ギスカブログ

 読書しながらスモールライフ「ギスカジカ」のブログ

ベイトリールはマグブレーキが好き

ベイトキャスティングリールは、構造上ブレーキユニットをつけていないとバックラッシュという糸がらみがおきます。

バックラッシュの原義は反動などですが、リールの場合は回転しすぎたことにより糸が過剰に出てからまることをさします。

これは、電源コードのリールドラムでも起きます。

過回転で糸がふくらんでからむやつです。

からまらないためには過回転を防ぐのがよい。

ということでブレーキが必要なのです。

このブレーキにはいくつかの種類があります。

現在は3種類にまとめられます。

一つは渦電流発生を利用したマグネットブレーキ。

二つ目は遠心力を利用した遠心ブレーキ。

三つ目が回生ブレーキを利用したDCブレーキです。

三つ目のDCは、高級リールにしかつかわれていないので、まだ主流といえるほど普及していません。

主流といえるのは、マグネットブレーキと遠心ブレーキです。

それで、どっちが好きかというと、私はマグブレーキが好きです。

一般的に人気なのは遠心ブレーキです。

別に反主流を気取っているとかじゃなくて、これには理由があります。

これを説明するには、なぜ世間では遠心ブレーキが人気なのかを最初に話すのがよいでしょう。

遠心ブレーキには、支持されるだけの長所があるのです。

遠心ブレーキの長所、それは遠くに飛ばせるということです。

遠心ブレーキは、スプールの回転が上がると強く効き、回転が下がるとごく弱いブレーキになります。

このことで、着水直前に伸びるような感じがあり、仕掛けを遠くまで飛ばせることができるように感じます。

実際に遠くまで飛んでいるかというと計測してみないと分からないところもあるのですが、実感として遠くまで飛んだ感じはあるのです。

遠くまで飛ばせれば、探れる場所も広がります。

なので人気なのです。

遠心ブレーキは一度廃れたのですが、復活したブレーキでもあります。

復活したのは、シマノが高精度のスプールを作り上げたから。

高精度で高回転のスプールに、遠心ブレーキがマッチしたのです。

アブのアンバサダーに搭載されていた初期遠心ブレーキは、開発当時は画期的だったのでしょうけれども、精度が悪く、マグブレーキに比べるとバックラッシュを起こす頻度が多かったのです。

しかし、シマノの精度で作り上げたら、マグブレーキよりも飛ぶものができた。

ここから人気に火がついたのでした。

こんなわけで、現在人気の遠心ブレーキモデルはシマノ謹製のリールです。

アブも最新式のを作っているのですが、正直、性能はシマノに及びません。

では、マグブレーキはどうか。

マグブレーキはいろいろな会社で製作されているのですが、その中で一番性能がよいのはダイワが作っているブレーキです。

マグブレーキの長所は二つあります。

一つはブレーキの効き方が一定なことです。

この場合の一定とは、回転数とブレーキ量の関係のことで、回転数が速くなればブレーキが強くなりゆっくりになれば弱くなるということは起きます。

別の言葉でいえば安定しているといえるでしょう。

どうして、安定しているのでしょう。

それはブレーキとスプールが物理的に接触していないためです。

アブの昔の遠心ブレーキは、投げてるうちに水が入り急にブレーキが効かなくなることがありました。

マグブレーキでこういうことは起きません。

二つ目は手軽にブレーキ量が変えられることです。

遠心ブレーキは、いくつかの例外もありますが、リールの部品を開けて内部のブレーキユニットをいじらないとブレーキ量が変えられないのです。

釣り場でやるのがめんどうですし、機種によっては部品を落とすこともあります。

だから、急に向かい風が吹いてブレーキを強める時などにマグブレーキは有利です。

この二つの長所から分かることは、マグブレーキは実用的だということです。

現場に強いといってよいと思います。

なのに人気がなかったのは、飛距離が伸びないから。

この1点だけでした。

なんですけど、実はここに問題がありまして、飛距離はブレーキ性能だけではなかったのではないかと疑っています。

それは、製品の回転精度です。

大ざっぱに分けて、シマノが遠心ブレーキ、ダイワがマグブレーキなのですが、スプールなどの精度はシマノの方が上なんです。

両者使った人は分かると思います。

ダイワは製品の見切りもあるのか、釣り具の強度はこのくらいという見積もりがシマノよりも低い感じがします。

実際それで困らないのでダイワの考えも正しいと思います。

逆にシマノがオーバークォリティともいえます。

なので精度のいいダイワ製品だと距離も伸びる感じがします。

実際、初期のプロキャスターZは、たぶんダイワにしてはオーバークォリティでシマノ並の飛距離がありました。

ブレーキ性能の差は、原理的部分では大差ないと思います。

ちなみにアブは、どっちのブレーキにしてもたいしたことはありません。

これもある種、先の結論を支持しているのかもしれませんね。

さて自分が使う場合は、実用で楽なのがいいのでマグブレーキが好きなんです。

限界まで遠投なんて、実釣じゃ使う場面が少ないですから。

特に障害物がポイントとなる釣り場では。

あとですね、3g以下のスプーンとかを投げる時もマグブレーキがいいです。

引っ張り抵抗が弱すぎて、遠心ブレーキだとブレーキが効くくらいの遠心力が生まれにくいからです。

とここまで述べてきていうのもなんなのですが、前に紹介したダイレクトリール、ラングレー社のストリームライトには、この種のブレーキがありません。

ノーブレーキです。

でも、飛距離も出ませんが、10gくらいのルアーなら実用上問題なしです。

なので、そういうリールで、できる範囲で楽しむ人には問題にならない話題かもしれません。

遠心ブレーキが人気なのは、日本人はちょっとの性能差でもいいものをほしがるからかもしれませんし、シマノの広告塔である村田基さんの人気のせいかもしれません。

シマノはいいんですけど、実用性はマグが上というのが私の考えです。

最後に、最新、とはいっても登場して10年くらいにはなるのですが、DCブレーキについて話します。

デジタル・コントロール・ブレーキというシマノが採用しているこのシステムはとても有能です。

飛距離も伸びるし、外部からのコントロールができます。

キャストとピッチングでブレーキ量を変えなくともいいくらいです。

なので、これを手に入れれば、一番問題がないといえます。

弱点は値段が高いこと、そして、キャスト時にピーという独特の音が出るので、恥ずかしいことくらいです。

だいぶ安くなりましたけど、入門器にまで普及したら、この話題はすること自体意味がなくなると思います。

まあでもマグの気楽さが自分には合っているかなあ。

アブの4600も1500もマグに変えてしまいましたからね。

自分はやっぱりマグブレーキが好きです。