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NISA貧乏って何?

1 NISA貧乏?

3月10日の衆議院の財務金融委員会で、国民民主党の議員からこんな質問がなされたそうです。

「NISA貧乏という言葉、お聞きになったことはありますでしょうか」

それに対して片山財務大臣は、

「ちょっとショックを受けたところです」

と応えたとのこと。

ニュースを読んで、これ何だ???

と「はてなマーク」だらけになりました。

片山大臣ほど、金融財務に精通している方がショック…

なぜでしょう。

全然、意味がわかりません。

2 バランス・シート(貸借対照表)

これは主に若年層が、給与の中から新NISAに多くのお金をつぎ込み、可処分所得が少なくなって貧乏になっているという趣旨らしいです。

この時点で意味がわからないのですが、バランスシート上で現金(というか預金)が有価証券に変わっただけですので、総資産は全然変わってません。

貧乏になってないのです。

財務金融委員会という、おそらくは専門家が集まっている場でなんでこんな議論になるのでしょう。

財布から出るものは、すべて消耗品費ではないし、生活費用でもない。

そこで支出したお金はなくなったわけではない。

なのに貧乏。

いやまあわかりますよ。

財布からお金が減ったら貧乏になった気がするのは。

でも、専門家が集まった場で、こんな感情論話しても仕方ないでしょう。

単に現実を正確に認識していないだけなんだから。

3 家計管理

もし、NISAにお金を使いすぎて、食費他の生活費が足りなくなっているのだとしたら、それはその方の家計管理がおかしいだけなんです。

将来の年金等に希望を持てないから自分で老後資金を貯めている。

それで貧乏になっているっていう文脈なんでしょうけど、それは国が考える問題なのでしょうか。

人のお金の使い方なんて、その人の自由です。

現在を切り詰めて将来に備えたいと思った人がいたとして、批判したり保護したりするのは、まったく余計なお世話です。

その人がそう考えてそうしている、つまりはそういう人生を選んでいるということなので、他人がどうこういう問題ではない。

放っておきましょう。

それが正解だと思います。

家計管理、何にお金を使うかは個人の問題に過ぎません。

3 社会保障の問題

さて将来不安の問題としてみると、NISAで将来に備えて現在の生活が不便になるのはおかしいから、社会保障を充実させようという議論なのかもしれません。

しかしですよ。

これ多分支持されません。

だって、年金の現状がこうなんですよ。

適正な額を社会保障費として預けて、老後にもらうというスキームがもう「破綻」しているのに。

賦課方式になったことで、国民は不安だらけになったのに。

いろいろ理由を挙げてるけど、グリーンピアのことは忘れてませんからね。

さて、NISAは、老後2000万問題があって、個人が老後資金を貯めなくちゃいけないって話になって活用が進められてきました。

まあiDeCoもありますけど、それは今はおいておきます。

国に運用させるくらいなら自分で用意したい。

そっちの方が多数だと思います。

つまり、この質問やこの議論は、いったい何をしたいのか?

NISAという制度がよくないという議論をしたいのか?

現状、NISA制度はよくできた制度で、だからこそ多額を投資している若年層が出ているわけです。

この議論、まったく必要ないですね。

なぜなら、それに変わる社会保障制度を用意できないから。

まあ、金融教育を充実させろって議論になるかもしれません。

それもどうかとは思います。

教育にそんな大きな力はないですよ。

人は価値あると思ってないことを学ぼうとしないし、国民全員が価値のあるなしがわかる人になるということは…確率的にありえませんから。

4 貯金ならいいのか?

さて、これはNISAというか株式投資だから問題に見えるのだと思います。

以前からいたはずです。

貯金をし過ぎている人や保険をかけ過ぎている人。

そういうことがあったとして、貯金貧乏や保険貧乏として国会で話題にされたりすることがあったでしょうか。

というか問題にされる可能性を想像できるでしょうか。

おそらく問題にされないはずです。

貯金はいいことだし、保険もいいものだったからです。

つまりは、投資に対する(しょせんギャンブルだろ)という印象の悪さが背景にあるような気がします。

NISAって金融庁がよく考えていて、ほんとのボッタクリ投資信託は売ってないんですけど。

なんかねえ。

国民民主党の手取りを増やすって、そこを問題にする話じゃないと思ってたんですが、なんかちょっとがっかりしました。

貯金とNISAの違いは、保証と現金化のスピードですが、そんなに心配するほど違いがあるでしょうか。

わたしはほぼないと思います。

まあ、NISAの投資信託(成長投資なら個別株もあります)が全部安心とはいえないですから、超心配の人はやめておいた方がいいですけど。

とにかく。

NISA貧乏なんて言葉を使うのは、金融リテラシーが低いことを表明しているだけです。

財務大臣がそれに「ショック」なんていうと、改悪をたくらんでいるのかなあと痛くない腹を探られることになりかねません。

まさか考えてないですよね。