3連休の最後は読書をして過ごしました。
読んだ本は「空き家問題」(牧野知弘 著)です。
2014年に刊行されたので,ちょっと情報は古いでしょう。
でも,田舎で家を引き継ぐ私にとっては,関心ある話題です。
ネタバレで感想を話します。
1 不動産は資産ではない
改めて突きつけられた現実はこれです。
不動産は資産ではない。
むしろ負債です。
特に,空き家はそうです。
どういうことか。
まず,維持管理に労力がかかります。
換気,草刈り,修繕などなど。
住まない家は傷むの法則で,補修も増えて行きます。
そして,税金,固定資産税がかかります。
もっているだけで,お金を奪うもの。
それが空き家なのです。
では,維持管理を減らすために解体したらどうか。
解体費は数百万円です。
そして,固定資産税が増えます。
もう一度いいますが,固定資産税が増えます。
まあ,増えるんじゃなくて元に戻るのですが。
「住宅用地の課税標準の特例」というのがあって,200㎡までは固定資産税が6分の1にまけられているのです。
で更地になると基に戻り,6倍になると。
アホか。
壊す人減るわけです。
なら,売ればいいか。
売れません。
古い住宅は売れないのです。
時代は少子高齢化。
大人になっても実家暮らし。
家はいらないのです。
そして日本人は新品好き。
中古は好まれません。
というわけで,住まない住宅は負債なのです。
決して資産ではありません。
2 土地神話
バブルまでの頃を覚えている人はもう少ないでしょう。
バブル前まで担保といえば土地でした。
土地の値段は下がらない。
銀行は土地があれば融資する。
そして土地は値上がりする。
こんな神話がありました。
まあ,原野商法などの詐欺もありましたから,値段のつかない土地もあるにはあったわけですけど。
だから,家をもてばいざとなったらそれを売るということができたわけです。
イギリスでは,今でもこんな感じだと聞きます。
さて,ここは日本。
バブル崩壊後はご存じの通りです。
土地は確実な投資先ではなくなりました。
やっぱり負債なんですね。
3 空き家の処方箋?
この本は社会問題として空き家問題を扱っています。
コンパクトシティなど,いろいろ解決策を示しています。
まあ,国や地方自治体には頑張ってほしいですね。
さて,個人としてはどうしたらいいのでしょう。
結局,制度が変わらないと空き家放置の先送りしかできなくなるのですよ。
まあ損切りのタイミングが問題なのかなあ。
はてさて,悩ましい問題です。
制度が変更をチェックしながら考えていきます。
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