人間はしょっちゅうウソをついています。
人間などと格好つけなくても、自分がウソをついているのは間違いありません。
料理の味、テレビ番組の感想、相手の実績、枚挙にいとまはありません。
本音っていったらいったで問題ですから。
受け取られ方が悪いともうどうしようもありません。
そんなわけで、日常生活では実害のないウソは見逃すのが普通になっています。
しかし、世の中には危険なウソもあります。
取り返しのつかないってやつです。
今回は、そんなウソに引っかからないでウソを見抜くことを題材とした本を読みました。
「しょっちゅうウソをつかれてしまうあなたへ」という本です。
けっこうおもしろい本でした。
印象の残った一つ目は、子供は正直と思っている人は子供を知らない人だということです。
いやはっきりいうなあ。
ちょっと感心しました。
実際、研究によれば驚くほど小さく頃からウソをついているとか。
まあ、子供時代を覚えていれば子供は正直なんて決していえないと思いますけど。
大人と子供の違いは、巧妙にウソをつくかどうかだといいます。
巧妙というか、まあ悪い心が増えてきてるんですよね。
印象に残った二つ目は、ウソの分類です。
ウソはいくつかの観点から分類できます。
相手を責める攻撃的なウソ、自分や誰かを守ろうとするウソ。
ウソには動機が必要で、なければただの間違いです。
ウソをつく理由を考えることは、ウソを見抜く第一歩です。
この動機が自分本位だと、ろくなことにならないのはご承知の通り。
印象に残った三つ目は、ウソの見抜き方です。
ウソは表情に表れます。
表情を作る前の瞬間に注目するとよいとのことです。
目を見れば分かるは迷信だそうです。
正直者でも相手の目を見て話す人は多くないとのことでした。
それで、分かりやすいのがまばたきです。
回数が多いとウソの確率が高いそうです。
ウソは体にも表れます。
ウソつきは言葉の練習をするが、ボディランゲージの練習はしないとのこと。
動きを読むことが大切になるわけです。
ぎごちなかったり、左右非対称だったり。
どこか不自然な動きをします。
自然な動きはとっさにはできないのですね。
不自然な動きは、作ろうとした動作に失敗していることを表しています。
ウソを確かめる質問に対する返答にも注意がいります。
総じて、ウソつきは質問に正対しません。
条件をつけた回答や過度の一般論、逆の質問などで答えます。
なぜか。
あとで言い逃れできるような表現を選んでいるのですね。
一時期話題になった○飯論法などに似てくるのでしょう。
まああれは、ウソというより屁理屈でしたけど。
こういうところがウソを見抜くポイントとなります。
しかし、著者もいってますが、ウソを確実に見抜く方法はありません。
ウソと気づく確率を上げるだけなのです。
とはいえ、こういうウソについての基本的な情報は知っておいて損はないと思います。
全体を通して、興味深い情報が得られる本だと思いました。
ウソを見抜くために使うか、上手にウソをつくために使うか。
本書の使い方は読者しだいです。
おもしろいので読んでみてください。