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改善はシンプルに

 PDCAサイクルという用語をご存じでしょうか。
 これは経営学での業務改善の手順を表したものです。
 Pはプランです。
 計画を立てることを意味します。
 Dは実行です。
 計画にしたがって実際にやることを意味します。
 Cはチェックです。
 実行したことが計画に合っているかを確かめることです。
 Aはアクトです。
 業務を評価し,計画を改善します。
 このサイクルを繰り返すことによって,仕事が効率的に最適化していくという考えです。

 このサイクルを聞いたのは30年も前のことです。
 ただし,最初に聞いた時はPDCAではありませんでした。
 PDSと教えられたのです。
 Sはシー,「見る」です。
 実行した結果を見て反省することでした。
 この時,なるほどと思いました。
 サイクルも分かりやすい。
 反省を生かして計画を立てるのです。
 無駄がありません。
 きれいにまとまっているなと思いました。

 それで,しばらくするとSがCとAに別れました。
 実は,未だにこのCとAを分けた理由が分かりません。
 英語に詳しいわけではありませんが,Actは動くこと,行動することでしょう。
 改善はImproveとかそういう単語じゃないかと思うのです。
 大学入試くらいの英語力でどうこういうのはおこがましいと思うのですが,これは本当に合っているのでしょうか?

 単語が適しているかどうかなどは些末なことです。
 それよりも問題なのは,CとAが入ったことでサイクルが成立しなくなったのではないか,ということです。
 考えてみてください。
 サイクルとして動かすのであればAとPの内容が重複しませんか。
 計画を立てるのに,前の反省を生かさないで立てる人はいないでしょう。
 まさか,プランってできあいの計画案をどこかから持ってくることではありますまい。
 計画というからには,その事業に合ったものた作るのだと思います。
 では,そこで計画立案する際に,前に行った事業の反省を生かさないのでしょうか。
 そんなことはないでしょう。
 結局,AでしていることをPでもう一回することになるのです。
 無駄ですよね。

 最近,PDCAにもう一つアルファベットを加えたものを見ました。
 RPDCAだそうです。
 Rとは何か。
 リサーチだそうです。
 つまり計画を立てるために調査をするのだとか。
 もうサイクルをあきらめていますよね。
 RPDCAは,一回通してやっておしまいです。
 絶対Rに戻ってくることはありません。
 RがあるとすればCでは一体何をしているのか?
 同じことを違う言葉でいっているだけではないのか?
 そう思います。

 私の結論は,CもAもRもSでよかったということです。
 結局やることは反省なんですから。
 反省の中身を細かく分類したい。
 ならSはそのままにして,Sの中身を詳しくすればよい。
 前の論者との違いを出したいだけなのかもしれませんが,無駄に複雑にしているだけだと思います。
 こういうことって,この他にもいっぱいあるような気がします。
 今日,PDCAでの業務改善とか何とかの話を聞いたので,思ったことを書きました。
 でも,みんな同じことを思っていると思うけどなあ。