1 本作の概要
雨穴さんのミステリー動画です。
www.youtube.com映画・小説・コミックとマルチ展開をした雨穴さんの作品ですが、元はオモコロでのwebライティング作品。
それから雨穴さんによる動画です。
小説は雨穴さん自身によるノベライズです。
そんな作品を、なぜ今「完全版」として再発表したのか?
真意は発表されていないのですが、ヒントはあります。
映画が公開された際に、Xにて雨穴さんが「ゴミ」とポストしたんです。
つまり、映画に満足していなかったのです。
それで、自ら映画並の長編動画として発表したのではないか。
ファンはみんなそう考えています。
ちなみに本業webライターの雨穴さん。
動画発表の前に、オモコロでwebライティング形式で発表しています。
2 動画化でよかったところ
一番よかったろころは、間取り図でしか見られなかった「変な家」を映像として見ることができた点です。
特に2階の風呂場と子供部屋。
窓がないことによる真っ暗な空間。
思ったよりも狭く圧迫感のある室内。
そして家具のない生活感の薄い空間。
まさに不気味そのもの。
怖くないホラーを目指している雨穴さんですが、こればっかりは怖かったですね。
内見したら、こんな家を買おうという気にはならないでしょう。
ホラーの現場感が強烈に伝わってきました。
3 動画化によるミス・リーディング
本動画は、いつもの雨穴さんスタイルです。
カーテンをバックにブラウン管モニターのパソコンとダイヤル式白電話のある机。
その電話で他の登場人物と会話しながら物語が進む。
そんなスタイルです。
これは雨穴さんの動画を見慣れた人には、いつものスタイル過ぎてなんの引っかかりもない感じでしょう。
しかし、ここに落とし穴がありました。
映像で見える登場人物は雨穴さんだけ。
他の登場人物は声だけです。
それを逆手に取って、一人二役疑惑を投げかけてきたのでした。
この成りすまし疑惑、作品から投げかけられる前に想定していた視聴者がいたら大したものです。
わたしは全然、これっぽっちも考えていませんでした。
見事。
そして、それは確定ではなくあくまで疑惑。
検証はできずに作品は閉じる。
すごい残余感。
雨穴さんすごいなあ。
こういうトリックを気づかれないように潜ませているのだもの。
そして、視聴者に想像の余地を残す。
雨穴さんにしてやられました。
4 ちょっとした疑問
さて本作はホラーですが、推理小説仕立てにもなっています。
とはいえ、大きな謎の「変な家」の使い道については、早くに推理が終了しています。
その後は、どうしてこんな家を作ってまで犯罪を犯したのかという動機に焦点が移ります。
その解答は、治験のために人体が必要だったってことになったのです。
なったのですが、この結論、ちょっと納得いかないんです。
なぜなら、冒頭の家での犯罪は、遺体をバラバラにしてるんですね。
バラバラにしたら治験に使えないんじゃない?
ということが気になりまして。
どう考えてもつじつまが合わず、それが気になって気になって。
最後まですっきりしませんでした。
まあ、栗原さんの推理がすべて合っているとも限らないし、あえて謎を残したのかもしれないですけど。
でもなあ…。
①製薬会社がスポンサーで、あういう家を造らせている。
②製薬会社は治験に人体が必要。
③バラバラの遺体では、製薬会社は治験がしにくい。
という不整合がどうにも解決できませんでした。
5 総評
★★★★★
ホラー動画として最高ですね。
疑問も解釈の余地を視聴者に残したともいえますし。
何より全編を覆うなんとも言い難い不気味さ、そしてコミカルな味付けが唯一無二の雨穴ワールドを作っていて、他に代え難いのです。
ちょっとカウンター見たら300万再生を超えてましたね。
みんな雨穴ワールドが見たいんだなあ。
雨穴さん、配信間隔が長いんですけど、クオリティが下がっても困るから今のペースでいいんですが、ずっと作品の発表を続けてほしいです。
新作小説も楽しみなんですが、それもいつか動画にしていただけないかなあ。