ロッテの佐々木朗希選手すごいですね。
パーフェクト・ゲームを達成しました。
ストレートで押して,フォークでしとめる。
正に本格派ですね。
私は野球をちゃんとやったことはありません。
でも,野球マンガは好きでした。
初期の野球マンガには,必殺技がありました。
魔球です。
あり得ない変化をするボールです。
それに憧れていろいろな変化球を投げてみました。
おもしろいですね。
いろいろやってみて,分かったことがあります。
世界は物理の法則に支配されている。
このことです。
世界って,ほんとよくできています。
さて,変化球には2種類しかありません。
回転する変化球と回転しない変化球です。
これしかないのです。
回転する方は,いろいろな名前が付けられています。
直球,カーブ,シュート,スライダー…。
ほんといろいろな名前があります。
でも,これらはみんな一緒なんです。
曲がる方向や曲がる量が違うだけで,どれも回転する方向に曲がっていくボールです。
ほんとこれだけなんです。
なぜ,回転する方向に曲がるのか。
マグヌス力とかベルヌーイの法則とかいろいろな説明がありますが,小学生のころの私はこんな風に理解していました。
回転する球を正面から見ます。
半分は進む方向に向かって回転してきます。
半分は進む方向と反対に回転していきます。
進む方向に回転する方は空気と強く当たります。
進む方向と反対に回転する方は空気の当たりを後ろに受け流します。
強く当たる方が力を大きく受けるのでその反対側に押されていきます。
それで曲がっていくのだろうと。
こう考えていました。
圧力がどうとかの説明よりは,こちらが私には分かりやすかったのです。
圧力って結局分子が当たる強さの総量ですから。
回転して曲がるボールにどうしてこんなに名前が多いのか。
それは投げるピッチャーの感覚や投げ方によるんですね。
カーブとスライダーは同じ方向に曲がります。
回転の方向は同じです。
しかし,この二つを同じといっている人はいません。
それはカーブが遅いからです。
カーブは力が入りにくい投げ方をします。
スライダーは力が入れやすい投げ方をします。
なので,投げ方がまったく異なるから同じという感じがしないんです。
でも,いってしまえばそれだけ何です。
本質的には同じ理屈で変化しています。
もう一つの回転しないボールですが,これにはフォーク,ナックル,パームそれからある種のチェンジアップも入ります。
これは,落ちるという言葉で説明されますが,別に積極的に下に向かって変化していません。
重力加速度にしたがって落下しているだけです。
加速度運動ですから時間がたてば,どんどん速く落ちていきます。
私たちは上向き回転で投げられたボール,いわゆる直球に慣れているので,ただの重力による落下を落ちていると勘違いしているのです。
それからこれらのボールは揺れることがあります。
野球のボールには縫い目があり,無回転だとその縫い目程度の空気抵抗の違いが微妙な変化を与えることがあるのです。
といっても,野球のボールよりも密度が低いバレーボールやサッカーボールの方が無回転での揺れ方が大きいですけれども。
野球マンガに出てきたあり得ない変化をする魔球は,この2種類のどちらにも入りません。
だから,投げようとしても物理的に無理なんです。
夢がないなあと思います。
このように物理的には解決済みである変化球ですが,それでもまだおもしろいと感じています。
上手に投げられるかどうかはまた別の問題ですし,なるべく投球フォームを変えないで投げるのも難しいからです。
なんというか,技術を追究するおもしろさですね。
もうボールを投げるのも一苦労な年齢ですので,自分が投げるのではなくプロが投げるのを見て楽しんでいます。
佐々木朗希選手のフォークは見てておもしろいですね。
ここには物理を超えた楽しさを感じています。