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【書評】宮前昌弘「空き家を買う。」

1 本書の概要

「ボロ戸建て投資」の入門書です。

最初に伝えておきたいことがあります。

本書は出版社より献本していただきました

ありがとうございます。

このブログもいろいろな方に届いているのだなあ。

しみじみと感動しています。

とはいえ、ですよ。

いくらいただいた書籍であっても手加減なしでいつも通りに好きなことを書いていきます。

なぜなら、それが出版社さんに意思に沿うことになると思うからです。

書きたいことを書くのが、本ブログですので。

よろしくお願いします。

さて、本書に「ボロ戸建て投資」という用語は一切でてきません。

「ボロ」って言葉、いいイメージないですものね。

なのにそう紹介したのは、この方が本書の内容を伝えやすいと思ったからです。

それに「ボロ戸建て投資」という用語は、もう投資界隈では普通に使われています。

ジャンルとして確立されているのですね。

本書は要するに、格安の中古住宅を購入して収益を得るノウハウを伝える本だということです。

さて、「ボロ戸建て投資」には投資という用語が入っています。

しかし、不動産投資は純粋な投資ではありません。

不動産投資は、事業とか仕事とか、そういうものです。

買えば終わりでチャリンチャリンでは決してないのです。

片手間には、できません。

失敗します。

その辺りの具体を、本書ではわかりやすく伝えています。

2 表面利回りと実質利回り

事業であるからには、利益はこの公式から免れることができません。

売上ー経費=利益

不動産事業であっても、これは変わりません。

賃貸住宅をローン買って、家賃から銀行返済を引くと、このくらい手元に残りますよ。

なんて話がありますが、これは表面利回りの話。

不動産ってそんなに簡単じゃないのですね。

経費が思ったよりもかかるのですよ。

修繕費とか、固定資産税とかね。

自宅を持ってる方はわかると思うのですが、家賃がないからただじゃないんですね。

住宅って維持するのに、いろいろとお金がかかります。

それ引いてから手元に残るお金の割合が計算するのが、実質利回り。

そう。

事業として考えれば、この実質利回りこそが大事なんです。

本書では、この辺りをどう書いているか。

すごく具体的に書いていますね。

固定資産税や修繕費、毎月経費など。

そして、不動産といえば許認可。

どういう使い方をすると、どの役所にどんな申請等をしなければいけないかも書いてあります。

筆者は、佐渡と香川に戸建てを購入し、実際に事業をしているようで、この辺りはしっかりと説明しています。

夢と明るい未来しか語らない浮ついた本ではありませんでした。

3 中古住宅のチェックポイント

不動産投資で最も大切なポイントは何か?

購入です。

相場よりも高く買ったら、その時点で損確定です。

どんなに努力しても、残された努力は敗戦処理にしかなりません。

新築ワンルーム投資に警鐘を鳴らしている方は、だいたいこの点を指摘しています。

さて、購入について本書では、どのようなことに気をつけろと述べているでしょう。

インターネットなどで相場を調べることは当然として、購入した後の修繕費について多く述べています。

修繕費も当然初期費用です。

安く買っても修繕費が高くつけば、それは高く買ったのと同じ。

なので、購入前のチェックが大切と述べてます。

まずは、水回り。

台所、お風呂、トイレです。

水回りはシロウトが直せるものではなく、そして高額になります。

配管づまりや水漏れ、湿気だまりの確認は最重要です。

当然、カビも調べます。

カビは水回りと関係してることが多いですから。

次は、シロアリ

柱がスカスカでは、家屋がもちません。

あやしいところは覗いて見るようにします。

それから残置物

残置物とは、前のオーナーが残していったものです。

使えるものがあればいいのですが、ゴミにしかならないものばかりだと処理費用がかかります。

百万の単位になることもあるとか。

驚きです。

こうした初期費用がかからないようなチェックが、中古不動産投資には欠かせないのですね。

3 中古住宅の利用法

中古住宅を手に入れたら、いよいよ収益を目指します。

本書で紹介しているのは、こんな感じです。

1 宿にする。

民泊とか宿泊業をするということです。

古民家体験などで売り出せば、意外といけるのだとか。

別荘体験として売り出すのもいいかもしれません。

2 貸す。

貸家業ですね。

宿泊業よりも1日辺りの単価は下がりますが、借り手が現れれば安定収入につながります。

3 お店にする。

個性的な店舗にして、特産品を売ったりする。

ここまでくると不動産業ではありませんが、お得意様がつけば末永く営業できるかもしれません。

4 売る。

リフォームして転売する。

「クラシックカー・ディーラーズ」のお家版でしょうか。

いまくいけば、大きな利益につながります。

完全な不動産業ですね。

どれもそう簡単にいかなそうです。

魅力的な中古住宅を手に入れることができれば、何とかなりそうな感じもします。

どれも中古住宅が好きな人に向いている仕事だと感じました。

4 総評

★★★★

4つです。

本書のよいところは、具体的なことです。

実際の経験をもとに書いてます。

経費の種類、修繕の種類、DYIでできることと専門家に頼むべきこと。

こういうことがしっかりと書いてある。

しかも、写真が豊富でわかりやすい。

中古戸建て投資業に興味がある方が最初に手に取る本として最適なんじゃないでしょうか。

中古戸建ての利用するアイデアも多くの観点から述べてますし。

それに読んでてワクワクするところもありました。

ただね。

繰り返しになりますけど、戸建て投資は不動産業だからNISAで投資信託を買うような投資とは別ものです。

仕事として取り組まないといけません。

そこをわかって上で取り組む、ほんとうに中古住宅に興味がある、そういう人には最適な本だと思います。