1 本書の概要
書名の通り、税理士さんが定年前後に得することを教えてる本です。
ライフプラン・セミナー受講依頼、この手のことが気になってます。
本書は、退職金、年金、社会保険料、失業手当、相続等とについて、得するポイントを説明しています。
わたしが気になったのは退職金。
お得というのは、税金のことだと思うのですが、どうすればいいのかを読み取りました。
2 退職金の税金
退職金にも税金はかかります。
当たり前ですが悲しい。
退職金の税金を求めるには、課税退職所得金額を求めなければなりません。
つまり、退職金は全額に税金がかかるのではなく、控除されるお金があるということです。
設定として、20年以上勤務した方を考えます。
控除額の計算式はこの通り。
800万円+70万円×(勤務年数ー20年)
30年働いたとしましょう。
そうすると、1500万円が控除されます。
仮に退職金が2000万円だとします。
そうすると課税退職所得金額は500万円、ではなくてですね、これに2分1を掛けた額です。
つまり250万円。
これに所得税の税率を掛けます。
250万円の税率は10%、なので25万円になります。
ここからさらに控除額を引きます。
課税退職所得金額が250万円の場合は、9万7500円。
計算すると15万2500円になります。
これで終わりかと思うとまだあります。
この額に、この額の2.1%を加えたものが税金になります。
15万2500円+3202円(1円未満は切り捨て)なので、15万5702円となります。
あ~、めんどくさかった。
これは国税なので、住民税が別にあります。
住民税はおよそ10%なので、25万円。
合計すると40万5702円
ようやく求めることができました。
ともかくですよ。
2000万円の1%は20万円。
なので2%ちょいの税金になるということです。
つまり、退職金の税金はかなり優遇されています。
もちろん退職金が高額になれば税金もあがるのですが、金利とかにざっくり20%の税金がかかることを考えれば、かなりお得であることが分かります。
老後に使う金だからということで、優遇されてきたんですね。
(この計算、税金に詳しくないシロウトがしているのでまちがえたらごめんなさい。)
3 iDeCoの場合
iDeCoは3種類の受け取り方があります。
一時金として受け取る場合。
年金として受け取る場合。
一時金と年金を組み合わせて受け取る場合。
一時金とは退職金と考えてよいです。
つまり、iDeCoのお金も退職金に加えて受け取ることになります。
税金は退職金ルールが適用されます。
年金として受け取る場合は、年金のルールとなります。
これは雑所得扱いになるので、税額が上がることが多いです。
なので、個人によっては違うのですが、一時金として受け取った方がお得な方が多いとのこと。
まあ、組み合わせたパターンはいろいろルールが変わる場合があり、ちょっとここではまとめきれません、ごめんなさい。
iDeCoには卒業試験がある。
なんていう人がいますけど、確かにこれは「試験」並ですね。
4 総評
★★★★☆
わかりやすかったです。
ただ、これ1冊ですべてが分かるというより、これをきっかけに自分で調べるという動機づけになる本でした。
こうやって頭を使うことで、ボケ防止にもなるかなあ。
手元に置いて紐解く系の本です。
一度、お目通しをおすすめします。