私はクローズドフェイスリールが大好きです。
確かに他のリールに比べれば,いろいろとくせが強いリールです。
それでも,釣りを楽しくしてくれる道具です。
今回は,そんなクローズドフェイスリールについて話します。
1 ルアー専用
このリールを初めて知ったのは,「釣りキチ三平」でした。
マンガの中の「釣りコーナー」があり,そこで初心者向けリールと紹介されていました。
とにかく,なんてかっこいいんだと思いました。
今まで見たことがない形だったからです。
このリールがルアー専用だったことも魅力的でした。
ルアー釣り自体がとても西洋的で,垢抜けた感じがしていたからです。
実際には,ルアー釣り以外でも使えるのですが,その近未来的な外見とあいまってルアー釣りのために作られた,と受け取ってしまったのです。
2 かんたん操作
リールという装置の役目は,とてもシンプルです。
糸を出す,糸を巻くという2点だけです。
糸を巻く時は,どのリールでもハンドルを巻くだけです。
このリールの特長は,糸を出す時にあります。
ボタンを押すと糸が出るのです。
ボタンで操るというところが,とてもかんたんでかっこいいと思いました。
釣りをしている時に糸にさわらなくともよいことも,とてもかっこよかったです。
この複雑な操作がまったくいらない点が初心者向けとされているのですが,逆にリールが機械として洗練されているように感じました。
糸を出す,糸を巻くということに関しては,トラブルらしいトラブルはほとんどありません。
3 気をつけること
実際に使ってみるといくつか気をつけなければならない点がありました。
1 ドラグは頼りない
糸が切れたり,リールが壊れたりしないようにドラグという装置がリールについています。
強い力で糸が引かれた時に,ゆっくりと糸を出してやる装置です。急な魚の引きに対応するのが主な役目です。
もちろんこのリールにも付いているのですが,「ドッカンドラグ」です。
ドッカンドラグというのは私の造語ですが,ようする急にジーとでて,急に止まるというそんな感じのドラグです。
本当は,設定した力がかかったらゆっくりと糸を出し始めて,一定の力に対して一定の糸を出す,というのがよいドラグです。
とてもそんな風には動きません。
スプールとカバーの両方に糸が触れて出ていくという構造に原因があるのかもしれません。
このようなドラグなので,繊細な釣りには向きません。
2 決まった糸しか使えない
安いリールは,糸を付けたまま売られています。
クローズドフェイスリールも値段は安いので糸が付いています。
メーカーは,一番そのリールに合った糸を付けています。
普通のリールは,魚や釣り場に合わせて糸を換えます。
クローズドフェイスリールでもそうしたいのですが,そうすると巻き取りトラブルが増えます。
太い糸は巻き取りにくいし,細い糸はくいこみが多くなります。
また,フロロはくせが強いので向きません。PEは糸巻きピンを削るので長期間の使用できないと思います。
結局,ナイロンを使うしかなくなります。
まあ,上下1号ぐらいは変えても大丈夫ですし,ナイロンで困ることもないのですが,他のリールより融通がきかないところがありますね。
3 カバーがあるために
クローズドフェイスリールはカバーが付いているからかっこいいのですが,このカバーのためにちょっと不便なことがあります。
1つは,糸を全部巻き込むと取りにくいことです。巻き込まないように,釣りが終わったら糸の先に何かを結んでおくことになります。
2つめは,整備がめんどくさいことです。海釣りの後には塩抜きをしないとさびるので必ず行うのですが,カバーを外さないとできません。
ワンタッチで外れるタイプはいいのですが,ネジ式は慎重にしなければネジをつぶしてしまいます。
私はリールいじりが好きなので,それほど苦になりませんがめんどうなことは確かです。
このように少々くせがあるリールですが,何よりも使っていて楽しいので,これを選んでしまいます。
気分を盛り上げる道具が一番です。
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