1 本書の概要
気にしすぎる人への心理学的アドバイス本です。
キーワードは、HSS型HSP。
HSPは生まれつき感受性が強く敏感な気質を持った人。
HSSは抑圧を嫌う性質を持ちながら社会に適応している人。
こういう人は1日中思考をぐるぐるさせている人なんだとか。
このぐるぐるというのは、ああでもないこうでもないと結論を出せずに考え続けること。
そういう人へのアドバイスという本です。
まあ、ずいぶん対象を狭めましたね。
HSP自体がそんなにいるわけでもないですし、その中の特定のタイプですから。
本の売り上げ大丈夫ですか?
と余計な心配をしてしまいますが、この手の本の常道で、誰でもそういう経験はあるからのあなたもそうじゃないか、を使って大勢を巻き込む戦略を取っていますので、心配ご無用。
これに限らず、よく100人いたら何人ぐらいが当てはまります的なことがいわれますけど、この数値だいたいアンケート結果ですからね。
自分がそうだと思っている割合です。
医療的な診断の結果じゃないですから。
仮に医療だとしてもですよ。
HSS型HSPなんて医学的に実在してるなんてコンセンサス得られているわけでもないので、そもそもどうでもいいんですが。
なので、杞憂を抱きがちな人が気晴らしするためのコツ、というレベルで読むのがよろしいかと。
2 解決できない不安がある場合
問題の対処法で一番よいのは、その問題その問題を解決することです。
借金なら借金返せばいいし、恋愛ならつき合えばいい。
病気なら治ればいいし、人間関係なら仲良くなればいい。
はい、読んでてウザいなと感じ始めた人も多い、というかばかりでしょう。
問題なんて解決しないから問題なんだよ!
おっしゃる通りでございます。
というわけで人類の多くはですね、問題と共存していかなければならないのでした。
悲しいですね。
でも、一病息災なんてことわざもありますからね、プラスに考えていきましょう。
それで、その共存法なんですね、次の問題は。
問題が悪化しないように対応していくことになります。
この対応というやつは、問題の種類・性質によって変わってきます。
変わってきますが、どの種類・性質にもつきまとうものがあるんです。
それは何か。
不安とかのストレスです。
不安とかのストレスっていうのは、フィジカルの痛みと役割は同じです。
そこに問題があることを宿主へ常に自覚させて、解決を促すっていうものです。
しかし、ここでの問題は解決できない問題、共存していく問題なんですね。
にもかかわらず、常に自分の一部から四六時中解決を促されるわけですよ。
いやあ、不安とかのストレスが増大するに決まってます。
で、その解決法なんですが、まあ一般的ですね。
呼吸を整え、感情を落ち着かせる。
問題そのものを見つめる。
自分にできることを明らかにする。
自分がどうすることもできないことにはかかわらない。
こんなところです。
う~ん。
マインドフルネスというか、大昔から対処法はあまり変わってませんね。
本書からは離れますが、これとは別の解決法も昔からあります。
危険な方法ですけど。
それは、誰かに依存する、です。
自分じゃないだれかに、信じたいだれかに頼るって方法です。
これの危険については、ここではやめておきますね。
3 HSS型HSPの問題とは
本書が対象としている人は、あれこれ気にすることがダメなことは分かっているけど、どうしても気になってしまうのだとか。
それで、気にしないようになりたいと思っているのだそうです。
これが問題。
なんか、そこまで分かっていたら対処法も分かるし、その対処法でなんともならなかったら、おそらくそれは心療内科の方がいいのでは、と思いました。
で、医療を受診するほどではないというのであれば、う~んどうでしょう、気にしないことだよ、ですみそうです。
まあ、本書は本になるくらいの症例を集めた結果ですから、医療的というか専門的対応が必要な方々対象だったのかもしれません。
で、こういう問題に個別の対応策があるかというと、ないんですね。
先の項目で挙げたような対応策になります。
まあ、もっと具体的なものはその人に応じて考えられるでしょうけど。
ちょっと拍子抜けな感じ。
患者は分類したけど、治療法は分類なし。
つまりはそういうことです。
4 総評
★☆☆☆☆
つまらなかったなあ。
深刻に悩んでいる人にはごめんなさいですが、一般的な悩み対処法ですむなら、こんな個別本はいらないって感じです。
一般論でいいのではないでしょうか。
この本こそわたしが探していた本だ。
そう思える人向けの本なんですが、そう思った方が読後もそう思うかどうか。
そこが重要です。
思えていればいいですけど。
わたしは、人にすすめるまでにはならなかったなあ。
