伊藤絵美さんの「セルフケアの道具箱」を読了しました。
後半も,自分を助けるための有益な方法が書いてありました。
要点を紹介します。
1 コーピング
コーピングとは,ストレッサーやストレス反応に対して,何らかの対処や工夫をすることです。
つまり,ストレス対処法です。
前に紹介した書き出すこともその一つです。
おもしろかったのは,もう一人の自分に語りかけるというコーピングでした。
これ本田圭佑選手のリトル・ホンダみたいだなあと思ったのですが,確かに思い悩むよりも自分で自分と対話することの方が楽な気がしました。
会話で考えることですね。
問いと答えのような展開や嘆きと励ましのような展開など,様々な形式が考えられます。
深刻になりすぎないのではないかと思います。
2 スキーマ
次にスキーマ療法が紹介されていました。
心理学にとってスキーマは,発達心理学や学習心理学の用語です。
定義は,論者のよって細部が異なるのですが,個々の知識だと思ってください。
ここではそれで十分です。
セルフケアの分野で取り上げているスキーマは,心の奥底にある信念や思い込みのようなものでした。
例えば,自分は役立たずだとか人に好かれないとかです。
我慢すればよい,何事も完璧にしなければならないとかもそうです。
マイナスのスキーマばかり取り上げましたが,中にはプラスのものもあるのだそうです。
しかし,ストレスに苦しんでいる人のスキーマはマイナスのものが多いでしょう。
このスキーマへの対応はやはり自覚すること。
今,スキーマが出ているなと感じることです。
次に,スキーマはこの世の真実ではなく,思い込みに過ぎないことを思い出すことです。
そのことでスキーマの呪縛から逃れることができます。
3 呪いの言葉
呪いの言葉とは恐ろしいですね。
マイナスのスキーマのことを佐藤さんはこう言っています。
そして,先の方法をもっと進めた対応策をいくつか紹介しています。
まずは,呪いの言葉にマインドフルネスを実践するです。
呪いの言葉を観察してみるのです。
または,呪いの言葉を紙に書いて捨てるなどを繰り返す。
呪いの言葉どおりの生活を想像して,幸せになれないことを実感する。
健全な誰かに助けてもらうイメージをする。
そして,呪いの言葉に対抗する希望の言葉を作り出す。
希望の言葉とともに生きていく。
こうして呪いの言葉を乗り越えて行くのだそうです。
4 内なるチャイルド
最後に,ほんとリトル・ホンダじゃないですけど,自分の中に内なるチャイルドを作るそうです。 内なるチャイルドと対話し,ケアし,励ましていく。
そうしていくことで心に活力を取り戻していくのだそうです。
この本は,セルフケアの実践本で,読んで取り入れやすい方法もあるし,取り入れにくい方法もあると思います。
人やストレスにもよるでしょう。
しかし,心に活力を取り戻す実践法を紹介している本としてよくできていると思いました。
やってみよう!
そう思えることもありました。
なので,心が弱っている,落ち込んでいる人におすすめします。
一気に読めるし,読むだけでも元気が出ますよ。
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