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【書評】簡潔明瞭!投資入門本「はじめての人のための3000円投資生活」

1 エッセンスが詰め込まれた初心者向け投資本

2016年初刊の少し古い投資本です。

投資については制度変更や景気動向によって情報が古くなることがあります。

しかし、この本はよい。

投資初心者が押さえるべき点はすべて押さえています。

それでいて、非常に簡潔、わかりやすい。

この本で基本を押さえてから、他の本に進むと理解が早いと思いました。

お薦めしている商品は、古いものが多いのでそのまま受け取らない方がいいです。

しかし、考え方の基本はしっかりしている。

2023年現在でも、十分に読む価値のある本です。

2 3000円投資生活とは

3000円ずつ毎月投資しよう。

簡単にいうと、筆者の主張はこれです。

3000円にこだわる必要はなく、少額で継続的に積み立てるということです。

1か月3000円は1日100円です。

できないことはない額を示して、読者の行動を促しているのでしょう。

やると決めました。

まずすることは口座開設です。

筆者は、手数料が安いネット証券を勧めています。

現代の王道ですね。

店舗型の証券会社は、手数料が高い上にセールストークでほんとうに買うべきものが買えない危険もあります。

ネットでの口座開設は、1時間もかからないうちに終えますし、難しいこともありません。

本書は4社ほど勧めていますが、今ならSBI証券でしょうか。

買いたい商品があるところを選べばいいと思います。

次は、何に投資するかです。

筆者が勧めるのは、「バランス型投資信託」です。

現在の主流は全世界投資型のインデックスファンドなので、この辺りは好みの差かもしれません。

どちらもバランスよく分散された投資になるので、安全性が高くなっています。

筆者も次善の選択としてインデックスファンドをすすめています。

そして何より筆者が主張しているのは、これです。

手数料が安く、信託報酬も安いものを選ぶこと。

筆者は低額長期積立の投資を勧めていますので、わずかの差でも長期では大きくなってしまうこれらの費用を抑えることを勧めているのです。

これらの商品も投資である以上、確実はありません。

リーマンショックなどがあれば5・6年は低迷したままになります。

しかし、これらの商品を買うということは「日本や世界の、今後の経済成長に賭ける」ということです。

経済が発展していくことはほぼまちがいないでしょうから、一時の暴落はあるにせよ長期保有をすれば大丈夫。

筆者は、これが一番合理的な考え方といいます。

3 投資生活をする上での注意点

筆者は家計を3つの種類に分けて管理することを勧めます。

消費、浪費、投資です。

浪費を押さえ、消費を見直し、投資につぎ込む。

こういう考えです。

浪費はゼロにはなりません。

人間気晴らしや趣味が必要です。

それをどうコントロールしていくかが大切なのです。

消費の見直しには「ふるさと納税」「格安スマホ」「電力自由化」などをあげています。

2023年現在、新電力は返って高くなっているので、この辺りは時代を感じますが、とりかく見直せるところはすべて見直すという考えが大事なのでしょう。

投資は、ほんとうに投資になっているかを考えることが大事です。

一番検討しなくてはならないのは、自分への投資。

カルチャースクールとかジムとか資格勉強とか。

趣味になってしまえば浪費です。

リターンがあるのか、という点から考えてみましょう。

4 総評

本書には、この他にも危険な投資への注意や生命保険の見直しなど、読むべき内容が詰まっています。

今から見れば、イデコや積立NISAもない時代ですから、具体の段階ではちがっていることもあります。

しかし、資産をつくるための考え方としては、王道をいっていると思います。

古い本ですので、中古でやすく出回っています。

数百円の「投資」で知識を蓄えるのもよいのではないでしょうか。