本とかファイルとかの紙類って,油断するとどんどんたまります。
本の整理や入れ替えをすると,本の重さやかさばりぐらいにびっくりします。
わたしは,月に数冊を読むくらいで,しかも新書や文庫がほとんどでしたから,たいしたことないと思っていたのですが,いざ引っ越しとなった時,自分が持っていた本とかファイルとかに,本当に嫌になりました。
腰がどうにかなりそうでした。
一時期,まくら元に重ねていたら,どんどん押し寄せてきて,生活空間を奪い取らんばかりでした。
おそるべき増殖力です(片付けが苦手なだけとか,そういうツッコミはおいておきます)。
1 紙類をデータに
もう10年ぐらい前になりますが,ついに片付けを決心しました。
しかし相手は本,ゴミではありません。
いつか読み返すかもしれないという気持ちが捨てられませんでした。この当たりの優柔不断さがわたしのだめなところだと思います。
いろいろ考えた結果,スキャナーで取り込んでから捨てることにしました。PDFにしておけば,いつでも読み返せると思ったのです。
早速,量販店に行ったりカタログをながめたりして,目的に合うスキャナーを探しました。
購入したスキャナーは,富士通のスキャンスナップです。
これはA4判の裏表を連続で取り込むことができるという点に心ひかれました。
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使ってみると,べんりべんり。
あっという間に大量の資料がPDFになりました。
こんなに簡単に取り込めるなんて。ちょっと感動しました。
でも,使いこなすには,少し注意が必要でした。
設定を標準のオートにしておくと,日焼けをカラーと認識したりするのです。
取り込む紙の質によって,設定を変えるようにしました。
また,A4版ではほぼ問題がないのですが,文庫本など小さな紙を取り込む場合には大きさを誤認することがありました。
この誤認の面倒くさいところは,すべての紙を取り込んだ後に見てみないと誤認かどうかが分からないことです。
50枚の内の,3枚目と17枚目が誤認されているなんて修正するのも嫌になります。
そんな点に不満を感じたとしても,どんどん紙が減るメリットに比べればたいしたことはありません。
ちょっと高かったけれど,いい買いもをしたなあと満足していました。
2 電子書籍ユーザーに
本の買い方も変えました。
新しい本は電子書籍で購入することにしたのです。
購入前は電子書籍に,読みにくいだろうとか,サービス停止になったらもう読めなくなるとか,不安がいっぱいありました。
しかし,利用してみるとこんなべんりなものはありません。そして,専用リーダーの使いやすいこと使いやすいこと。
出かける時は必ず携帯していたくらいです。
図案が多いものなどは,画面が小さいので読みにくいという短所はありますけれど,省スペースかつ携帯性抜群という長所の前には,もう紙に戻れないという感じです。
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こうして本棚の断捨離はすすみ,学生の頃から使っていたものをはじめ,いくつかの本棚を処分するにまでなりました。
部屋が広くなりましたね。
3 データにしたものの
取り込みをしていてふと気づいたのですが,取り込んだ資料や本を読み直すことがほとんどないのです。
何冊かは後から参照したことがありますが,ハードディスクにある紙資料だったものの99パーセントは開いたことがありません。
おそらく今後も開かないのではないかと思います。
であれば,取り込む労力など使わず,えいと捨ててしまえばよかったのではないか。
とも思うのですが,時を巻き戻したとしても,やはりあの時スキャナーを買ったと思います。
やっぱり知識はとても大切なものだし,それを与えてくれた本をポイと捨てるという気持ちにはなれなかったでしょう。
読んだ中身が全部記憶となってくれたら,こんなにいいことはないのですけれど。
紙類の断捨離に一段落し,今ではあまり使わなくなったスキャナーですが,こちらも捨てずに部屋の片隅においてあります。
ちょっとした思い出の品のように感じることがあるので,決断できないでいます。