1 本書の概要
新NISA施行後、金利上昇を踏まえた投資本です。
基本的には、日本の個別株購入を解説しています。
インデックス投資派のわたしには縁のない話。
でありますが、日本株も好調ですし、教養として読んでみるのもよいかと思いました。
2 バブルと景気循環
筆者は、30年間の日本経済が冷水だったといいます。
それがコロナ後の金利上昇を経てちょうどいいぬるま湯になると。
このように予想しています。
金利の上昇はこれから起こるとは思います。
思いますが、「失われた30年」の次の時代なのかは疑問です。
どっちかというとアベノミクスの修正だと思うのですよ。
日銀の考え方としては。
なので、アベノミクス前に戻るだけかもしれないと私は考えているのですが。
筆者は景気循環説を用いて自説を補強しています。
この循環説って、経験則っぽいんですよね。
法則的に原理が確立しているわけじゃなくて。
なので、今まではそうだったけどになる可能性がいつでもあるんです。
なので自説の補強に有効なのかなあ。
疑問です。
まあ、日本株が上がるってのは、ある程度当たるとは思いますけど。
新NISAで参加者が増え、資金が流入してますからね。
3 高配当株投資
本書は三部構成です。
最初が筆者の現在の相場観。
二部が投資の基本用語解説。
三部が具体的な株の解説。
三部が株購入者の参考になるのはいわずもがな。
そこでブランド株や高配当株が紹介されています。
わたしの興味を引いたのは高配当株。
なぜか。
高配当株は売らない前提で買う株だからです。
つまり、配当金を利子がわりにもらっておく。
そういう使い方をする株だからです。
売って差額で儲ける株は日々の株の値段が気になって仕方がなくなります。
高配当株の株主は売らない方が多いので、そんなに値動きは激しくありません。
なので心理的に安心感があります。
しかし株は株。
会社が倒産すれば紙切れ。
なのでまったく関心を持たないのもダメです。
それから、高づかみすると資産が減ります。
なので購入前の株価調査は必須。
まあ、それにしてもキャピタルゲインねらいよりはいい感じがします。
もちろん高配当にしているのは、会社側の株価対策なわけで。
株価が急上昇する要素がないと会社側が宣言しているようなものです。
億万長者に成り上がりたい人には向かないでしょう。
本書の高配当株解説は、株の見方を知る上で勉強になります。
シロウトのわたしには分かりやすかったです。
4 総評
★★★★☆
4つです。
株式投資入門書として分かりやすかったですね。
ただ多くの投資本と同じく、自己責任という記載はあるものの明るい未来を振りまいて投資の世界にいざないます。
まあ、投資本になれてる人は、そういうもんだと思って読むので冷静でいられると思いますけど。
あと個別株の説明は、会社の読み方を知るにはいいと思いますが、情報は日々変わるので、この株買えばいいと信じるのはダメでしょう。
そういう目のある人がほとんどだとは思いますけど、まあ念のため。
後ですね。
強調したい文を、グリーンと下線付きにしているのはいいと思いました。
とても読みやすい。
なので自分のブログでも取り入れます。
勉強になりました。
ありがとうございました。