一般的に、その人にむいた仕事を天職といいます。
その仕事をするために生まれてきた人。
こういう風に語られることもあります。
大谷翔平選手などを見ると、プロ野球選手が天職なのだろうと感じます。
しかし、天職って簡単にみつからないように思えます。
麻袋の錐はすぐに頭を出す。
というように埋もれていても頭角を現す人はいるでしょう。
でも、自分の適性ってほんとに分かるものなのでしょうか。
こんなことを考え始めたのは、今日こんなことがあったからです。
職場の同僚の話です。
人当たりもよく、控えめだけれども真面目な人がいます。
与えられた仕事もきちんとこなします。
なのですが、人に接するのが苦手というか、真意を上手に伝えられないところがあります。
それが問題となりました。
で、本人も交えて対策会議です。
サポートに人を付けるとか、そんな対策が出されました。
そういうこともやっていくのですが、対処療法で根本解決ではないというような話も出されました。
何てこと言いやがんでえ。
そう言ってしまうと、すべての可能性を否定することになるだろうが。
そんなこと言っても仕方ないでしょ。
と、こんなことをしゃべらずに思っていたのですが、根本解決をするにはどうしたらいいのだろうと考える契機にはなりました。
私が考えた根本解決は職を変えるです。
部署を変えるというのもありますが、そんな大きな組織ではないので、まったく違う仕事というのはありません。
似たような仕事なので、どこを担当しても似たような問題がつきまとうはずです。
とすれば、職を変えるのが一番よいでしょう。
こう思ったのです。
幸いその同僚は若いし、たぶん借金もないだろうし、扶養家族もいない。
思い切って、自分の得意分野が生かせる仕事に変わった方がいいんじゃないか。
人生長いんだし。
と、こんなことを思って会議に参加していました。
もちろん口はつぐんでいましたけどね。
同僚を切るのか。
私の発言で、そんな感情を引きおこしたら大変です。
いやそんなつもりは毛頭なく、まったく本人のためを思っての考えなのですが。
そして、ここから一歩踏み出して、ではどんな仕事が向いているのだろうと考えました。
事務職かなあ、医療看護系かなあ。
営業はないなあ、でも店員ならいけるかも。
とまあ、不謹慎にも人の人生を勝手に想像していたのですが、翻って天職ってあるのかな?という思いにいたったわけです。
同僚のことはさておき、自分は今ついている職業が天職と思ったことは一度もありません。
まったく向いていないとすら思います。
今の職の仕事の中で、中心となる一部は向いていると思うのですが、いかんせん向いていない業務がありすぎる。
と考えて、私やこの同僚も含めて、世の中の人、大なり小なりそうなんじゃないかという考えに至ったのです。
天職を求めて転職。
そんなこと簡単にできるわけないよなあ。
やっぱり、会議中黙っていたのは賢明だったようです。
天職なんて簡単にみつからないし、本当にあるのかも分からないし、そんなもの口に出したら、助言じゃなく暴言になるでしょう。
仕事選びも妥協が必要ということなのかなあ。
などと考えているうちに会議は終わり、対処療法を中心に対策することになりました。
よかったのかどうなのか。
同僚にとって、この対策が有効なのかどうなのかは、やってみないと分かりません。
でも、この対策によって、同僚が悩みがこれ以上大きくならないことを願います。