田舎暮らしにあこがれる。
雑誌とかの特集で、こういうものをたまに見ます。
一方、田舎は人間関係が濃密でめんどうだ。
こういう声もよく雑誌に載っていました。
さて、私はまごうことなき田舎に住んでおります。
そこで、実際に住んでいるものから田舎暮らしについて話したいと思います。
まずは、たぶん一番知りたいであろう、人づきあいからです。
1 人づきあい
田舎は人が少ないので、顔見知りが多いというのは本当です。
会う人決まっていますから。
それで、人間関係が濃密かというと、昭和ほどではありません。
理由は、仕事が別だから。
今は田舎といっても農業、漁業を生業としている人は少ないです。
多いのは勤め人です。
会社員ですね。
昔はなんで人間関係が濃密だったかというと、共同で仕事をしていたからです。
その辺は、会社の同僚と一緒です。
で、使うリソース、農業なら水とか、漁業なら漁場とかを公平に分けなきゃいけない。
だから、調整する役も必要だし、調整のルールも必要。
ということから自由度が下がっていくというわけです。
しかし、今や会社員がほとんどで、農業・漁業も完全兼業というかヒマならやるぐらいのレベルです。
ガチでしている方は少数で、その人たちの世界に兼業者は入れませんからね。
というわけで、四六時中顔つき合わせているわけでもなく、ほどほど感があります。
ただですね。
道路の草刈りとか海岸清掃とか、そういう共同仕事はあります。
これは、自治会で割り当てられるので、当然参加しないといけません。
それと自治会の区長とかも持ち回りです。
チラシ配ったりするのが主な仕事ですけれども。
うちの地区は祭りとかがないので、楽かもしれません。
こういう仕事はやっぱりあります。
あと、父親も定年で仕事をやめたら自治会の役員をあてがわれました。
これはフルタイムの人は難しいので、やめたら誰かがやる感じです。
今は定年が延びているので、もしかするとそういう人に頼むことも難しくなるかもしれないですね。
農漁業も含めて、自営業って減っています。
時間の自由な人は、案外少ないんです。
2 もらいものとお返し
野菜とか魚とかもらうこともあります。
当然、これも釣り合うものを返します。
こういうところは、農漁業をやっていない人にはめんどうだと思います。
そういう人は、盆暮れ的な時期に菓子折とか酒とか送っている感じです。
もらってすぐ返すっていうのはないのですが、トントンになるようには気にしていますね。
ただ、これも自分の親の代までという感じで、今はかなり少ないと思います。
そもそも私たちの代は兼業でしていますなんて恥ずかしくていえないくらい低レベルの農漁業しかしていないので。
なので、どんどん減ってきていますから、気にすることありません。
もらったら覚えておいて返すくらいの感覚でいいと思います。
3 うわさ話
人のことを気にする人はいます。
しかし、それは田舎に限らずどこでもあることでしょう。
昔は目立つと陰口をされたこともあったようですが、今は生活も収入も別過ぎて比べることがないというか、比べても仕方ないというか。
まあ、陰口好きな人とはあまり関わらないようにしていたらいいと思います。
そのくらいです。
4 その他
私の地区は、震災で地域がリセットされたようなところがあって、昔ながらの田舎とは雰囲気が違ってきているのかもしれません。
新しく住宅地が作られて、そこに移り住んだ人が多いのです。
元の地域の人と、とはなっていますが、隣が隣になるわけではないので、ほんとリセットした感じです。
その上、人口減で若者・子どもが少なく後期高齢者がどんどん増えているので、いじわるな年寄りみたいなのはもういなくなりつつあります。
そんなことしても生活できないですし、後期高齢者になると別な意味で誰かのお世話になっていますから。
なので田舎の、例えば分譲住宅みたいなところに住んだら、人づきあいで悩むことは少ないと思います。
古民家みたいなのは売りに出ていないし、そういうところに住むと人づきあいよりも家屋の維持的な点の方がはるかに難しいと思いますので。
震災で古い家がだいぶなくなったのもあります。
ということから田舎の人づきあいも、だんだんとあっさり方向に変わってきています。
人づきあい・近所づきあいの質は、地区というより人で決まるので、田舎も都会もあまり関係なくなってきました。
気にするほどではない、と思ってます。