ゆるかじブログ

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【書評】ビル・パーキンス「DIE WITH ZERO」

1 本書の概要

人生論です。

資産を使い切って死ぬ。

そういうことを推奨している本です。

人生を楽しむための本で、ベスト・セラーです。

とはいっても享楽的な生き方を薦めているわけでもなく、刹那的な生き方を称えているわけでもありません。

すごく真面目な本です。

実は投資本界隈で評判ですし、本屋さんでもそういうコーナーに置かれていますが、本書のどこにも投資の指南はありません。

普通にエッセイ本の棚に置いたらいいと思います。

2 人生で大切なものは思い出

筆者の一番の主張はこれです。

人生は思い出をつくるためにある。

人生の目的は、大金を得ることではない。

お金は思い出をつくるために使うべきである。

こういうことです。

そして、思い出すづくりは後回しできないものである。

子供との思い出は、その時につくらなくてはならない。

子供は刻々と成長するものだから、興味・関心も移り変わります。

ディズニーランドに一緒に行くにはベストな年齢がある。

確かに。

そして、年老いたらできることは少なくなる。

海外旅行は、元気に体が動く時期でないと楽しめない。

スポーツもそう。

そういう時期に支出を我慢しても、人生の満足度は上がらない。

だから、つくった資産は使うべきである。

使って、数多くの幸せな思い出をつくるべきである。

これが筆者の主張です。

3 タイム・バケットをつくれ

というものの、ゼロで死ぬためには計画的でなければならない。

そのために、タイム・バケットをつくるとよい。

筆者はそういいます。

バケットとは何かといいますと、バケツです。

つまりですね。

5年おきとか10年おきとかにバケツをつくるわけです。

そのバケツにその期間にやるべきことを入れるのです。

そして、そのバケツの中身を実現していく。

こういうものがタイム・バケットです。

つまり、期間限定の目標群をつくるということですね。

こうして、思い出づくりを具体化していくということです。

なるほど。

人生でつくる思い出の具体化と使うお金の具体化をするというわけです。

体力や子供の年齢とかを考えて、その時期にふさわしい目標をタイム・バケットに放り込んでいくようにするのですね。

これなら自分にもできそうです。

4 将来の不安に勝てるか

ゼロで死ぬのは理想です。

しかし、多くの人が資産を持ったまま死んでいきます。

なぜか。

将来の不安が尽きないからです。

自分がいつ死ぬかわからないからです。

いつお金が必要になるかわからないからです。

ダイ・ウィズ・ゼロの考えは、こういう不安に勝てるのか。

タイム・バケットをつくれば不安はなくなるのか。

これは、最後はその人によるとしかいいようがないですね。

つまりは覚悟。

そういうことです。

実際、アメリカでもつくった資産を取り崩せない人が多数とのこと。

自分が苦労してつくったお金はなかなか使えない。

そういう気持ちが強くなってしまうのですね。

だからこそ、使う!思い出づくりをする!使ってこそ意味がある!という意志の強さが必要になるのです。

本書は資産を使い切る勇気を与えてくれますが、だからといってその通りに行動できるかは、やっぱりその人によるとしかいえません。

死んでからはお金は使えない。

それは真理なんですけどね。

5 総評

★★★★

4つでした。

いい本なんですけど、金融の専門家が書いたためかやっぱり損得で書いてあるような気がします。

しかしですね、ゼロで死ぬということは経済じゃない気がするんです。

これは自分の人生訓です。

つまり、思い出至上主義者になるってことです。

そういう倫理的な説得力が弱い気がするんですよ。

それが1つ分の減点です。

おもしろい本です。

メメント・モリって気持ちになります。

そういう意味で、若い頃にこういう本にふれておくのはいいことだと思います。

資産をつくり上げる前に読んでおくべきでしょうね。

そして、中高年になってから思い出してタイム・バケットをつくる。

そういう使い方がいいんじゃないかと思いました。