人間関係についての本を読もうと思い一冊選びました。
「人間関係『違い』がわかればうまくいく!」という本です。
読み終えて,このタイトルは少しちがうと思いました。
「違いがわかれば人間関係もうまくいく」
こんな内容の本でした。
とはいうものの,ためになるところも多かったので,感想を交えながら内容を紹介していきます。
この本の趣旨は,自分の本当の能力を引き出す,ということです。
どうやって引き出すのか。
自分自身を知ることによって引き出すのです。
では,どうやって自分自身を知るのか。
トゥルーカラーズという方法を用いるのです。
そうなんです。
この本は,トゥルーカラーズの入門書なのです。
トゥルーカラーズでは,四つの気質で性格をとらえます。
まずはブルーです。
ブルーは人と穏やかに関わり合い,調和を大切にする気質です。
対立を嫌い,他人の気持ちに敏感です。
次にはゴールドです。
ゴールドは周囲に対して誠実であり,秩序を重んじます。
やるべきことを着実に計画的に実行する気質です。
三つ目は,グリーンです。
グリーンは,興味をもったことをとことん追究する気質です。
落ち着いていて思慮深いのですが,人への関心は希薄です。
最後は,オレンジです。
オレンジは人の目を気にせず,どんどん行動する気質です。
刺激的なことが好きで,自分の欲求に忠実です。
人は誰でも,これら四つの色を幾分かずつ持っています。
一番自分に近い色から自分から最も遠い色まで,四色を並べます。
そうすることで,自分がどんな人間であるのかを知るのです。
四つの色,つまり四つの気質には,得意な場面と不得意な場面があります。
自分がこういう場面ではこういう行動をとりがちだ,ということを知っておけば対策を立てることができます。
また,どのような場面で力を発揮できるのかも分かるはずです。
そうやって,自分と自分が置かれた場面を知ることで,自分の能力を引き出していくのです。
敵を知り己を知れば百戦危うからず。
孫氏の兵法のような感じでもあります。
さて,この色による見方は,何も自分にだけ適用するものではありません。
他人をとらえる際にも使えるのです。
他人の長所や短所を知ってかかわっていく。
こうすることで,無用なトラブルが減っていくはずです。
オレンジの人に詳細な計画を立案させてもうまくいきません。
オレンジは,困難場面で先頭を切って取り組ませるのに向いています。
人と人の調整はブルーにお願いします。
しかし,決断が必要な場面はブルーの出番ではありません。
このように適材適所を考えていけば,どうしてあの人はいつも…といった不満を抱くことは少なくなると思います。
結果,人間関係も良好になるというわけです。
そして,個性を認め,違いというものを受け入れることができるようになります。
人間を四つの類型でとらえるなんて,薄っぺらな人間理解だ。
こういう感想をもつ人もいるでしょう。
もし,最初にとらえた見方でずっと見ていくのであればそうなるかもしれません。
でも,人間は成長するし,場面によって強く表れる気質も変わってくるはずです。
自分のとらえを仮説として,検証や見直しをしていくのであれば,薄っぺらな見方とはならないと思います。
私がこの本で一番参考にしたいと思ったことは,他人のとらえ方です。
特に仕事でのつきあいとなると,できないことが目に付き,短所多めで人を見てしまいがちです。
短所があれば,きっと長所もある。
そういう風にとらえることができれば,穏やかな人間関係を形成することができると思いました。
トゥルーカラーズという手法がおもしろいですね。
もっとトゥルーカラーズについて知りたい。
この気持ちが強まっています。