マンガ家中崎タツヤさんのエッセイです。
断捨離が一般的に理解されるようになり、かくいう自分も取り組んでいますが、中崎さんは一味違います。
本当に最低限のものしか持たないのです。
冒頭に仕事場として借りている部屋の写真があるのですが、本当に最低限のものしかということ、何もないといってもいいくらいものがありません。
マンガを描く机は、学校で使う勉強机のサイズです。
それに丸いす、背もたれがいらないとのことです。
後は横になるときの手作り枕、掛け布団代わりのシュラフ。
掃除機とごみ袋。
マンガを描く道具。
もう少しありますがこんな感じです。
来客が、不動産屋の内見に来たみたいだと言ったそうですが、人が住んでいる感じがしない部屋です。
中崎さんは、捨てるのが習慣というか、強迫に近くなっているのかもしれません。
例えば、ボールペンのインクが少なくなると軸を短く削るとか、文庫本で読んだ部分は破り捨ててだんだん薄くするとか。
こういうのは、使い終えていらなくなったら捨てればいいのですが、待てないのでしょうね。
自宅は奥様の許可がいるので、思い通りにはいかないそうですけど、徐々に理解されて捨てているとのことです。
ちょっとうらやましい感じがしました。
私も相当ものは捨てましたが、それでも捨てられなくて残っているものがあります。
主に趣味のものなんですが。
これも中崎さんのように、思い切って捨てられたらと思います。
銀行口座が一つしかないというのも、いいなあと思いました。
私はこれも減らしたんですが、それでも4つ残ってます。
どれか一つにしたいのですが、サービスが微妙に違っているので、これ以上減らすのは難しい感じです。
銀行引き落としが○○銀行ではできないとかがあるんですよね、田舎だからなのか。
全部クレジットにしてくれたら楽なのにと思います。
中崎さんのエピソードでいいなあと思ったのは、パソコンを捨てた話です。
元々手書きだったマンガを技術の進展に合わせてかパソコンで描くようになったそうですが、ケーブルとか機材とかがじゃまになって全部捨てたそうです。
背景を描くための資料も、パソコンに取り込んだのだそうですが、それも捨てたのだとか。
そして、今は手書きで編集部に郵送しているのだとか。
ここまでくると、もう尊敬ですね。
私は、このブログが趣味になっているので、ちょっとパソコンは捨てられません。
スマホはメモや下書きはいいんだけど、文章にするには非力ですし。
そのためにキーボードを買うのも違うかなあと思っています。
私も、いろいろな資料をパソコンに取り込んではいるのですが、まず見ません。
なので捨ててもとは思うのですが、決心がつかない感じです。
一生かかっても中崎さんの境地には立てないだろうなあ。
それはそれでいいと思ってはいるのですが。
さて、断捨離を進める人はこの本をぜひ読んでほしいと思います。
私の思っている断捨離と違う。
そういう意見もあると思いますが、一つのスタイルの極限として参考にしてはどうでしょう。
少なくとも、私は目からウロコが落ちました。