発達障害についての話題も一段落したように思います。
10年ちょっと前から話題となりました。
身近に多くいることが分かり,その特徴も理解されてきました。
さすがの私も詳しくなりました。
さて,一方ある種似ていて見分けがつきにくいものに心の病があります。
精神疾患です。
必要があって精神疾患について調べていますが,知っているようで知らないことばかりでした。
今回は,その中の一つ,統合失調症について話します。
1 特徴
以前は精神分裂病と呼ばれていました。
特徴は,幻覚や妄想という症状が現れることです。
幻覚や妄想という用語は日常的に使われますが,改めてどういうことかと問われると困ります。
幻覚はありもしないことを知覚することでしょう。
では妄想は?
ヤスパースという方が,妄想をこのような定義を示したそうです。
①強い確信を持っていること。
②経験や推測によって内容が揺らぐことがないこと。
③その内容が実際にはありえないこと。
なるほどです。
あり得ないことに対して実証的な証拠をつきつけても信じない,揺るがない。
それが妄想なんですね。
言葉だけでいったら,おかしな信念をもつ人すべてが当てはまりそうですが,おそらくは信じ方が尋常じゃないのでしょう。
分裂している,統合が失われている。
そう感じ取れる状態ということです。
2 他の病気や障害と似ることも
今回初めて陽性症状と陰性症状があることを知りました。
陽性症状とは,妄想を抱いたり幻覚を感じたりしていることで,分かりやすい症状です。
一方,陰性症状とは次のようなものです。
感情が平板化する。
会話が貧困になる。
意欲が低下する。
この症状で統合失調症と分かるでしょうか。
私はこれを読んで,うつ病じゃないの?と思いました。
しかし,幻覚や妄想があって,それから陰性症状に変わっていくのだそうです。
うつ病とはちがいますね。
また陽性症状の方で,他人が自分に害意をもっているという妄想にとらわれ,他人を攻撃するような症状を示したとします。
これはADHDに社会的二次障害の状況に似てないでしょうか。
やはり注意深くみていかないとまちがいが起きそうです。
3 治療中の対応
治療中で大切なことは患者に振り回されないことだそうです。
もう治った。
薬は飲んでいる。
(入院中に)早く帰りたい。
本人の意思を大切にしようとして振り回されることが多いとか。
特に薬をやめたがる方が多く,それが再発につながっているとのことでした。
薬を飲んでいるから病気である。
薬の飲んでないから健康になった。
こう考える方が多いそうです。
まだ薬のんでるんでしょ,じゃあ治ってないよ。
そんな軽率な言葉がけが,このような心持ちにつながるとか。
やはり医師の話をよく聞いて,それにしたがった計画的な治療をすることが大切と思いました。
4 最後に
ADHDで薬が効かないという方は,もしかするとこちらなのかもしれません。
まあ,単に薬を処方どおりに服薬していない可能性もあるのですが。
とはいえ,一見似ているのでついまちがえた対応をしてしまった。
そういうことも,大いにありそうに思いました。
他の精神疾患についても,理解を深めようと思います。
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