んだ時も,佐薙には幸せになってほしいと思いましたし。
 すみません,ずいぶんネガティブなことばかり書きました。
 でも,原作が大好きなんです。
 その思いが強すぎるのかなあ。