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劣等感を克服するには

 今回は劣等感の話をします。
 劣等感は,相手より自分が劣っていると考えやる気がなくなってしまうという感情です。
 劣等感をもつことには,どんなマイナスがあるのでしょう。
 劣等感は,行動を起こす力を奪います。
 躊躇し何もしなくなるのです。
 簡単にいえば,生きる意欲を削いでしまうのですね。

 この劣等感は,学習性無力感と関係しています。
 学習性無力感とは何でしょう。
 これは行動しても変わらないという思いです。
 どうせできない,実現しないという思いです。
 元々は条件付けの実験から始まりました。
 犬に電気ショックを与えると逃げようとします。
 当然ですね。
 しかし,何をしても逃げられないようにして電気ショック与えます。
 ちょっとかわいそうな実験です。
 このような状態が続くと,犬はしだいにあきらめるようになります。
 そして,逃げられるような状態して電気ショックを与えても逃げなくなるのです。
 この状態が,学習性無力感を獲得した状態です。
 何をやってもダメだ。
 と現状を受け入れてしまうのですね。
 劣等感は,この心理状態とよく似ています。

 そして,心の中の上下関係もこれみ大きく関係しています。
 嫉妬の反対の向きですね。
 自分の方が相手よりも能力が下である。
 なので,とてもかなわない。
 こういう考えです。
 能力の上下認識は,おそろしいですね。
 心に壁を作り,行動を制限してしまう。
 そして,最後には生き方までも決めてしまう。
 まったくもっておそろしいものです。

 さて,能力が下だからといって,挑戦してはいけないなどということはありません。
 どんどん挑戦すればいいのです。
 しかし,現実にはそういうわけにはいきません。
 一度劣等感にとらわれてしまうと,どうしても二の足を踏んでしまいます。
 後一歩がでません。
 では,どうすればよいか。
 対策は,他人を意識しないことです。
 もっといえば,コントロールできないことを意識しないことです。
 相手と比べたところで,相手をコントロールできません。
 コントロールできることはあくまで自分です。
 だから,相手のことは考えずに自分がどうしたいか,どうなりたいかを考えるのです。
 仮に失敗したとしましょう。
 失敗したからといって,相手がますます優れた存在になるわけではありません。
 関係ないのです。
 失敗したら失敗を受け入れて次の準備をするのです。
 次に,楽天的に考えることです。
 転ばぬ先の杖。
 用心や準備が大切なことはいうまでもありません。
 しかし「たぶんできる」「なんとでもなる」「きっとうまくいく」と考えることで一歩が踏み出せます。
 行動しなければ変わりません。
 まずは自分から動くことです。
 そのためにも,楽天的に考えることです。
 準備は必要ですが,きっと失敗するとマイナスの感情にとらわれることはありません。
 準備は準備,結果は結果。
 明日は明日の風邪が吹く。
 脳天気は困りますが楽天はいい結果をもたらします。
 失敗したとしても,それを他人との比較でとらえない。
 こういうことが劣等感を打ち消すことにつながります。

 嫉妬や劣等感は,他人をどう認識するかから始まる感情です。
 ここをどう考えるかですね。
 次は,他人のとらえ方について考えていきたいと思います。