1 本書の概要
内科のお医者さんによるメタボ対策の本です。
わたしも健康診断でメタボと診断されている一人です。
健康になりたいなあ。
というわけで「最速」という言葉にひかれて本書を読みました。
お医者さんの書いた本だけあって、眉つば民間療法的なことは書いてません。
印象に強く残ったこと4つを紹介していきます。
2 大事なのは1日の総摂取カロリー
朝ご飯を抜くのはよくない。
寝る前に食べるのはよくない。
こういう話をよく聞きます。
奥田先生によると、こういうことよりも大切なことがあるのだとか。
それは、1日の総摂取カロリーです。
1日で取り過ぎれば太るし、少なければやせる。
この原則は変わらないとのこと。
朝食は、江戸時代までは朝昼兼用で2食だったそうです。
それで不健康になった人もいなかったので、朝食べないから悪いということはないとのこと。
夕食が遅いとレプチンの働きが弱まるとかDITが低下するとかいろいろな説明があるそうですが、はっきりとはわからないとのことです。
そんなことを気にするより、食べ過ぎを気にした方がよいとのことでした。
確かに、時刻で変わる割合よりも食べ過ぎの方が効いているように思えます。
3 よい油はあるのか
油は不飽和脂肪酸が多くコレステロールの合成を高めないことは確かです。
しかし、よく考えて見れば50歩100歩。
どの油も同じようなカロリーを持ち、取り過ぎれば太ります。
ラットに脂肪を与えると内臓脂肪が増えますが、油を与えると脂肪肝になるのだそうです。
つまりは、体によい油というのは幻想で、どの油も取り過ぎれば太るというシンプルな原理が働いているのだそうです。
油で健康にはならないんですね。
4 アルコールは危険
寝る前に少しお酒を飲んだ方がぐっすり眠れる。
などなど、お酒にかかわる多くの説があります。
しかし、メタボという観点からいうと、お酒はお酒。
どれも体によくないのです。
醸造酒と蒸留酒のちがいなどないに等しいそうで、意味があるのはエチルアルコールをどれだけ摂取するかだそうです。
ワインは体によい。
という説もあり、根拠はポリフェノールだそうです。
しかし有効な量のポリフェノールの摂取するには、ボトル3本飲まないといけないのだとか。
ポリフェノールがどうこうよりも、アルコールでどうにかなってしまいますね。
ちなみにポリフェノールはワインと同じくらいコーヒーにも入っているそうです。
5 運動しないダイエット
ダイエットの基本は食事と運動。
なんですが、運動はつらいもの。
ついつい食事だけでダイエットをしてしまいます。
ちまたには、○○でやせるといった食事ダイエット本もいっぱいあるし。
しかし、これは問題です。
筋肉減少性肥満になってしまうからです。
筋肉減少性肥満とは何か?
太ったようには見えませんが、筋肉が脂肪に置き換わっている肥満です。
この肥満は、メタボリックシンドロームよりも生活習慣病のリスクが上がります。
おそろしい。
1日3000歩増やすだけでよいのです。
少し早足で歩くだけでいいのです。
ラジオ体操をするだけでいいのです。
できる運動をしてやせることにしましょう。
6 総評
医学的根拠のあるお話は説得力がありました。
いかに俗説に毒されていたことか。
結局は、楽な方を信じたい、信じたいから確かめない。
こういう心理でまちがった方法を行ってしまうのでしょう。
無理なく運動と食事制限をする。
その基本の大切さを実感しました。